新しく登場した"ガラホ"と既存の"ケータイ"。見た目は同じ……しかし、中身がまったく違う!?

既報の通り、KDDIおよび沖縄セルラーは19日、2015年春に発売および開始する予定の新モデル・新サービスを披露する「2015年冬モデル 新商品・新サービス 発表会」を都内で開催し、au向けケータイ(フィーチャーフォン)を2機種発表しました。

発表されたのは従来のauケータイ用プラットフォーム「KCP+(BREW)」を利用し、MILスペック準拠の防水・防塵・耐衝撃性能を持ちやすいボディーにおさめた「GRATINA2」(京セラ製)と、Android 4.4(開発コード名:KitKat)をOSとして採用し、スマートフォン(スマホ)用プラットフォームを活用することでケータイ初の高速通信サービス「4G LTE」対応を果たした「AQUOS K SHF31」(シャープ製)。それぞれ2月上旬、2月下旬の発売を予定しています。

“今までどおり”なケータイと“スマホベース”な2機種を揃えた2015年春のauケータイ2機種、そこで、今回は発表会で展示されていた2機種を写真とともに紹介しながら、どう違うのかをチェックしていきます。

◯GRATINA2

従来のauケータイのプラットフォームを搭載したGRATINA2はその名の通り2013年9月に発売された「GRATINA」の後継機種です。本体カラーはホワイト、ピンク、グリーン、ブラックの4色で、メインカラーはグリーンとなります。

主立った本体の仕様は先代GRATINAと同様で、外観からよく分かる変更点は方向キーのデザイン変更(角の丸い四角から円状に)と、テンキー部の形状変更が挙げられます。結果、先代と比べると押しやすく上、押し間違いしにくくなっています。


本体正面には約0.9インチの白色有機ELディスプレイと通知用LEDが配置されています。


本体背面にはスピーカー、卓上ホルダ用接点、赤外線ポート、LEDライト、カメラとおサイフケータイ(EZ FeliCa)ポートが配されています。


LEDライトは、カメラ撮影時に暗部を照らすだけではなく、懐中電灯代わりに使うこともできます。万が一の時も安心です。


左側面には外部接続端子とストラップホール、右側面にはマナーモードボタン兼(カメラの)シャッターボタンが配置されています。


外部接続端子はマイクロUSBとなっているため、一般的なAndroidスマホ・タブレットと充電機器を共用することができます。スマホ・タブレットと2台持ちする場合、持ち歩く充電機器を減らせる大きなメリットがあります。


ストラップホールは本体から見て斜めにぶらさがるようについています。



ソフトウェア面も先代GRATINAを原則として踏襲していますが、新しい要素として「au WALLET」と「セレクトパック」のサイトへのショートカットがメインメニューに登場したことが挙げられます。また、文字入力システム「iWnn」の辞書が最新版になり、“ふなっしー”なども一発変換できるようになりました。


◯AQUOS K SHF31


Android 4.4 KitKatベースの4G LTEケータイ(KDDIの田中社長は“ガラホ”と呼んでいました)であるAQUOS K SHF31は本体カラーがレッドおよびホワイト、ブラックの3色。なお、メインカラーはレッドとなります。本体正面には通知用のサブディスプレイとLEDが配置されています。


AQUOS K SHF31の特徴は、Androidベースでありながら、あくまでも“ケータイ”であることにあります。それを外見上色濃く反映しているのがテンキー部分です。見れば分かるのですが、auケータイのそれと全く同配列になっているのです。

機能面でも、待ち受け画面で方向キーの左を押せば着信履歴、右を押せば発信履歴が見れるなど、挙動がことごとくケータイライクにされています。

今まで、メーカーのシャープはテンキー付きスマホをいくつか世に出してきましたが、それらはあくまでも“スマホ”でした。この機種は“Androidをプラットフォームにしたケータイ”であることが新しいのです。


ちなみに、方向キーとテンキー部は「タッチクルーザーEX」という名称の静電式ポインティングデバイスにもなります。「タッチクルーザー」というと、ドコモ向けiモード機に昔搭載されていたものですが、キー部分ほぼ全てが範囲であることと、上の写真のようにピンチイン・ピンチアウトに対応していることから“EX”とついたようです。なお、タッチクルーザーEXによる操作はWebブラウザーやギャラリー(画像閲覧)など、一部に限られます。


