2015年はどうなる!?大手携帯電話会社の年頭所感を紹介

昨年「2014年」は一昨年にdocomo(NTTドコモ)がApple製「iPhone」を導入し、その後はじめての最大の商戦期である春に本体価格の割引に留まらないキャッシュバック合戦の末、"適切なキャッシュバック"という言葉まで出た後、一気に毎月のTCAによる加入者数公開がなくなるまで冷え込み、その流れでdocomoが先行して新料金プランを導入し、それに各社が追随、その影響で仮想移動体通信事業者(MVNO)による格安SIM格安スマホが伸びるというように価格・料金面で大きく動いた年でした。

また、新料金プランの肝でもあった通話定額サービスを支える技術として「VoLTE」も各社が導入し、端末面では水平展開がより強まり、ついにソフトバンクモバイル(SoftBank)からも「Xperia」シリーズが発売されたほか、ソフトバンクグループでは日米共同調達が「AQUOS CRYSTAL」から開始されました。

その他、年末にはようやくモバイル向け第3のプラットフォームとして注目されている「Firefox OS」を搭載した「Fx0(型番:LGL25)」がau(KDDIおよび沖縄セルラー)から発売されたり、第5世代携帯電話(5G)に向けて3.5GHz帯がdocomoおよびau、SoftBankに割り当てられ、一方、ソフトバンクグループとなっていたイー・アクセスとウィルコムが合併してワイモバイルとなり、ヤフーと協業する「Y!mobile」をスタートさせました。

今年はauに続いて各社がLTE-Advancedの要素技術の「キャリアアグリゲーション(CA)」を導入し、NTTドコモでは春に下り最大225Mbpsサービスを開始するほか、UQコミュニケーションズも春にWiMAX 2+を下り220Mbpsに高速化予定です。

そんな「2015年」に各携帯電話事会社がどのような心づもりでサービスを提供していくのか、まずは各社の新年の挨拶、年頭所感をチェックしてみたいと思い、今回は、NTTドコモおよびKDDI、ソフトバンクグループ、UQコミュニケーションズの年頭所感を以下にまとめて紹介します。

一部全角を半角に変更していたりしますが、基本的に原文そのままを掲載しています。これらから各社がどのように事業を進めていくのか……それぞれ妄想しながら2014年のスマートフォンやタブレットに思いを馳せてみたいところです。

◯NTTドコモ
年頭にあたって

株式会社NTTドコモ
代表取締役社長
加藤 薰

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年を振り返りますと、「新たな成長に向けた礎を着実に築く年」と位置づけ、邁進した1年でした。

まず、料金に関しては、キャッシュバックを中心とした不健全な競争を変えるため、長期にご利用いただいているお客様やご家族でお使いいただいているお客様におトクにお使いいただける新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を他社に先駆けて昨年6月に導入いたしました。解約率の低下や、タブレットを2台目としてご利用されるお客様が増えるなど、お客様のご要望にしっかりとお応えすることができた結果と考えており、約1,300万のお客様にご利用いただいております。

ネットワークでは、昨年6月から、高音質で安定した通話が可能となる「VoLTE」を国内で初めて提供し、テレコミュニケーションの基本である音声通話サービスの品質向上に努めました。また、LTEエリアについても、今年度末にFOMAと同等のエリアとすべく着実に拡大しております。「フルLTE」による国内最速150Mbpsの高速通信と合わせて、お客様には、エリアの「広さ」「速さ」および「快適さ」を実感いただけるよう取り組んでおります。

サービスでは、dマーケットに新たに「dマガジン」を加え、既に100万契約を超えるなど、大変ご好評をいただいております。dマーケット全体でも900万を超えるお客様にご利用いただいており、この1年で大きく成長いたしました。また、「hitoe」や「ドコッチ」などのウェアラブルデバイスを活用した新たなサービスのご提案や、各自治体と連携したコミュニティサイクルの推進などスマートライフの実現に向けて取り組んでまいりました。

さらに、ドコモショップにおいては、日ごろの営業品質強化の取り組みが評価され、株式会社日経リサーチ主催の日経リサーチアワード「店舗の魅力で選ぶ~ニッポンの店大賞2014」にて、「おもてなし魅力度第1位」を受賞しました。引き続き、お客様にご評価いただける店舗づくりに取り組んでまいります。

