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回線速度は?繋がりやすさは?MVNOの不安や疑問をフィールドテストでチェックしてみた

最新スマートフォン(スマホ)「iPhone 7」(Apple製)が欲しくて、しかしお金は節約したい筆者の仮想移動体通信事業者(MVNO)への乗り換え体験記・最終回です。

auからmineoへとMNPを行い無事にMVNOデビューを果たした筆者ですが、事前に入念な下調べをしたとは言っても回線速度や回線の繋がりやすさについてはまだまだ不安が多く残ります。そこで今回は回線速度テスト用のアプリを使いながら1日を通しての回線速度の変化やどの程度安定して回線が繋がるのかなどをチェックしてみました。

またmineoにはデータ容量をユーザー同士で分け合える「フリータンク」というユニークなシステムがあります。このフリータンクについても簡単にご紹介したいと思います。

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回線速度テストでは定番のアプリ「Speedtest.net Speed Test」


■下り速度は時間帯により変動が激しいが上り速度は比較的安定
回線速度テスト用アプリには「Speedtest.net Speed Test」を使用しました。速度テストには神奈川県央地域にある木造の自宅を利用し、アンテナ表示が4~5本程度の場所にて行っています。テストは早朝から深夜までそれぞれ特徴的な時間を選んでいます。

まずは午前中のテスト結果です。午前中と言えばやはり思いつくのは通勤通学のラッシュタイムです。恐らく7時~8時前後がピークだと思い7時30分頃にテストをしましたが、数回やってもあまり速度低下を感じませんでした。

一方で8時過ぎのテストでは顕著なダウンロード(下り)速度の低下が見られ、こちらも4~5回のテストですべて下り速度が2Mbps程度となりました。この速度になると動画の視聴などは若干厳しく頻繁に再生が止まっていました。アップロード(上り)速度には大きな変化がなくTwitterやGoogleドライブへの画像送信などでも速度低下は感じられませんでした。

さらに9時になると速度は通常に戻り、十分に快適な数値へ。朝の速度低下のピークは1時間程度に限定されると思われます。

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7時台~9時台のテスト結果


次にお昼から15時頃までのテスト結果です。一般的に「MVNOはお昼時に速度が出ない」と言われますが、テストでも同様の結果となりました。12時30分頃にも数回テストをしましたがそのうち1回では回線状況が悪すぎてテストに失敗することがありました。

ただしこのような環境下でも上り速度については不都合を感じるほどの速度低下はなく、あくまでも下りのみ速度が出ないという状況です。

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12時台~15時台のテスト結果


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12時台の速度低下と回線の瞬断は如何ともしがたい


最後に17時台から22時台までのテスト結果です。17時台は若干の速度低下が見られるものの通信品質の低下を感じられるほどではなく、Webサイトの閲覧やSNSの利用などで不満を感じることはありませんでした。

19時台になると速度低下は顕著になり朝のラッシュタイムのような状況に。下り2Mbps前後という速度の体感は「画像の多いWebサイトの閲覧は若干重いがTwitterやLINEなどは不満なく使える」という程度。とくに最近はTwitterでもアニメーションGIFや動画を多用したツイートが多くなっていますが、それでも重くてイライラさせられるといったことはあまりありませんでした。

22時台は一般的に「インターネットのゴールデンタイム」と言われる時間帯で、ウェブサイト閲覧やオンラインゲーム、ストリーミング動画の視聴などが最も多い時間帯です。速度低下はやはり大きく出ましたが、通勤・通学のラッシュタイムほどではなく数回のテストでも常に下り4~5Mbps程度。このくらいの速度が出ていると実用上ではほぼ不満がありません。動画の視聴なども問題なく行えました。

上り速度についてはこれらの夜の時間帯でもやはり安定して速い結果が出ています。

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17時台~22時台のテスト結果


■PINGの数値にも注目
速度テストというと多くの人が回線の下り速度や上り速度にばかり目が行きますが、PING(応答速度)も通信の快適性を推し量る上で非常に重要な要素です。

PINGとはiPhoneなどの端末から送信された情報に対してサーバー側がどの程度の速さで応答しているかを示したもので、この数値が小さければ小さいほどサクサクと快適なレスポンスでインターネットが利用できるということになります。

mineoにおけるPING値の変化は回線速度と関連する傾向があり、回線に余裕がある時間帯では50~60ms前後、若干混み始めると70~90ms前後、そして混雑するピークタイムには100~120ms前後まで落ち込みました。

NTTドコモのLTE回線の場合、回線状況が良い場合は50ms(ms=ミリ秒。1ミリ秒は1000分の1秒)、混雑時は100~150ms程度と言われているため、mineoの回線でもほぼ同等の速度が出ていると考えて問題ないでしょう。

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赤丸で囲んだ数値が応答速度。LTE回線の場合50ms~150msならほぼ正常値だ


ちなみに光回線(FTTH)の場合、PINGは10ms前後となります。この数値の違いを具体的な例で示すと、オンラインの対戦格闘ゲームの場合60フレーム(60分の1秒)で入力を受け付けているものが多いので、FTTHであれば1フレームの遅延で済むところがLTE回線では最速でも3フレーム、混雑時は6~9フレーム程度も遅延するということになります(実際にはサーバ内での処理や対戦相手との通信ラグが発生するためそこからさらに遅延します)。

単純なWebサイトの閲覧や動画視聴、Twitterなどの閲覧程度であればPING値を気にすることはほぼありませんが、iPhoneのテザリング機能やLTE回線を用いたWi-Fiルーターなどを使ってオンラインゲームを遊びたい人などは、このPINGの数値にも注意しておくと良いかもしれません。

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筆者がプレイしている「FINAL FANTASY XIV」のようなMMORPGであれば、この程度の遅延はあまり問題にならない(Copyright © 2010 - 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.)


