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これだけ試せるのはやっぱりSIMフリーならではだよね!

発売から5日が経過し、SIMフリー版も含めY!mobile版もNTTドコモ版も販売が始まってユーザーの手元に行きわたり始めているGoogleのリファレンスモデルスマートフォン新機種「Nexus 5X」(LG Electornics製)。

今回はSIMフリー版に限定した話題(もしくは今後にNTTドコモ版やY!mobile版のSIMロックを解除した場合も含む)となりますが、Google直販のSIMフリー版のNexus 5XにNTTドコモやY!mobileだけでなく、auや格安SIMなどの各仮想移動体通信事業者(MVNO)のSIMカードを挿して試してみましたので紹介します。

◯NTTドコモのSIMカードで試してみた
01まずは、オーソドックスにNTTドコモのSIMカードでテスト

NTTドコモのSIMをまず試してみます。契約内容は「スマホ向け音声プラン」+「シェアパック子回線」となっています。Nexus 5XのSIMカードスロットはnanoSIMなので、NTTドコモの場合は「nanoUIMカード」となります。

まずはSIMを挿しこむと、さほど間を置かずに画面左上のキャリア表示が「NTTドコモ」と表示されます。

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画面左上のキャリア表示がSIMカードを認識している証


・Nexus 5XでAPNを確認する方法
恐らくNexusシリーズでは共通しているかと思いますが、改めてNexus 5Xでのアクセスポイント(APN】の設定方法を解説します。設定画面から「もっとみる」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」と順番に選んでいくことで、APN設定の一覧を確認することができます。

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左の写真から右に進んでいくように選ぶことで確認できますよ。

NTTドコモ回線のSIMカードを挿しこむと、「spモード」が自動選択されます。先日の記事でもお伝えした通り、NTTドコモはspモードのIMEI制限を順次撤廃しており、筆者の環境でも「SIMフリー版Nexus 5Xでのspモード接続」を確認できました。

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spモードが自動選択されてる!

余談ですが、別途、NTTドコモのmopera Uの契約をすれば「mopera U」での利用も可能です。


◯Y!mobileのSIMカードで試してみた
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NTTドコモ同様に自身でもNexus 5Xを取り扱うキャリアであるY!mobile

Y!mobileもNexus 5Xを取り扱っているためか、SIMカードを差し込むとNTTドコモのSIMを挿した時ほどではなかったものの、すぐに通信が利用できる状態となります。

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こちらもすぐに「Y!mobile」のキャリア表示がされました

ですが、ひとつ気になった点がありました。Y!mobileのSIMのAPN設定を確認したところ「使用するAPN設定にチェックが入っていない」という点です。

Y!mobileではAPN設定の違いによる無制限のパケット料金の課金は規約上ないため、請求がくることはないとは思われますが、設定が選択されていないというのも気持ち悪いので、チェックを入れておいた方が精神衛生上いいかもしれませんね。

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Y!mobileの場合は「Application」の方にチェックを入れればOKです



◯auのSIMカードで試してみた
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正式には対応を謳っていないauでは!?

続いて、通話にCDMA 2000方式(最近ではVoLTEオンリーモデルもありますが)を利用することもあり、基本的にSIMフリーの利用対応を表明していないauのSIMカードも試してみます。今回は「au Nano IC Card 04」(筆者が購入した「TORQUE G02」のもの)を利用します。

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SIMカードは認識するが使えない?

結論から言うと、「通話はできないが、データ通信は利用はできる」という結果でした。

国内向けに販売されているNexus 5XはCDMA 2000での通信・通話機能を有していないことと、auではVoLTEによる通話を自社取扱製品以外に開放していないため、通話利用ができません(北米で販売されているCDMA2000対応モデルのNexus 5Xであれ利用できる可能性がありますが、こちらは技適マークの問題などもありそうです)。

ですが、LTEについては一部にauの利用する周波数帯が合致(Band 1・18・26・28・41、Band 41はWiMAX 2+扱い)するため、Webなどのデータ通信の利用については「完全ではないが可能」ということとなります。特にBand 18は「auが保持しているプラチナバンド」となるため、au製品のように全国で問題なく利用できるとはいかないまでもかなり広いエリアで利用できる可能性があります。

また、気になったのが、APN設定に「LTE NET」と「LTE NET FOR DATA」が表示され、契約内容に合った「LTE NET」が自動選択されていたという点です。

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au向けの接続設定が用意されていたのは正直驚きました

さすがに通話できなかったり、対応周波数帯に非対応なものがあったりする部分があるためにauでの取り扱いをするのは厳しい機種ではあるのですが、もしかしたら「将来の取り扱い、または取り扱う予定があった」のかもしれません。

また、使えるのだからきちんとプリセットしておこうというGoogleなりの判断かもしれませんが、この当たりについては予想や憶測しかできないのですが、興味深い部分ですね。


◯NTTドコモ系MVNOのSIMカードで試してみた
NTTドコモ回線を利用しているMVNO(今回は筆者の契約する「IIJmio」)のSIMカードでも問題なく利用できました。IIJmioは公式にも動作確認されています。

ただし、NTTドコモやY!mobileなどのSIMカードを挿したときと違って、対応サービスの接続テストを順番に試しているためか、自動的に利用できるまでの認識に少々時間がかかっているように感じます。

わかる人であれば上述のAPN設定を開いて、利用しているMVNOのAPNを手動で選択して使う方が早そうです。

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一覧から契約しているキャリアを選びましょう

また、接続用のパスワードがユーザーごとに異なる「NTTぷらら」などの場合は自身で設定を入力する必要があるので、そこはご注意ください。

予想していた以上に対応の幅の広いことがわかった今回のテストですが、やはり「限定的とはいえau向けの設定が用意されていた」ことに驚きでした。

今のところは購入時からSIMフリー版のNexus 5Xは「Google ストア」から直接購入するか、取り扱いを表明している「EXPANSYS Japan」などの海外製品を販売するWebストアを利用をしないと購入できないため、やや入手のハードルはありますが、SIMフリーの端末の中でも汎用性はかなり高いと思った今回の検証でした。

記事執筆:河童丸


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