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SIMフリーのスマートフォン(スマホ)などの製品や仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供している携帯電話サービスのブランド「FREETEL(フリーテル)」を展開しているプラスワン・マーケティング。同社が主に訪日向けに提供しているプリペイドSIM「FREETEL Prepaid Data SIM for Japan」を購入してみた。

主に訪日した人向けに提供されているものの、日本在住者でも購入・利用が可能で、FacebookやWhatsApp、Wechat、カカオトーク、LINEの主要なSNSサービスのうちの5つが「使い放題」であることが売りとなっている。

とはいえ、最近ではFREETELの製品やサービスに信頼が置けないのが現状で、実際に今回は購入して案内されている対象のSNSが使い放題であることなどが確かなのを確認してみたのでその検証結果を紹介する。

FREETEL Prepaid Data SIM for Japan
FREETEL Prepaid Data SIM for Japan

購入したのは初回通信開始日の翌日から7日間使える高速データ通信量が1GBまでのもの。参考価格は2,280円(税別)でAmazon.co.jpでは1,922円(税込)で販売されている。他に30日間使えて2GB・3GB・5GBのパッケージがあり、ともにデータ通信のみでSMSや通話には対応しない。

期間の延長はできないものの、高速データ通信量については500MBリチャージクーポンが980円(税別)で追加可能。microSIMカードとnanoSIMカードが用意され、パッケージにはSIMピンも入っているため、通話も各SMSアプリを使えばインターネット回線を通じて利用できる。

通話やビデオ通話も各SNSアプリの使い放題に含まれているため、品質を気にしなければ便利に使えそう。というわけで、確認した内容は以下の通り。

1. 「使い放題」とされている各種SNSが本当に使い放題か?
2. テザリング・VPN接続してのSNS利用は本当に課金対象か?
3. データ容量を使い切った後は、無料対象のSNSも本当に低速化するのか?

【SNS使い放題か?】

SNS使い放題には一部対象外となる機能も含まれており、課金対象となる機能についてはFREETELの公式Webサイト上に記載されている。

今回は、無料対象となる5つのSNSですべて無料対象となっているビデオ通話をそれぞれのサービスで1GB以上利用してみた。

各SNSでビデオ通話を1GB以上利用
各SNSでビデオ通話を1GB以上利用

FREETELのWebサイトに掲載されている通りであれば、5つのSNSのビデオ通話をそれぞれ1GB以上利用してもそれらの利用分に関しては高速データ通信量を消費しないために引き続き高速なデータ通信が利用できるはずである。

結果として、無料対象となっている各SNSで1GB以上、合計で10GB以上のデータ通信を行った後でも高速データ通信が利用可能だった。

SNSで合計10GB以上の通信をしても低速化対象にならなかった
SNSで合計10GB以上の通信をしても低速化対象にならなかった

購入したFREETEL Prepaid Data SIM for Japanの通常データ通信量(1GB)を大きく超えるデータ通信を行っても高速データ通信が継続できたため、確かにこのプリペイドSIMの「SNS使い放題」に関しては内容通りと言える。ある意味当然で、予想通りの結果ではある。

【テザリング・VPN接続時は対象外か?】

もう1つ気になっていたのは、テザリングやVPN接続時のデータ通信に関してはFREETELのWebサイトでは無料対象となるSNSの利用についても「課金対象となる」(=使い放題にはならない)という旨が記載されている。

テザリングやVPN利用時は「課金対象」とされている
テザリングやVPN利用時は「課金対象」とされている

そこで同様にFREETEL Prepaid Data SIM for Japanを挿したAndroidスマートフォン(スマホ)でテザリングを有効化し、別のAndroidスマホから無料対象となるSNSのビデオ通話を長時間行ってみた。

FREETEL Prepaid Data SIM for Japanを使ってテザリング
FREETEL Prepaid Data SIM for Japanを使ってテザリング


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テザリング経由でFacebookのビデオ通話を4GB利用

使い放題の対象となっているSNSをテザリング経由で大量にデータ通信を行ってみてもデータ通信速度は低速化しなかった。よって、テザリング経由でのSNS利用に関してもスマホやタブレット、パソコン(PC)などから直接データ通信を行うのと同様に、高速データ通信量を消費しない(無料対象となる)模様だ。

VPN接続した状態での利用に関しても同様で、VPN接続をした状態のAndroidスマホを別のAndroidスマホと長時間のビデオ通話を行い、大量のデータ通信を行った後でも引き続き高速データ通信が利用できていた。

よって、FREETELのWebサイトに記載されている「テザリング経由でのデータ通信およびVPN接続しての各種SNS利用に関しては課金対象となる(データ通信容量を消費する)」という内容は、今回の検証結果とは異なる。

ただし、FREETEL側が「課金対象」としているため、テザリングやVPN経由でのSNS利用が課金対象となる可能性は十分ありえるので「無料対象になることもある」という程度に認識しておくと良さそう。実際に使い放題の対象にならなかったり、今後、対象から外される可能性も大いにあると思われる。

【規定容量到達後はSNSも低速化の対象になる?】

最後に「規定データ量に到達後は、通信量のカウント対象外のSNS利用時も低速化の対象になる」という点も確かめてみた。

規定のデータ量到達後は無料通信の対象SNSも低速化対象に
規定のデータ量到達後は無料通信の対象SNSも低速化対象に

個人的には、SNSなどを対象としたいわゆる「カウントフリー」対象のサービスは、高速データ通信の通信容量を使い切っても低速化しないものと思い込んでいたので、FREETELのWebサイトに記載されている仕様は違和感があった。

例えば、LINEモバイルではカウントフリー対象のサービスの利用については、月間の高速データ通信量を使い切っても通信速度制限の対象外となっている。

実際にプリペイドSIMの残高を使い切った状態で各種SNSを利用してみたところ、Webサイトに記載されている通りにデータ通信速度低速化の対象となっており、通常のWebサイトの閲覧などなどと同様に通信速度が最大で150kbpsに制限された。よって、この点についてはWebサイトに記載されている通りのサービス仕様となっている模様だ。

ただし、この仕様はFREETELが謳う「SNS使い放題」というセールス内容とは一致しないように思える。以下はFREETELのWebサイトに記載されている内容の引用だ。

FREETEL Prepaid Data SIM for Japan」はFacebookやWhatsAppなど、いつもお使いのSNSアプリをご利用する場合、購入分のプリペイドデータ容量から差し引かれることなく無制限でご利用いただけます。

念のため付け加えておくと、FREETELのポストペイド向けのサービス内容には同様の記載はないので「規定容量を超えたら通信速度低速化の対象」はプリペイドSIM向け限定の可能性がある。

【まとめ】

最後にまとめると、今回確認できたサービス仕様は以下の通り。

1.「使い放題」とされている各種SNSが本当に使い放題か?

→使い放題。高速データの通信量を消費しない。(無料対象の使い方であれば)

2.テザリング・VPN接続してのSNS利用は本当に課金対象か?

→課金対象にならない(こともある)

3.データ容量を使い切った後は、無料対象のSNSも本当に低速化するのか?

→「使い放題」とされるSNSも含めて速度が低速化する



記事執筆:shimajiro@mobiler


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フリーテルのプリペイドSIM「SNS使い放題、VPN・テザリングは課金対象、容量使い切ったらSNSも低速化」が本当か検証してみる

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