ソフトバンク孫社長が悪いことをしなければ何でもいいと宣う!

ソフトバンクは31日、同社の2014年3月期(2013年度)第2四半期(Q2、7〜9月)の決算説明会を開催しました。

説明会で登壇した代表取締役社長の孫正義氏は冒頭、子供の頃に虹の根元を求めて友達と探しまわったことを紹介し、仲間とともに夢を追いかけることを続けており、先日亡くなった福岡ソフトバンクホークス球団社長兼オーナー代行も務めていた笠井和彦氏もその夢を一緒に追いかけていた仲間として紹介し、喪に服するためにネクタイを礼服にしようかと思ったが、それは笠井氏の意思にそぐわないだろうということでさらなる夢を追いかけるために明るい色を選んだと説明しました。

今回の説明会プレゼンテーションでは、米携帯電話会社Sprint(スプリント)やフィンランドのスマートフォンゲーム会社SuperCell(スーパーセル)、米モバイル卸売会社Brithstar(ブライトスター)と続々と買収していることで、業績も過去最高となっていることに加え、この「夢を仲間と一丸となって実現する」がテーマとなっていました。ざっくりと紹介していきましょう。


プレゼンテーションでは、その後、連結業績ハイライトから紹介。売上高が2.6兆円(前年同期比73%増)、営業利益7,151億円(同67%増)、純利益3,949億円(同84%増)、すべての指標で国内携帯電話会社3キャリアの中でNo.1になったと説明。なお、連結業績は国際会計基準を適用。

連結売上高が2.6兆円で前年同期比73%増(Sprint事業0.8兆円含む)と過去最高。これもNTTドコモを逆転。連結EBITDAが8,160億円で前年同期比39%増(Sprint事業 1,119億円含む)と10期連続最高益。

連結営業利益7,151億円で前年同期比67%増。これは、ガンホーやウィルコムなどの子会社化に伴う一時益などの2,490億円を含み、Sprint事業営業損失223億円を相殺し、8期連続最高益。

営業利益においてNTTドコモを逆転し、増減率(前期比)は+67%に大幅増益したということです。買収による増益に批判があることを察したのか、孫社長は「(買収による)飛び道具でも何でもいい。要は超えればいい。法をおかしたりといった悪いことをしなければ。背の低い人なら高い靴を履けばいい。」などと説明し、買収による増益であっても収益には違いないことを強調していました。

続いて、営業利益ランキングではトヨタ自動車に続き国内2位になり、世界でも24位の水準に達するとのこと。時価総額7兆円以上の企業の営業利益増減率ランキングでも世界3位に達するということです。

また、連結純利益3,949億円で前年同期比84%増も過去最高。これについても、NTTドコモを逆転。2013年度上期における連結業績サマリーとしては、売上高が2兆5,986億円、EBITDAが8,160億円、営業利益が7,151億円、純利益が3,949億円となっています。

なお、キャッシュフローの状況としては、営業キャッシュフローが4,512億円で5期連続過去最高のほか、フリーキャッシュフローが-16,508億円で、主に子会社の支配獲得による収支が-14,307億円、設備投資支払が-5,836億円によるもの。

純有利子負債およびEBITDA倍率は、Sprint買収完了時に3.2倍に達したとのことですが、早期に低水準をめざすという以前からの言葉通りで、Sprint買収資金などのリファイナンスの金利が1.4%で、2006年のボーダフォン・ジャパン買収時と比較しても大幅な低利調達したことを改めて説明。

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次に、9月20日に販売が開始された新しいiPhoneについても、NTTドコモが国内では新たにiPhone販売を開始しましたが、その後もソフトバンクモバイルがiPhone 5sおよびiPhone 5cの累計販売シェアNo.1になっているほか、純増No.1キャリアの地位も堅持していると説明。

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2013年度上期(2013年4~9月)の純増数が191万件(ソフトバンクモバイル、ウィルコム、イー・モバイル計)に達し、au by KDDIやNTTドコモとの3社比較でも圧倒的No.1であるとしました。2013年度上期のMNP転出入28万件で前期比倍増、ARPUも4,520円と、NTTドコモやau by KDDIとの3社比較でも他社が減速する中で順調に推移しているということです。

モバイルサービスの売上が9,960億円で前年同期比29%増収。これは、ガンホーやイー・アクセス、ウィルコムなどの新規連結の影響(1,644億円)も含み、順調に増加しているそうです。

