iOS 8以降のiPhoneなどでau回線MVNOサービス「mineo」や「UQ mobile」のデータ通信利用が可能に!

インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)がiPhoneやiPadなどのiOS搭載機種で携帯電話ネットワークのアクセスポイント(APN)を設定する「構成プロファイル」を作成する仕組みについて解析し、公式ブログ「てくろぐ」( http://techlog.iij.ad.jp/ )にて内容を公開しました。

iOSでは昨年9月に提供開始された「iOS 8」以降においてau回線を借り入れた仮想移動体通信事業者(MVNO)での利用ができなくなっており、auのMVNOによる携帯電話サービス「mineo」や「UQ mobile」ではiOS 8以降では使えないとされてきました。

一方、IIJでは今年3月よりau回線をを法人向け「IIJモバイルサービス/タイプK」として提供しており、今回、Appleが公開している構成プロファイルの技術仕様に従ってより新しい「Cellular Payload」を用い、さらに特定のパラメーターを追加することで、au回線のMVNOでもiOS 8以降のiPhoneなどでデータ通信ができることを確認したとのこと。

これを受けて、Twitterではあんのーん@技適厨(@factorymark)氏がこれらの内容に沿ってmineoやUQ mobile用の構成プロファイルを作成して公開し、実際に適用するとデータ通信ができるようになっています。

なお、mineoを提供しているケイ・オプティコムではこれらの件をすでに検証しているとのことで、近いうちに公式に対応する可能性も高いのではないかと思われます。

てくろぐによると、iOSのAPNを設定する際に利用する構成プロファイルにはiOS 6以前から利用されている「APN Payload」とより新しい「Cellular Payload」があり、現在はどちらも利用可能なものの、Cellular Payloadが推奨されているとのこと。

また、iOS 8が提供される際にAPN Payloadが廃止されるという話も出ていたとのことで、IIJではCellular Payloadを検証していたとものの、実際には廃止されず、なおかつ、Cellular Payloadを利用すると通信が安定しないことから現在でもAPN Payloadを利用しています。

しかしながら、Cellular Payloadにのみ存在する特定のパラメータを追加することで通信が安定することが判明し、この構成プロファイルであればau回線のMVNOでもiOS 8以降のiPhoneなどで通信ができることが確認できたということで、Cellular Payloadを用いた特定パラメータを追加した構成プロファイルをてくろぐにて先行配布しています。

これと同様の方法でAPN情報をmineoやUQ mobileにしたものをあんのーん@技適厨氏が作成してくれています。ただし、IIJでもauのMVNOでは通信が不安定だとのことで、mineoやUQ mobileでも安定しないようです。



どの程度不安定なのかまだ実感していませんが、使えないよりはましかなとは思いますし、ここに来てiOS側の問題ではなく、構成プロファイルで使えるようになるとはまさかの展開といったところです。

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実際にiOS 8.4のiPhone 6 Plusでmineoを試してみたところ

追記:2015/07/14 00:55:32
ケイ・オプティコムがユーザーコミュニティーWebサービス「マイネ王」にて今回の構成プロファイルについてさっそく動作確認報告を行っています。内容としては一部の端末にてデータ通信が安定せず、サービスとして快適に利用できる状況ではないものの、データ通信ができたことが報告されており、今後はさらに引き続きテストしていくとしています。なお、動作が不安定になるというのは以下の様な内容であるとのこと

データ通信が確立し、ブラウザ等により外部への接続が確認できるものの、数分で「データ通信機能を起動できませんでした」というポップアップにより、通信不可となることがあります。




記事執筆:memn0ck


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