■mineo最大の武器「フリータンク」を活用しよう
最後にmineoの「フリータンク」について簡単にご紹介します。フリータンクは前述のように「ユーザー同士でデータ容量を分け合えるシステム」です。利用できるデータ容量は利用月ごとに更新され、余ったデータ容量は通常であれば翌月に繰り越し、翌々月には消えてなくなってしまいます。そこでmineoが考えたのは「せっかく余ったデータ容量であればみんなで分け合って使えば良いのではないか」というアイデアです。

mineoの場合繰り越されたデータ容量から順次使われていく仕組みなので、例えば月末までに先々月分のデータ容量が1GBも使い切れずに余ってしまった場合など、そのままでは消えてしまうようなデータ容量は積極的に預け入れることで他のユーザーへの助力となります。

mineoの最大の魅力は、こういったユーザー同士の互助的関係が生み出すコミュニティーにあると言っても過言ではありません。

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データを預けたり貰ったり。他社にはないユニークなサービス


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フリータンクの残容量はリアルタイムに更新される


フリータンクへの預け入れに関しては特に制限はありませんが、引き出しには月に2回、合計1GBまでという制限があり、さらに引き出せる期間は毎月21日~月末までとなっています。この制限は預け入れよりも引き出しが超過することを防ぐための施策であり、現状ではうまく機能しているようです。

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引き出せる容量と利用期間、回数はしっかり覚えておこう


フリータンクの利用にはmineoのコミュニティーサイト「マイネ王」への登録と連携が必須となっており、ユーザーコミュニティーを利用することが前提となっています。預け入れや引き出しの際にはコメントを残すことも可能となっているため、ユーザーの善意や感謝を伝えることが可能です。

ともすれば預け入れが少なく引き出しばかりとなりサービスが破綻しそうなフリータンクですが、それがうまく機能している背景にはこういった助け合い精神の「見える化」が大きな役割を果たしているように思われます。

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コメントの記入は任意だが、ユーザーとしてここは一言残しておきたい


現在はmineoユーザーの大半がMVNOという仕組みをよく理解しそのメリットやデメリットを把握しているICTリテラシーの高い人々ですが、これが一般層へと普及した時、フリータンクという仕組みがどのように機能するのか非常に興味深いところです。

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引き出す人たちの感謝の言葉がフリータンクを支えている


■会社勤めや学生だと不満も? 自分の使い方に合っているかよく見極めよう
これまで4回に渡って連載してきたMVNO乗り換え体験記も今回で最終回。みなさんがMVNOを検討する際のお役に立てたでしょうか。MVNOへの乗り換えを通して感じたことは「MVNOへの乗り換えは簡単ではないが乗り換えてしまえば以降の手間はほぼない」という点と、「正しく理解して使えば想像以上に快適で低コスト」という点です。乗り換えのための手続きや設定の敷居が高く敬遠されがちですが、一度利用を開始してしまえば今までMNOに払ってきた高い月額料金は何だったのかと理不尽に思うほどです。

回線速度についてもそのメリットとデメリットをしっかりと把握し、自分に合っているサービスなのかどうかを見極めることが重要だと強く感じました。サラリーマンや学生など時間が厳密に規定された生活を送る方々の場合スマホを利用できる時間も限られ、しかもその利用したいタイミングに回線品質が落ちるとなれば、利用するメリットはほとんどありません。しかし筆者のようにピークタイムを敢えてずらして利用できる生活の人間であればメリットを十分に活用できます。

MVNOに興味がある方やMNO契約の月額料金に不満がある方などは、こういったポイントをよく考慮した上で、ぜひMVNOの利用について真剣に検討してみてください。

【MVNO初心者によるMNOからの乗り換え体験記】
第1回:iPhone 7は欲しいが月額料金をもっと安く抑えたい!料金検討からSIMフリー版を手に入れた【レポート】 - S-MAX
第2回:iPhone 7をローコストに運用しよう!iPhone 7のレビューからMVNO契約まで【レポート】 - S-MAX
第3回:事前準備は整った、後は回線を繋ぐだけ!mineoの開通からAPN設定、専用アプリ導入まで【レポート】 - S-MAX
最終回:いよいよSIMフリーのiPhone 7でmineoを利用開始!速度テストの結果考察と「フリータンク」の解説【レポート】 - S-MAX


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記事執筆:あるかでぃあ


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