IPv6サービスを提供しているMVNOではiPhoneでも利用できるように!

インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は28日、日本時間では3月28日未明よりAppleから配信開始されているiPhoneやiPadなど向け最新プラットフォーム「iOS 10.3」においてAPN構成プロファイルでIPv6を設定できるようになったとお知らせしています。

Appleの公式Webページ「Configuration Profile Reference」でもIPv4やIPv6を指定できる「DefaultProtocolMask」や「AllowedProtocolMask」などがiOS 10.3以降で利用可能となっていることが「Available in iOS 10.3 and later」と示されています。

これにより、携帯電話サービス側がIPv6を提供している場合にはAPN構成プロファイルにDefaultProtocolMaskなどを記述することで、iPhoneやiPadでもIPv6で通信できるようになりました。

また合わせてIIJでは、同社がNTTドコモから回線を借り入れて仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供している携帯電話サービス「IIJmio(タイプD)」におけるIPv6用APN構成プロファイルを暫定配布しています。

なお、同社ではまだiPhoneなどにおけるIPv6でのサービスで十分な実績がないため、何かしらの副作用があり、トラブルが起きる可能性があるのである程度対応できる場合のみお試しするよう案内しています。

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Appleの公式Webページ「Configuration Profile Reference」の該当部分

IPアドレスの枯渇などに向けて各通信事業者が順次IPv6のサービス提供を実施しており、日本の携帯電話事業者でもauが比較的積極的に推進していたり、NTTドコモでも直近で2017年4月頃よりIPv6が付与される場合があると案内されています。


またIIJでも積極的にIPv6を提供しており、Androidでは多くの機種で従来からIPv6が利用でき、またau回線のIIJmio(タイプA)ではAPN構成プロファイルではなく、キャリア設定(KDDI)にIPv6が有効になる記述が含まれているためiPhoneなどでもサービス開始当初からIPv6が利用できていたということです。

一方、IIJmio(タイプD)を含む他のNTTドコモ回線のMVNOでは、キャリア設定(NTTドコモ)にIPv4となっており、MVNOの設定を行うAPN構成プロファイルやiOSの設定画面からではキャリア設定を上書きできないため、これまではIPv6を利用できませんでした。

今回、iOS 10.3にてAPN構成プロファイルにおいてIPv4やIPv6の指定が可能になったことでIIJmio(タイプD)ではiPhoneでも専用のAPN構成プロファイルをインストールすることでIPv6で通信できるようになりました。

なお、IIJでは他のNTTドコモ回線のMVNOでもIPv6接続サービスを提供していれば、APN構成プロファイルを書き換えて「DefaultProtocolMask」や「AllowedProtocolMask」を指定すればIPv6で通信できるとしています。

ただし、IIJ MVNO事業部 シニアエンジニアの堂前清隆氏は自身のTwitterアカウントにて「IPv6に対応したMVNOはとても少ないですので、ご了承ください。」とコメントしています。実際に筆者が「LINEモバイル」などのいくつかのMVNOで試してみましたが、現時点ではIPv6での通信はできませんでした。


IIJによるとIPv4・IPv6以外にもテザリングの可否についても現状ではキャリア設定で指定できるのみで、APN構成プロファイルや設定画面では指定できない状態となっており、これがau回線のMVNOなどでiPhoneでテザリングできない理由となっています。

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記事執筆:memn0ck


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