auのFirefox OS搭載スマホ「Fx0」発表会をレポート!

既報通り、スマートフォン(スマホ)など向けの第3のOSとして注目されている「Firefox OS」を搭載した機種を披露する「au Firefox OS Event」を開催し、4.7インチHD(720×1280ドット)IPS液晶を搭載したFirefox OS 2.0採用スマホ「Fx0(型番:LGL25)」(LG Electronics製)を2014年12月25日(木)より順次発売すると発表しています。

イベントにはKDDI代表取締役社長の田中孝司氏のほか、Firefox OSの開発を進めるMozillaのCTOで上級副社長であるアンドレアス・ガル氏が登壇し、これまで実施してきたハッカソンの内容についても披露されました。

今回はこのイベントの新商品発表会について写真を交えてレポートしたいと思います。

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イベントは田中氏がハッカソン会場におり、プレゼンテーション会場から呼びかけるという形ではじまり(写真=左)、その後、田中氏が登壇して発表会がスタートしました(写真=右)


発表会は「ウェブ新世紀ハジマル」と題して、田中氏が登壇してプレゼンテーションを行いました。まず「国内初の携帯電話会社によるFirefox OSを搭載したスマホのローンチ」であることを紹介し、新製品が「ギークのために作ったスマホ」であり、「商売抜き、まったくビジネスを考えていないで作った。こんなことでいいのか。」と社長でもある自分に問いかけるかのように進められていきました。

なお、田中氏は自他ともに認めるガジェット好きなオタクとしても有名で、自身のこともギーク(新しもの好き)だと称しています。

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続いて田中氏は「2011年12月にFirefox OSに出会った。本当に軽くて、いろいろなことが誰にでもできるようになるのではないかと思った。スマホの世界も新しく変わっていくんじゃないかと感じた。」とし、「(Firefox OSは)完全にWeb(の技術)でできている最初のOSなんじゃないかと思う。Web
と同じようにHTMLなどでプログラミングも簡単にでき、Webプログラミングを行っている人は800万人もいる。そして、軽いので強いCPUではなくても軽快に動く。」と説明しました。

さらに「簡単にサーバーにもなる。スマホがサーバーになることで新しいことができるんじゃないか。auでは『新しい自由』を掲げているが、今、忘れがちな作る楽しみができるんじゃないか。」などとし、「これはauが実現できる世界なんじゃないかと思っている。」と次の時代のスマホになる可能性を秘めていることを紹介しました。

そして、具体例として「先日行ったハッカソンには小学生が参加し、いろいろなことをやっていた。ちょっと写真では小学生に見えないけど……。」と少し前に起きた小学4年生を語った選挙のインターネット活動にまつわる事件にも絡めた発言も飛び出していました。

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ハッカソンに参加する小学生たち

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なぜか登場はFirefoxロゴのついた暖簾をくぐって……


田中氏は「小学生でもプログラミングができるということは、これから実現できることは無限大になるのではないか。」とまとめ、続いて、Firefox OSの開発を行っているMozillaのアンドレアス・ガル氏を紹介しました。

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田中氏に続いて登壇したMozillaのアンドレアス・ガル氏


ガル氏はまず、Mozillaの設立から「(Mozillaは)モダンWebを作ることをミッションとして設立された。」と紹介し、「数年前にWebブラウザーの世界でやってきたことを、モバイルでもやろう。」ということで、「オープンな環境で開発したWebブラウザー『Firefox』の精神を引き継ぎ、オープンテクノロジーの信奉者である私たちがFirefox OSを作った。これにより、モバイルの世界にも選択肢と競争がもたらされたと思っている。」と説明しました。

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また同氏は「Mozillaだけでこの世界を作れたわけではなく、パートナー企業や個人開発者とともにやってきた。グローバルコミュニティーにも日本人がたくさんおり、ボランティアから企業までさまざまだ。それは、モバイル向けOSのFirefox OSでも同じだ。」とし、「オープンソースベースなFirefox OSはHTML 5.0のJavaScriptやCSSなどがベースとなっている。」とのこと。

さらに「これまでの他のモバイル向けOSはコアな技術がオープンにされていなかったと思う。今回、MozillaはKDDIやドイツテレコムなどの携帯電話会社と協力することで、加速度センサーやジャイロセンサー、近接センサーなどの各種センサーを開発者に開放する。100%オープンであるため、開発者が自由に修正でき、スマホの新しい世界が広がっていくと思っている。」とFirefox OSの特長を紹介しました。

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続けて、Firefox OSの特長としては「直感的な体験ができるだけではなく、NFCやWebRTCといった最新のWebAPIが最新のKDDIの新機種で利用できる。これまで、モバイルとウェブには大きな障壁があったが、Firefox OSによって障壁はなくなってきている。これまではWebがブラウザーの中に閉じ込められていたが、Firefox OSではあらゆるWebが利用できるようになる。」とのこと。

一方、「Mozillaではこれまで28カ国でFirefox OSを搭載した機種をローンチ(発売)してきた。機種数は15となっており、今回、KDDIの新製品が16個目となる。そして、このKDDIの新製品は最も最先端となっている。」と紹介していました。

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新製品の名称「Fx0」が披露

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Fx0開発担当者の上月氏(写真=左の右側)と物理モザイクでひっぱる田中氏。上月氏は田中氏から「43歳独身」と紹介

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ようやく披露されたFx0


ここでついに新機種のFx0が田中氏によって披露されました。Fx0はFirefox OS 2.0を採用したLGエレクトロニクス製スマホで、4.7インチHD(720×1280ドット)IPS液晶を搭載した機種となります。スペック的にはAndroid搭載機種ではミドルレンジに相当しますが、OSも違いますし、サクサクと動作するとのことです。