今年は、昨年築いた礎を基に、「競争ステージを実際に変える年」とすべく取り組んでまいります。

新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」をより多くのお客様にご利用いただけるように取り組むとともに、今年2月にサービス開始を予定している「ドコモ光」では、簡単・便利でリーズナブルをキーワードに、お客様の生活をこれまで以上に楽しくする新たなサービスを提供し、競争ステージを「サービスによる付加価値競争のステージ」へ変えていきたいと考えております。

さらに、お客様に更に快適にドコモのサービスをご利用いただくため、3月には、国内最速となる最大225Mbpsの高速通信が可能なLTE-Advancedのサービスを開始する予定です。また、将来のトラヒック増加を見据え、通信混雑時につながりやすさを向上させる「ネットワーク仮想化」の取り組みを進めていくほか、最大10Gbpsの超高速通信が可能となる第5世代移動通信方式を2020年までにサービス提供すべく、研究開発に継続して取り組みます。

この他にも、多様なサービスを実現することで、お客様の利便性向上や社会における課題解決に貢献していきたいと考えております。

また、同時に、一層の事業の効率化を図り、経営体質を更に強化してまいります。

ドコモは本年も、お客様一人ひとりのスマートライフのパートナーとして、お客様の生活が安心・安全、便利で快適になるように取り組んでまいります。

以上


◯KDDI
2015年 社長年頭挨拶

KDDI株式会社
代表取締役社長 田中 孝司

◯2015年のテーマ
「新たな成長へ向けて実行する1年にしよう」

◯2015年のポイント
(1)お客さま第一に考え実行する
(2)先読みとスピードアップ
(3)個人個人も成長する

◯挨拶
KDDIグループの全社員の皆さん、新年明けましておめでとうございます。2015年の年頭にあたり、私からご挨拶を申し上げます。

2015年は、1985年の日本における電気通信の自由化から30年、KDDIの発足から15年という大事な節目の年にあたります。また、KDDIが成長企業として、今後も20年、30年と継続して発展していくためにも、大変重要な年になります。この節目の年を、なんとしてもKDDIが新たな歴史に向けて一歩を踏み出す年にしたいと思っています。

はじめに、昨年について簡単に振り返りますと、通信業界全般においては、世界的に、スマホやタブレットの普及が進むとともに、今後のウェアラブルやM2Mなどの新たな拡がりを感じる1年でした。一方で、日本のモバイル市場は、VoLTEの開始などの大きなトピックスがありましたが、全体としては、我々の予想以上のスピードで、市場の同質化と固着化が進んだのではないかと見ています。また、MVNOの拡大やNTTグループによる光のサービス卸の発表など、今後の競争環境を大きく左右する動きもありました。

我々自身を振り返ってみると、「新たな成長ステージを目指す」という会社方針のもと、au WALLET、Syn.構想、ミャンマー進出という新たな取り組みを進めました。国内通信事業においても、営業部門、技術部門をはじめ、全社員の皆さんには本当に頑張っていただいた1年だったと思います。しかしながら、事業環境は、総じて厳しい1年だったと思っています。

新たな成長へ向けて実行する本日から、2015年が新たにスタートしますが、今年は「新たな成長へ向けて実行する1年」にしていきます。

4月から始まる2015年度は、中期計画の最終年度としての利益成長と、次の成長の柱を早期に立ち上げる1年になります。

昨年、皆さんには市場の同質化を打ち破り、成長していくために、「あらゆる分野での差別化」を進めてもらいました。また、新しい変化を起こさないといけないとの思いから、年末にはFirefoxスマホの発売、元旦からはauのCMも大幅に刷新しました。ただ、いずれの取り組みについても、やり切ることが必要です。

昨年開始したau WALLET、Syn.構想、ミャンマーの通信事業といった新たな取り組みについても、加速させて、実行する1年にしてください。各部門が、それぞれにおいてスピードアップを図り、一つひとつやり切ることをお願いします。

こうした中で、今年1年、皆さん一人ひとりに、心構えとして、実行してほしいことは次の3点です。

1.お客さま第一に考え実行する
企業は、お客さまから離れて存在し続けることはできません。社員からショップスタッフをはじめ、あらゆる部門の皆さんが、「お客さま第一」の原点に立ち返ることが、その第一歩になります。

2.「先読み」と「スピードアップ」
皆さん一人ひとりが、外を見て内を知ることで、変化の予兆を掴み、スピード感をもって対応し、やり切るということを心掛けてください。

