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UQコミュニケーションズ(以下、UQ)が今年3月から提供開始している高速通信サービス「WiMAX 2+」の下り最大220Mbpsは現時点でキャリアアグリゲーション(CA)に対応するモバイルWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ・ジャパン製)と4×4 MIMOに対応するモバイルWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT WX01」(NECパーソナルコンピューター製)が発売されている。

同社では主に下り最大220Mbps対応エリアがはじめから全国で利用できることに加え、都市部などの高いビルがたくさんある場所ではMIMOに必要なマルチパス環境が多くあることからSpeed Wi-Fi NEXT WX01を"都会派"と表現し、都市部ではSpeed Wi-Fi NEXT W01よりも速度が出るとしている。

また、実際にSpeed Wi-Fi NEXT W01のCA対応エリアは地方から展開しており、都市部できっちりと利用できるのはもう少し先となる。

そこで、今回は主に都市部ではCA非対応エリアとなるため、そういった場所ではSpeed Wi-Fi NEXT W01とSpeed Wi-Fi NEXT WX01でどのぐらいの速度差が出るのかをスピードテストで比較してみた。

今回の検証環境は以下は以下の通り。京王新線新宿駅を選定した理由は屋外と比べて屋内の方が4×4 MIMOのマルチパス効果を得られやすいだろうという仮説のもとだ。
◯検証環境
場所:京王新線新宿駅改札付近
端末:Speed Wi-Fi NEXT W01およびSpeed Wi-Fi NEXT WX01にスマートフォン「Xperia Z2 SO-03F」から接続
接続:Wi-Fi接続で5GHz帯を有効(IEEE802.11ac)
日時:2015年4月平日の夕方
ツール:アプリ「ドコモスピードテスト」を利用
回線:UQコミュニケーションズ本家契約の回線

実際に今回のスピードテストの結果では、Speed Wi-Fi NEXT WX01の下り通信速度がSpeed Wi-Fi NEXT W01を上回っており、4×4 MIMOの効果が得られる環境においてはSpeed Wi-Fi NEXT WX01の通信速度はSpeed Wi-Fi NEXT W01よりも高速になると言える。

ただし、今回はCA非対応エリアでの検証であり、CA対応エリアでどうなるかは不明、というよりも測定環境によるとしか言えない。

実際にUQが提示した最初にCA対応エリアとなった栃木県真岡市ではSpeed Wi-Fi NEXT W01もSpeed Wi-Fi NEXT WX01も下り速度が195.582Mbpsおよび192.567Mbpsとほぼ上限の約196Mbps(TCP/IPヘッダー除く)となっていた。

150414_WiMAX-2-_Speed
下り通信速度の比較

下り通信速度はSpeed Wi-Fi NEXT W01が平均で50Mbps台にとなったのに対してSpeed Wi-Fi NEXT WX01は最低でも60Mbps後半で平均では74Mbpsとなり、平均値を比較すると約45%ほど下り通信速度が高速な結果となった。

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上り通信速度の比較

上り通信速度については平均値ではSpeed Wi-Fi NEXT WX01の方が高速ではあるものの、最低値はSpeed Wi-Fi NEXT WX01の方が低くなるなど、今回の結果からはどちらの機種が高速化は評価が難しい。

なお、これらの機種の対応する4×4 MIMOやCA対応は上り通信速度については高速化の影響はない。

UQではWiMAX 2+のCA対応エリアを順次拡大予定としているものの、現時点では東京や大阪などの大都市圏のエリア化予定は発表されていない。既存のWiMAXサービスのユーザが多い主要都市のWiMAX 2+のCA対応は他のエリアと比べて遅れる可能性が高く、少なくとも都心エリアでのキャリアアグリゲーション対応するまでの間は都心エリアのWiMAX 2+はSpeed Wi-Fi NEXT WX01で利用した方が通信速度が高速となる。

一方、Speed Wi-Fi NEXT W01はCA非対応エリアでは通信速度が下り最大110Mbpsに留まるものの、auの4G LTEにも対応しており、エリアの広さという面では都内地下鉄を含めて問題なく利用可能であり、この点はau 4G LTEに非対応のSpeed Wi-Fi NEXT WX01を使うよりも心強い。

では、Speed Wi-Fi NEXT W01とSpeed Wi-Fi NEXT WX01のどちらが良いか?という問いに答えるのは、利用するエリアがCA対応エリアなのか、4×4 MIMOの効果が得られやすいのかなどによって異なるため、一概に言うのは難しいけれど、両機種は契約なしで購入できるいわゆる「白ロム」の価格がそれほど高くないので、「両方買って試してみる」というのもそれほど大きな出費なしで可能だ。

例えば、現在、WiMAXを利用しているのであればまずはSpeed Wi-Fi NEXT WX01に「史上最大のタダ替え大作戦」キャンペーンで移行し、思ったほど速度が出なかったり、気に入らなかったら白ロムでSpeed Wi-Fi NEXT W01を購入するということもある程度の出費が出てしまうがなくはないだろう。Amazon.co.jpでの両機種の白ロムはSpeed Wi-Fi NEXT W01が約8,500円程度、Speed Wi-Fi NEXT WX01が約16,000円程度で販売されている。





記事執筆:shimajiro@mobiler


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WiMAX 2+、WX01とW01でスピードテスト:屋内ではWX01の4×4 MIMOが効果的 | shimajiro@mobiler

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