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一見するとパソコンと同じ起動画面ですが……

Microsoftが昨年10月26日に世界一斉に発売した「Windows 8」は、パソコン用OS(基本ソフト)としてのWindowsファミリーの最新作です。このWindows 8には、Windows NT 4.0以来かなり久しぶりにIntelアーキテクチャ(IA)ではないCPU用エディションが用意されています。それが「Windows RT」です。

この度、Windows RTを搭載するタブレット端末、「ASUS VivoTab TF600T」を数回に分けてレビューしていくことになりました。

今回は、使い始める前段階、そもそも「Windows RT」とは何なのか?というところを簡単に解説していきます。

■まず、「Windows 8」とは何?
Windows8Logo

Windows 8は、クライアントパソコン向けWindowsの第8世代であることから、そのように名付けられました。「Windows 7」と同様の命名理由です。

OSの中身的にはWindows 7のマイナーバージョンアップ(軽微なバージョンアップ)という位置付けになっており、アプリケーションで認識できる内部名は「Windows NT 6.2」(6.0が「Windows Vista」、6.1が7)となっています。ただし、機能的には“軽微”ではない変更も多くなされています。主な例を列挙すると…

・ 新しいユーザーインターフェイス(UI)である「Modern UI」の採用
・ アプリをオンライン配信する「Windows Store」の実装
(Modern UI専用アプリは原則ここからのみインストール可)
・ 従来環境(デスクトップ)において、タスクバーからスタートメニューが無くなった
(Modern UIの「スタート」画面で代替可能)
・ デスクトップウィンドウのタイトル表示が左寄せから中央寄せに
・ Microsoftアカウント(旧称Windows Liveアカウント)をユーザーアカウントとして利用可能に
(従来通り、「ローカルアカウント」で使うことも可能)
・ タッチパネル操作に対する機能強化
(マルチタッチ検出上限点数増加・ジェスチャー操作の導入など)
and more...

このほか、目に見えるもの、滅多に見えないもの、全く見えないものなど、全部ひっくるめると、かなり多いです。

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筆者のWindows 8パソコンの「スタート」画面

この中で、特にModern UIの採用と、タッチパネル操作に対する機能強化は、タブレット型パソコンでの操作性の大幅向上につながりました。結果、Windows 8ではWindows 7までの頃と比べるとタブレットパソコンや、タブレットとしても使えるハイブリッドタイプのパソコンのラインナップが増加傾向にあります

■「Windows RT」は他の「Windows 8」とどう違う?
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エディション間比較表(Microsoftホームページから)

Windows 8には、4エディション用意されています。エントリーパソコン向けの「Windows 8」、上級者・企業ユーザーのために機能を追加した「Windows 8 Pro」、Pro版をベースに大量導入する企業向けとした「Windows 8 Enterprise」、そして今回とりあげる「Windows RT」が用意されています。

このうち、Windows RTは、スマートフォンやタブレットでお馴染みのARMアーキテクチャCPU用に作られました。冒頭にも書いた通り、NT 4.0以来の非IA CPU向けのデスクトップクライアント用Windowsとなります。

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一見すると普通のWindows 8と同じようなシステムのプロパティですが……

Windows RTは、あくまでもWindows 8のバリエーションのひとつで、ユーザーインターフェースを始めとして、様々な部分がIA CPU向けの3エディションと同様です。しかし、主にCPUアーキテクチャの違いから、様々な差異があります。主なものを挙げると…

・ OSの単品販売はない(プリインストール提供のみ)
・ IA向けデスクトップアプリは一切動かない
・ ユーザーが追加できるアプリはWindows Storeで配布されているModern UIのもののみ
・ Windows Media Playerは非搭載・追加不可能
・ Windows Media Centerは追加不可能
・ ホームグループを新規に作成できない(既存グループには参加できる)
・ リモートデスクトップのホストになれない(クライアントにはなれる)
・ ドメインに参加できない
・ Microsoft Office Home and Student 2013 RTのライセンスが標準で付いてくる
・ Connected Standbyに標準対応している(IA向けは、ごく一部のプラットフォームのみ対応)

こんな感じです。普通のWindows 8よりも優れている点もありますが、どちらかというと劣っている点がけっこう多いように見受けられます。上の「システムのプロパティ」は今回使っていくVivo Tabで撮影したものですが、確かにCPUはTegra 3で、システムの種類でARMプロセッサと表示されています。そこも注目点なのですが、通常のWindows 8であれば表示されるWindows Experience Indexの項目が無かったり、ワークグループ関連の項目が「利用不可」になっていたり……、と色々差異があります。

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ホームネットワークには参加できますが、作れません……

コントロールパネルの「ホームネットワーク」を参照すると、参加はできるが作成できない旨が表示されます。ここにも通常のWindows 8と違う面です。

果たして、Windows RTは実用に耐えうるのでしょうか…?今後のレビューでは、色々と試していきますので、ご期待ください!

記事執筆:せう(Sho INOUE)

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