3Dカメラ「Tango」アプリをご紹介!まずは実用系のユーティリティーから

Googleが開発を進める3Dカメラ技術「Tango」に世界初対応した商用製品のスマートフォン(スマホ)「Lenovo Phab 2 Pro」(以下、Phab 2 Pro)が日本でも12月2日に予約販売開始されました。

筆者も購入し、前回はまず開封レポートとして外観や同梱物の紹介をしました。スマホとしては大型な6.4インチ画面を搭載し、メタルな外観、そしてイヤホンなどミドルからミドルハイクラスのものとしては比較的充実した内容だったように思います。

そこで今回は改めまして、目玉機能の3Dカメラを使った「Tango」アプリについてご紹介させていただきます!本記事では主にTangoアプリの中でもユーティリティー系を中心にチェックしていきます。

【Tangoって何ができるの?】

Tangoは3Dセンシングに関する機能というところについては前回のレビューで軽く触れさせていただきましたが、改めてその「Tangoって何ができるの?」というところコアとなっている3つの技術を以下にて紹介していきます。

なお、これらの技術を使ったTango対応アプリはすでにかなりの数がアプリ配信マーケット「Google Playストア」でも配信されており、2016年度内には130ほどが登場予定だとのこと。

1.Motion Tracking
持っている人の動きを検知する機能、今までのジャイロセンサーや加速度センサによる「傾き」の検知だけでなくモーショントラッキングカメラによるより精度の高いトラッキングができるようになっています。

2. Depth Perception
赤外線による物体への距離を図ることができます。これにより物体の形や物体までの距離、大きさを図ることができるようになります。

3. Area Learning
上記2つのデータを利用し空間を把握することができます。今までGPSでは不可能だった室内の「どこにいるのか?」は一度認識した場所であれば同技術により可能になります。

【Tangoの特徴がわかりやすいユーティリティーの紹介】

それでは、Tangoの特徴がわかりやすいアプリでまずはユーティリティー系から紹介していきましょう。

1. Measure

Measureは、Phab 2 Proのプリインストールアプリとなり、対象物の大きさを図れるユーティリティーアプリです。

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同アプリはプリインストールされている

起動するとポインターがあらわれ、角を検知して「ニュル」っと吸い付きます。「+」ボタンでポイント、ポイントとポイントの間の距離を表示してくれます。

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ポイントすると場所を覚えていてくれ、画面外にでてもそのままの位置でいてくれるため測定が難しい大型家具やドア、窓の大きさなども「動きながら角をポイント」することが可能で簡単に測定することが可能です。

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ただし、小さいものは苦手な模様。センチ(cm)単位での計測ができますが、小さいものだとArea Learningが効いていないのかポインターがずれます。

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確認したところうまく測れば誤差は数センチ。シビアな家具配置をする日本の住宅事情ではあくまでざっくりとした計測を目的として利用するといったところでしょうか。画面をしっかり確認しないとポインターが角は角でも別な角を指していたりと、計測にはコツがいりそうです。

2. Lowe's Vision

残念ながらTangoアプリの上にあるWayfiarViewは日本では配信されておらず、現在はiStagingとLowe's Visionの2つが利用できるようです。今回はそのうちのひとつのLowe's Visionの紹介となります。

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ARを利用した登録されている実在の家具のシミュレーション配置が可能で、現実の風景と重ねて見られるため実用性が高いものとなります。

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さきほどのMeausreの説明通り、各家具アプリでも物体の計測可能ですがここでは割愛

現実の物体に重ねて配置ができるため、例えば「冷蔵庫を買い替えたら?」など、買い替えの際のシミュレーションもできます。ただ、家具は米国で販売されているもののみ……やはり日本の住宅事情には少しかさばるものが多いです。

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ここはIKEAやニトリなど、日本国内で需要の高い家具メーカーによる家具の配信(アプリでもいいけど)が望まれます。

3. Matterport Scenes

今はまだ少ないTangoアプリの中でも異色、でもTangoの特徴がよく分かるアプリがこれ、筆者一押しのMatterport Scenesとなります。

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Matterport Scenesはいわゆる3Dスキャナーなのですが、Tango対応スマホで完結するのが魅力。

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スキャンされた対象は○の集合体で表示

一度スキャンした空間の一部の長さを計測することも可能。スキャンスピードは「ゆっくり歩きながらスマホであたりを見回す」程度ならどうにか、というところなので個人宅など、自分のペースで歩ける場所でのスキャンが相性良いです。

スキャン後は角度や位置、大きさを変えることができます。また写真ではできない後から画角を変える、位置を変えるができるため、絵を描く人は背景の参考としてもヒネりそうです。

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角度を変えたりズームしたりできる。

駆け足で3本のTango対応ユーティリティー系アプリを紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。Tangoの「実用性」がよく分かるのがユーティリティー系アプリとなりますが、2017年はTango対応製品も増え、より身近に、より便利になる予感を感じさせます。

次回はTango対応アプリのゲーム編をお届けしますのでお楽しみに!

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おまけ……ねこは計測できませんでした




記事執筆:29a


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