SIMカードはペアリングして使う時代に?!

10月7日(火)から11日(土)の期間、幕張メッセ(千葉県)で開催されたIT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2014」において、NTTドコモブースでは、6月に発表した小型認証デバイス「ポータブルSIM」の展示、デモが行われていた。

ポータブルSIMは、SIMカードが入っていないスマートフォンやタブレットにポータブルSIMをかざすだけでデータ通信が可能となるもので、ブース内ではポータブルSIMのデモが行われていたのでそのレポートをしていく。

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ポータブルSIMの試作機

ポータブルSIMの試作機は名刺サイズに近いもので、この中にバッテリー、Bluetooth、NFCなどの機能が搭載されている。展示されているスマートフォンやタブレットはモデムのプログラムが変更されており、内蔵SIMではなくBluetooth接続のポータブルSIMを認証してデータ通信を行うのだという。つまりソフトウェアが対応するドコモ端末であればポータブルSIMが利用可能だが、SIMフリーの端末での利用は難しそうだ。

スマートフォン・タブレットとポータブルSIMとの認証のやりとりは、消費電力の低いBluetooth Low Energyを使用しているとのこと。ポータブルSIMのBluetoothの範囲内でしか通話・データ通信ができない。

また、ポータブルSIMとのNFC通信時にスマートフォン・タブレット側の機能設定変更をすることも可能で、ビジネス用やプライベート用のポータブルSIMという利用スタイルも検討しているという。

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ステータスバーのSIMカードアイコンとアンテナピクトに「×」印が付いたSIMカート無しのテスト機「Xperia Z2 SO-03F」(以下、SO-03F)。この状態では通話が行えない。


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ポータブルSIMをNFCにかざすと、Bluetoothのペアリングが行われる。


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SIMの認証が終わると、アンテナピクトには「LTE」と表示され、通話・データ通信が可能となった。


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向かって左のケータイからポータブルSIMの電話番号に電話を掛けると、スマートフォンで着信が確認できた。


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テスト機のNFC搭載のタブレット「AQUOS PAD SH-06F」(以下、SH-06F)でも同様にポータブルSIMでデータ通信が可能となる。SH-06FはVoLTEに対応する電話機としても利用可能だ。

ポータブルSIMにはIDとパスワードを記録しておくことが可能で、NFC経由でサイトのログインの認証も可能だ。この機能はNFCリーダーを持つパソコンでも利用可能だという。
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ポータブルSIMの紹介パネル


ちなみに、ポータブルSIMとの接続は常に1対1で行われるため、SH-06FでペアリングされるとSO-03FはSIM無しの状態となっていた。

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様々な形状のポータブルSIMのコンセプトモデル

現在はモバイルルーターのような形状をしているが、もっと扱いやすい形状にしていきたいとのことで、腕時計型やカードサイズ、ペンダント型など様々なコンセプトモデルの展示も行われていた。

SIMカードを入れ替えることなくスマートフォンやタブレットの使い分けが可能となるだけではなく、サイズの違うSIMカードもポータブルSIMならその違いを吸収してくれるので新旧の端末を利用している人には便利なのではないだろうか。


記事執筆:mi2_303



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