HAKUTOの紹介。初期の開発拠点は仙台にあった

Google Lunar XPRIZEの紹介
HAKUTOはGoogleがスポンサーとなった月面探査の国際賞金レース「Google Lunar XPRIZE」に日本から唯一出場しているチーム。優勝チームには2000万ドルの賞金が付与されます。世界10ヶ国から16チームが参加していましたが、先日5チームに絞られ、HAKUTOもその5チームの中に名を連ねており、今年の年末に月面へローバーを送り込む予定です。

今回のレースは月面で3つのミッションをより早く達成することを競います。

・ミッション1：月面に純民間開発ロボット探査機を着陸させる
・ミッション2：着陸地点から500m以上移動する
・ミッション3：高解像度の動画や静止画データを地球に送信する

ロボット開発にかかる総予算の90％は民間の資金でなければいけません。そのため、多くの企業が支援しているほか、HAKUTO SUPPORTERS CLUBに入ると一般の人も入会金10,000円で支援することができます。auによるCMが始まってからはサポーターズクラブへの加入も増えているそうです。今回のイベントでもサポーターズクラブ加入のチラシを配布しています。支援したい！という人はぜひ申込サイトから入会してみてはいかがでしょうか。

HAKUTOはロボット開発技術を持つ東北大学吉田研究室、プロジェクトを運営するベンチャー企業ispace、エンジニア以外に多彩な人材の集まったボランティア集団PRO BONOからなるチームです。初期の開発拠点は東北大学吉田研究室に置かれたとのことで、仙台とも縁の深いプロジェクトなのです。

民間の資金でできる限り安価に挑戦するため、小型軽量化を目指しました。今回のイベントで登場した試作機が約7kgで、最終的に月へ送る予定のローバーは約4kgまで軽量化したそうです。

そして、民生品を活用して作られたのも特長。放射線濃度が高く、-150～100℃まで大きく変動する温度環境、さらには打ち上げ時の15～17Gの振動という厳しい環境にも耐えられる部品を使用して作られています。

KDDIは通信技術のサポートを行っており、ローバーと着陸船の月面上の通信部分と、高解像度の動画・静止画を地球まで送るためのデータ圧縮部分で技術提供を行っているそうです。先ほどのような過酷の環境下で通信を途切れさせないよう、アンテナの配置やモジュールの性能も多くの試験を重ねているそうです。

また、動画・静止画の圧縮技術は、10数年前まだ携帯電話が低速通信の2Gだった時代、画像・動画付きメールなどが流行り始め、画像や動画を圧縮して送らなければいけなかった時の技術も生かしているそうです。

多くの人が月面探査機操縦を体験した

実際に操縦できる月面探査ローバー

タブレットでの操縦画面上部にカメラ映像、下部に操縦部分
今回のイベントでは実際に2017年末に月へと運ばれる予定の月面探査ローバーの一つ前の試作機と、2輪の試作機を操縦することができます。月面探査ローバーはタブレット端末を使って前後左右、斜めに動かすことが可能です。タブレット端末の上部には、ローバーに取りつけられたカメラの映像が映され、障害物が無いかどうかを確認することができます。

なお、実際の月面探査ローバーはタブレットでは操作しないとのこと。月面にあるローバーからのデータを着陸船が受けて、さらにその情報を受けた地球上での操作になるとのことです。

初日の2月4日は、子どもたちから大人まで幅広い年齢層の方が操縦を体験していました。2月5日は11：00～12：00、12：30～13：30、14：30～16：30、16：00～17：00の4回体験会が行われます。4日は17：30～の回がありましたが、最終日の5日は17：30～の回がありませんのでご注意下さい。宇宙に興味のある方もない方も、ぜひ月面探査ローバーの操縦を一度体験してみてはいかがでしょうか。





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