本体背面には赤外線ポートやカメラ、LEDライト、スピーカーとおサイフケータイ(モバイルFeliCa)ポートが用意されています。


本体左側面にはストラップホールと卓上ホルダ用接点が用意されています。右側面にはマナーモードボタン兼(カメラの)シャッターボタンとボリュームボタンが配置されています。


本体上面には左側面から続くストラップホール(穴)が、下面にはmicroUSB端子がついています。AQUOS K SHF31は防水対応ですが、ご覧のとおりキャップがついていない「キャップレス防水」となっていて利便性が高くなっています。



上述通り、あくまでも“ケータイ”であるAQUOS K SHF31であるため、待受画面から決定ボタンを押すと開くメニューや電話帳ボタンを押すと開く電話帳もまさしくフィーチャーフォンのそれです。“電話帳のアカウントが~”とか“アプリは~”とか“ウィジェットは~”という世界とはまったく無縁です。


となると、気になるのがアプリです。AQUOS K SHF31には、auサービスやOfficeSuiteなど、auの(あるいはシャープの)スマホにお馴染みなアプリがテンキーでの操作に最適化の上“移植”されています。また、アプリのダウンロードにも対応しています。アプリは「LINE」や「モバイルSuica」など、発売までにはある程度揃える予定となっています。

ただし、アプリは「auスマートパス」からのダウンロードが必須となっており、非加入の場合は追加アプリのインストールが事実上不可能となります。Android標準のアプリ配信マーケット「Google Playストア」にも対応していません。

この仕様は意見が分かれるところですが、タッチ操作前提のアプリばかりな昨今、タッチ操作に非対応なAQUOS K SHF31ではGoogle Playに対応したところで使えないアプリだらけになってしまうので、仕方ない割り切りだと思われます。



“これじゃあAndroidベースの意味がない!”と言う方もいるでしょう。しかしながら、しっかりAndroidベースであることが活きている機能もあります。それは4G LTE対応や各種スマホとの部品の共通化など以外にも、機能として「テザリング」と「USBデータ転送」などがあります。

テザリングはUSBやWi-Fi(無線LAN・最大10台まで)、Bluetooth(PANプロファイル)のいずれにも対応しています。USBテザリングはWindows Vista以降のWindowsなら特別なドライバーが不要なことはAndroid譲りです。ただし、Androidスマホ・タブレット同様で「テザリングオプション」(最大2年間無料)に加入しないと使えません。

また、データ転送はMTPおよびPTP、マスストレージ(microSDカード内のデータに限る)の3種類に対応しています。WindowsであればMTPまたはPTPで、MacであればPTPにすれば内蔵ストレージにあるデータのバックアップが取れます。これもAndroid譲りです(PTPは機種によっては“無効”にされていますが)。

さらに、タスクキーと終話/電源キーの同時押しでスクリーンショットが撮影可能です。今までのフィーチャーフォンではできなかった機能ですが、これも(キーこそ違えど)Android譲りです。


となると、バッテリーの持ちがすごく心配になってきます。AQUOS K SHF31のバッテリー容量は1410mAh。フィーチャーフォンとして考えるとすごく大きいですが、Android機として考えるととても心許ない感じです。

ただし、AQUOS K SHF31は何度も言いますがあくまでフィーチャーフォンで、バックグラウンドでの通信はほぼ全てカットされるようになっています。よって、このバッテリー容量でも、十分に保つようになっています。


◯まとめ
auでは今回2つのまったく違う“中身”のケータイを出しました。GRATINA2のように今までのプラットフォームを使うか、AQUOS K SHF31のようにAndroidベースのものを使うか、はたまた「Fx0 LGL25」で使われているFirefox OSを採用するか(海外ではフィーチャーフォンでの採用例がある)はまだ“未定”としています。

これから、フィーチャーフォンはどのような“進歩”を遂げるのか。通話をする携帯電話がフィーチャーフォンのような形状が良いと思っているので、今後のフィーチャーフォンの動向に注目していきたいところです。

記事執筆:Sho INOUE(せう)


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