モバイルEBITDAマージン(償却前モバイル営業利益率)が52%で。ボーダフォン・ジャパン買収時の28%から大幅に改善し、世界の主要通信会社と比較してもNo.1の収益性と説明。

モバイル営業利益が3,396億円で、前年同期比17%増益と、2006年のボーダフォン・ジャパン買収時と比較して8倍規模になったとのこと。なお、2013年度からガンホーやイー・アクセス、ウィルコムなど新規連結の影響(283億円)を含むとしています。

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事業内容の説明に移り、まず、「スマホ時代のネットワークNo.1へ」と直近で説明している内容を繰り返し紹介。スマホのつながりやすさNo.1では、プラチナバンド基地局数が2013年10月時点で2.8万局と順調に増加しているということです。

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続けて、プラチナバンドによって3年半前と比べ、現在は、サービスエリアが大幅に改善したことをエリアマップで紹介。

さらに、スマホのパケット接続率No.1として、子会社のAgoopによる調査による10月27日調査時点でランドマーク別の調査でも他社に完勝していると説明。同じく10月27日調査時点でのiPhone 5sおよびiPhone 5cパケット接続率もNo.1となり、NTTドコモがiPhone取り扱いをはじめたことで、3社を同じ機種で平等に比較できるようになったと説明。

また、10月29日調査時点でスマホの通話接続率No.1。これは、イプソスによる全国調査で、スマホの通話接続率をスマホ利用モニター16,370人に発信し接続率を測定したとのこと。モニターの内訳は、ソフトバンクが約6320人、NTTドコモが約4860人、auが約5,190人。

総務大臣報告の重大事故(影響利用者数3万以上、かつ継続時間2時間以上)も2011年6月以降、ソフトバンクモバイルは889日ネットワーク重大事故なしであることを紹介。毎日記録を更新しているということです。

なお、質疑応答では、ネットワーク重大事故はなかったが、信用情報の誤登録という重大な事故について詳細な経緯や原因などについての説明がないのではないかといった質問に対し、原因は人為的ミスであり、すでに不具合を修正した上で誤登録も正しい情報を送り直しており、問い合わせもすでになくなっているとすでに解決済みであるという認識を示していました。

さらに、高速通信の速度No.1として、TDD-LTE互換AXGP基地局数は、2013年10月に4.2万局と急速に増加。Androidの平均スループットもRBB TODAYの調査で15.3Mbpsと速度No.1。(2013年8月29日時点、データ期間:2013年4月1日~6月30日)。FDD-LTE基地局数も2013年10月に2.9万局と急速に増加。

ソフトバンクモバイルの2.1GHzとイー・モバイル1.7GHzでそれぞれ10MHz幅×2による75Mbpsを導入した「倍速ダブルLTE」になっていることで、ダウンロード速度は全国で大幅に改善したことを紹介。

Cross Marketingによる2013年9月30日に公開された「日本全国乗降客数上位500駅調査」でもiPhone 5cで下り平均速度の駅数No.1、下り平均速度No.1。外部調査でも圧倒的な結果になったとしていました。

さらに、高速通信をもっとつながりやすくということで、来春にもプラチナバンドの900MHzでのLTEを開始し、1.7GHzおよび2.1GHzと合わせて「トリプルLTE」になることを紹介し、設備投資を前倒しにしていることを紹介していました。

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米国で買収したSprintについても買収後に反転へ向け純増数がプラスへ反転傾向、ポストペイドARPUが2013年度Q3に63.69ドルと過去最高になっていると紹介。

Sprintの販売に占めるスマホ比率は過去最高になっており、2013年度Q1~3ではサービス売上は215億ドルと順調に増加し、営業利益(償却前)は43億ドルと反転へ向かっているとのこと。

Sprintさらなる成長への戦略としては、ネットワーク改善および営業費用の削除、端末調達コストの削減、営業の強化の4本柱で行うということです。

ソフトバンクやSprintを筆頭にソフトバンクグループインターネット企業1300社で「One Team, One Vision」と、同じ夢に向かって一丸となってNo.1をめざすとしています。

