大げさなねじ付きですが、これでもUSB タイプCなんです

USB端子(コネクター)の新しい規格「USB Type-C」(以下、タイプC)は、向きを気にせず挿し込める利便性や、さまざまな種類のデータ転送・電力供給に対応できる拡張性を備え、最近のスマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)で徐々に採用例が増えてきている期待の新規格です。

タイプCに限らず、一般にUSBコネクターにはロック機構が備わっておらず、不意に力がかかった時に抜けてしまう可能性があります。このようなトラブルを防ぐため、タイプCにはねじでロックできる規格があります。今回の連載「スマホのちょっと深いとこ」では、ちょっと変わり種といえるねじ付きのタイプC規格を紹介します。

【ねじが1本と2本の2パターンの規格】

ねじ付きのタイプC規格は、USBの規格を決めているUSB Implementers Forumが「Universal Serial Bus Type-C Locking Connector Specification」というドキュメントで公開しています。ドキュメント(資料)では、コネクターの上にねじが1本だけついたパターンと、左右にねじが2本付いたパターンが定義。いずれもねじを引っ込めて、ねじ穴のないUSB端子にも接続できるよう配慮されています。

usb_c_locking_001
1本のねじで固定するタイプCコネクター
usb_c_locking_002
2本のねじでよりしっかり固定できるタイプもある

【スマホ向けではないが工夫次第で面白い使い方ができるかも】

これらのねじ付きUSB規格は、データセンターの大型コンピューターや工場の制御機器など、間違ってもケーブルが抜けてはいけないような用途が想定されており、一般向けPCやスマホには大げさすぎる感もあります。しかし例えば、USB端子直結の外部機器をスマホにがっちり固定したいといった用途には活用できるかもしれません。

タイプC自体、普及はこれからといった状況ですが、これからタイプCが様々な用途に利用されていくにつれ、今回紹介したねじ付きコネクターのような進化がまだまだ見られそうです。


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