3.個人個人も成長する
今後、KDDIにおいては、新しい領域や取り組みが、ますます必要になっていきます。それを支えるのは社員力と組織力です。各自が、現状に甘んじず、勉強してスキルアップを図ってください。個人ベースでも、モチベーションをもって、地道に一歩一歩たゆまぬ努力を続けることで成長していってほしいと思います。また、上司は部下育成を、重要なミッションと認識して、サポートしてください。

2015年を今後の成長に向けた新たな第一歩となるように、「実行」をキーワードとし、全社一丸となって取り組んでいきましょう。

最後になりましたが、今年1年KDDIグループ全社員の皆さんとご家族のご健康とご多幸を祈念いたしまして、私の新年の挨拶とさせていただきます。

以上


◯ソフトバンク
年頭所感

ソフトバンクグループ
代表 孫 正義

あけましておめでとうございます。

昨年は、ソフトバンクグループが、さらなる大きな一歩を踏み出した年でした。

国内では、スマートフォン時代のネットワーク強化へ努力してきた結果、外部調査で、接続率、通信速度、顧客満足度No.1を獲得し、7月に誕生した新会社「ワイモバイル」は、ヤフー株式会社と連携し、新しいモバイルインターネットサービスの提供を開始しました。また、世界初となる感情を認識するパーソナルロボット「Pepper」を発表し、新しい事業分野を開拓しました。米国ではマルセロ・クラウレ氏がスプリントのCEOに就任し、彼の強力なリーダーシップの下、さらなる飛躍に向けて精力的に動き出しています。また、今後も目覚ましい成長が期待されるインド、東南アジアを中心とした地域に展開するネットベンチャー企業へ投資を行い、当社のグループシナジーが最大化できるような構えをつくってきました。

今年は、「Pepper」の販売が開始され、ロボットが初めて一般家庭に浸透していくという記念すべき年となるでしょう。また、新型の高機能のスマートフォンやタブレットも続々と登場することになります。こうした状況の中、情報革命の技術はもう成熟期に入ってしまったのかと考える方が多いかもしれません。しかし、私はまだ始まりにすぎないと思っています。メモリー、CPUの処理能力、計算能力などは1年半ごとに倍増し、通信速度も同じように倍増しています。これが15年後だと、現在の1,000倍、30年後はさらにその1,000倍と加速度的に伸びていくことでしょう。また、膨大な情報量とともに、生活の中にある全てのものがインターネットにつながり、「Pepper」のような感情を認識するロボットとのコミュニケーションも生まれ、ライフスタイルが大きく変わる時代が必ずやってきます。仕事や遊びだけでなく、医療や教育などのさまざまな産業分野にも変革がもたらされることになるでしょう。

こういった新しい時代を常に先導し、人々の幸せのために取り組んでいくということがわれわれの本業であり原点です。この原点を大切にし、未来を見据えながら常に挑戦し続ける、そういう企業グループでありたいと思っています。

「情報革命で人々を幸せに」。この経営理念の下、グループ会社一丸となってその実現に向けて行動するのみです。今年も、ソフトバンクを宜しくお願いいたします。

以上


◯UQコミュニケーションズ
年頭所感

UQコミュニケーションズ株式会社
代表取締役社長 野坂 章雄

新年明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いいたします。

昨年は、競合他社からさまざまなモバイルデータ通信サービスが提供され、これにより、競争は一層厳しいものとなりましたが、おかげさまで、当社は、「J.D. パワー アジア・パシフィック」、「RBB TODAY」、「オリコン」のモバイルデータ通信部門の顧客満足度ランキング※において、「満足度No.1 」を受賞した結果、2年連続の三冠を達成いたしました。

これは、当社が他社に先駆けて、月額3,696円で高速インターネットが使い放題となる画期的な料金プランを提供するなど、エリア、スピード、料金、デバイス、サポート対応などの全ての要素において、徹底的にお客様にご満足いただけるサービスを提供することに努めてきた結果だと考えております。

本年、当社は、より多くのお客様に快適な高速インターネット通信をお楽しみいただけるよう、
WiMAX 2+のサービスを、2015年3月末にはWiMAXと同等の全国エリアに拡大し、また、下り最大速度220Mbpsの超高速サービスを実現する所存です。

さらに進化したWiMAX 2+サービスの提供を通じて、お客様により速く、より快適に、より安心してご利用いただけるよう、全社一丸となって取り組んでまいります。

どうか一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

以上


記事執筆:S-MAX編集部


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