また、大きな特長はデザインで、田中氏は「ギークをターゲットにして徹底的にこだわっている。日本でも著名なデザイナーである吉岡徳仁さんにデザインをお願いした。」とし、さらに「オープンだから中身を見せなきゃいけないだろうということで透明ボディーにした。内側から放たれる美しさを徹底し、部品の配置をわざと空けているなど、部品の配置までもが美しく見えるようになっており、それっぽく見えるように本当のアンテナに加え、フェイクのアンテナも1個あるが、ほとんど見えている部分は実際のアンテナで電波特性もきちんと計算されている。フェイクのアンテナは是非、探してみて欲しい。」と紹介していました。

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さらに「Firefoxロゴを立体的に表したホームキーを搭載している。中にFirefoxのマスコットキャラクター『フォクすけ』が描かれているが、開発段階では1回ごとに手作りで、1回30万円程度かかった。改修計画があるわけではないのに……。」とし、「ネジも専用に制作した。色合わせだけでも通常の40倍(のコスト)。なのに、1台当たり11本しか使われていない。」と細部まで非常に繊細にデザインされていることを紹介していました。

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こういったことによって田中氏曰く「凝ったばっかりに普通は店頭などにモックアップ(動作しない模型)を置くのだが、それが作れなくなってしまった。そのため、店頭に並ぶのはすべて実機になる。また、これまでイベントで『クリスマスプレゼント』と言っていたのに12月25日には直営店のみの販売となる。本当はauショップで売りたかったけど、間に合わなかった。」とし、上月氏に向かって「全部、こいつのせい。」と公開パワーハラスメントかと思われる発言も飛び出していました。

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その他のスペックとしては1.2GHzクアッドコアCPU(Qualcomm製「Snapdragon 400(MSM8926)」および1.5GB内蔵メモリー(RAM)、16GB内蔵ストレージ、microSDXCカードスロット(最大64GB)、約800万画素CMOSリアカメラ、約210万画素CMOSフロントカメラ、2370mAhバッテリー、

サイズは約139×70×10.5mm、質量は約148g。カラーバリエーションはすでに紹介しているようにスケルトンとなっているゴールド(Gold)の1色のみ。連続通話時間は約1010分、最大待受時間は4G(LTE)で約720時間、3G(CDMA2000)で約820時間。

ソフトウェア面では日本語入力をオムロンウェア、Mozillaと共同開発した「iWnn IME for Firefox OS」をプリインストールし、フリック入力にも対応。また、Fx0同士をタッチすると無線LAN(Wi-Fi)経由でP2Pでデータの共有をするという「Web-cast」機能も搭載。その他、KDDIが開発に参加したWebサーバー機能を標準搭載し、さまざまな機器と連携でき、アプリケーション開発ツール「Gluin」を利用して組込機器と連携した「WoT(Web of Things)」を実現できるということです。

これによって、田中氏は「これまでのスマホではいじれると言ってもアイコンをいじって設定を変更するくらいしか楽しめなかったとし、WoLで小さい頃にラジオを作ったり、模型を作ったりしたことがスマホを使ってできるようになる。」とし、さらに最近流行りの3Dプリンターを活用するためのデータも公開するとのこと。

田中氏は「Fx0に込めた思いは『作る自由』。ハードウェア的な外観を作れる、中のソフトウェアもアプリだけではなく、オープンOSであるFirefox OS自体も作れる。色んなおもちゃを作りたい人はFirefox OSを搭載した開発ボード『Open Web Board』もあるし、簡単にプログラミングできるGluinも用意した。」とし、「日本中のギークにいじり倒してもらって、成果をWeb上にアップしてもらいたい。」とまとめました。

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発売日は2014年12月25日(木)で、当初、KDDI直営店舗(au SHINJUKUおよびau NAGOYA、au OSAKA、au FUKUOKA)や直営Webストア「au Online Shop」のみとなり、少し遅れてその他のauショップやau取扱店舗で2015年1月6日以降順次発売となります。

本体価格は一括払いで49,680円、毎月割を適用した実質負担額が29,160円。また、利用料金はまずは「2台目用として安い料金にする。」ということで、Fx0の発売に合わせてより適した料金プランとして月間データ容量上限を2GBとしたFx0専用のデータ定額サービス「LTEフラット cp(f・2GB)」(月額3,500円)が提供され、新規契約および他社から乗り換え(MNP)の場合に「Fx0 おトク割」も提供され、適用すると最大2年間基本使用料が0円となるということです。これにより、Fx0 おトク割適用時にはインターネット接続(ISP)サービス料(月額300円)を加えて月額3,800円で利用でき、機種変更の場合では月額4,734円からとなっており、田中氏は「だいぶ頑張ったつもり。」としていました。


最後に質疑応答ではFx0を出す意義を問われた田中氏は「なんとなく。ギークの人は既存のスマホには飽きてきているのではないか、もっといろいろいじれたら楽しいのではないかと思っていた。そこに2011年にFirefoxを見て、これは面白いことができるんじゃないかと導入を決めた。」と回答。

また、ビジネス的な話については「実際に深く考えていなくて、auは過去に『au design project(adp)』もやったし、面白いことをやるんだなというのがauファンに伝わればいいかなという程度のノリでやっている。」としながらも、「社長なのでたまには儲かったらいいなとは思っている。」のこと。

さらに「本当にオープンなOSなのでFx0のポータルサイトにも公開するが、いろいろなアプリが公開されることで、機種は1つだけど、いろんな見え方や楽しみ方ができると思っている。そして、みなさんのレスポンスが良ければ、第2、第3と踏み込んでいけるのではないか。」としていました。

記事執筆:memn0ck


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