ここで、AppleがiPhoneを発売する前に当時のCEOであったスティーブ・ジョブス氏に会い、日本国内でのiPhoneの独占販売を口約束したことを紹介し、「ボーダフォン・ジャパン買収はこの口約束があったから実行した。」とし、「同じようにSprint買収にはClearwireの大幅に保有する2.5GHz帯があったから実行した。」と説明。この周波数帯があれば、数Gbpsという通信速度も夢ではなく、米国市場でNo.1になれると説明していました。

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さらに、「スマホ時代のコンテンツNo.1へ」ということで、世界のスマートフォン人口が2016年に37億人と予想するシード・プランニングの調査からモバイルインターネット時代本格到来だとし、さまざまなコンテンツでNo.1をめざすことを紹介。

例えば、「イーコマース世界No.1へ」向けて、ヤフージャパンでは、営業利益が2013年度上期で979億円。成長が再加速しており、15%増益。

先日10月7日に発表された「ヤフーショッピング」や「ヤフオク!」、「ヤフー予約 飲食店」の各種手数料などを無料化で「eコマース革命」を起こしていくとのこと。これにより、すでにヤフーショッピングの既存ストアおよび新規出店希望数がeコマース革命発表後、2週間で計7.5万件になり、楽天市場を超える予定だとしています。また、ヤフオク!の1日当たり出店申込は発表翌日30倍になっているということで、ヤフーショッピングやヤフオク!、ヤフー予約 飲食店が201X年度までに商品数No.1、EC流通総額No.1をめざすとしています。

海外でも2013年現在、商品数No.1、EC流通総額No.1なのがソフトバンクグループのAlibaba傘下「Taobao」で、Taobaoの2012年度取扱高が16.1兆円までまだ急成長中で、取扱高成長率もNo.1になっており、純利益(税引後)が前期比2.8倍、Alibabaグループの純利益成長率もNo.1になっているとしています。

一方で、最近子会社化したガンホーや買収したSuperCellといったスマホゲーム会社についても重要だとし、「ゲームを制するものがスマホコンテンツを制する。」とのこと。現在、世界のアプリ売上の内訳では、Androidの「Google Play」、iOSの「App Store」ともに最大のスマホコンテンツは「ゲーム」であることを示し、モバイルゲーム市場は急成長していると紹介。

ソフトバンクグループでは「スマホゲーム世界No.1へ」向けて、ガンホーの「パズル&ドラゴンズ」ダウンロード数が2013年10月時点で国内2000万超、海外でも200万突破と順調に拡大中であり、ガンホーの営業利益が2013年度Q1~3で685億円、前期比28倍となっていると説明。

さらに、2013年10月にソフトバンクが80%、ガンホーが20%の特別目的会社を通して、売上世界No.1スマホゲーム会社「SuperCell」の株式51%取得に合意したことを発表したことも紹介。

SuperCellは、App Store売上世界ランキング(ゲーム別)で同社が提供する「Clash of Clans」は139カ国でNo.1になっており、新しい「Hay Day」も102カ国でNo.1になっているとのこと。

また、SupercellがiOS向けの2つのアプリだけで世界No.1売上実績があり、加えて、2013年10月7日Android版リリースしたことで、さらなる成長への期待が持てるとしていました。

これについては、質疑応答でもスマホゲームが浮き沈みの激しい業界であることを指摘され、その対策を問われると、孫社長は「これまでは多くのゲームタイトルを揃えてリスクに備えてきたが、そうではないんじゃないか。じっくりと作りこんだ大作を作り、ネットワーク時代に合わせさらに毎日のようにそのゲームを育てていくことが大事だと思っている。」という持論を展開。

また、ガンホーが国内だけで1人当りの収入は、SuperCellより大きいことを紹介し、SuperCellでガンホーのノウハウを展開することでさらに収益を挙げられ、一方で、SuperCellのノウハウでガンホーの海外展開を加速させ、売り上げを伸ばしていくというシナジー効果が得られると説明していました。

さらに、2013年10月に世界No.1の携帯卸売会社「Brightstar」への出資に合意したことを発表したことも紹介していました。

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まとめに移り、国内事業では「さらなる成長へ。」向けて、米国事業では「反転へ。」とそれぞれ業績を伸ばすことで、営業利益1兆円へ向け順調に推移していると説明していました。

最後に2014年度(2015年3月期)の連結業績予想では、売上高が7兆円、EBITDAが2兆円、営業利益が1兆円をめざし、「あらゆる面で世界No.1へ。」の夢に向けて邁進していくということです。

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記事執筆:S-MAX編集部


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