CP+2018の気になった新製品を紹介!話題のEOS Kiss Mや注目のスタビライザーなど

カメラ映像機器工業会(CIPA)が3月1〜4日にパシフィコ横浜などにて開催したカメラと写真映像のプレミアムショー「CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW 2018(CP+2018)」が開催された。前回のソニー「α7 III」を中心にしたレポートに続き、CP+2018において投票で決定した「ワールドプレミアアワード」製品などを中心に、CP+2018にて気になった製品を紹介したいと思う。

CP+2018の来場者数は6万8111人で前年増となり、コンセプト通りに来場者は老若男女、さまざまな世代をみることができた。また今ではスマートフォン(スマホ)のカメラで撮影することが当たり前となり、写真がさらに身近になってきたと思う。

そういった観点においてデジタルカメラは、写真を撮影するための次のステップという関係になることに期待したいところだ。なお、次回のCP+2019は2019年2月28日(木)~3月3日(日)に、今回と同じくパシフィコ横浜と周辺会場にて開催予定である。

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キヤノンは、ミラーレスカメラの最新モデル「EOS Kiss M」を出展していた。CP+2018に合わせて発表された製品で、同社の「EOS Kiss」ブランドでは初のミラーレス製品となり、さらに画像処理エンジン「DIGIC 8」を搭載する。発売は3月23日だ。

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イメージセンサーはAF対応の約2410万画素デュアルピクセルCMOSで、センサーサイズはAPS-Cサイズ(約22.3×14.9mm)。ボディーカラーは写真のホワイトとブラックの2色である。

レンズマウントは同社のミラーレス向けのEF-Mマウントを採用し、別売のマウントアダプター「EF-EOS M」を用いることでEFレンズ、EF-Sレンズも利用可能となる。

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背面モニターは自撮りにも使えるバリアングルタイプ。タッチ操作にも対応する。一眼レフカメラのEOS Kissシリーズ相当の操作ボタンがあるので、ミラーレスカメラを始めて使うユーザーでも大体の操作はすぐに理解できるのではないだろうか。

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ブラックはコンパクトさもあり精悍なイメージ。新開発のデュアルピクセルCMOS AFはほぼ全画面を網羅する広さとなっており、自由な構図で撮影が可能だ。

オートフォーカスの速度は前モデルより高速化してストレスなく撮影できる。また瞳AFも搭載しており、一眼レフカメラにはない便利機能が特徴である。一方で、動体追尾などAFフレーム上では追っているように見えるが、正確にピント合わせができているのかまでは、会場では試すことができなかった。また、暗所でのコントラストAFの速度と精度も気になるところ。

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キヤノンのもうひとつの目玉がワールドプレミアアワードを受賞したスピードライトの最新モデル「スピードライト 470EX-AI」だ。スピードライトをバウンス(反射させて光を拡散する)する際に、最適な角度と光量に自動調整する機構を搭載。発売は4月下旬を予定している。

この機能を利用すると470EX-AIのヘッド部分が自動で起き上がり、プリ発光を行い調光する。カメラを縦位置に構えると写真のようにヘッドも回転して望ましい角度に調整される。

まさにロボットのような動きをするスピードライトだ。横位置でも縦位置でも正確な調光が期待できる一方で、ヘッドの回転にすこしタイムラグがあるため、シャッター半押ししてすぐに撮影できないことが、実際の現場でどのように感じるのかが気になるところとなる。

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続いてニコンはボディーの新製品がないこともあり、昨年発売の「D850」を中心としたさまざまなソリューションを展示していた。

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ポートレート撮影の試写コーナーなど、様々なレンズを試写できるコーナーを設置。

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単焦点レンズの試写コーナーでは、雰囲気の良いセットが組まれていた。広角レンズを使うにはちょっとセットが遠いかなという印象を受けた。

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パナソニックはミラーレスカメラの新製品「LUMIX GX7 Mark III(DC-GX7MK3)」や、フラグシップモデル「LUMIX G9 PRO(DC-G9)」、「LUMIX GH5S(DC-GH5S)」などを展示。

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LUMIX GX7 Mark IIIは有効画素数約2030万のマイクロフォーサーズマウント機で、ストリートスナップを軸にさらにブラッシュアップしたモデルだ。使いやすいサイズ感と、素早く露出を合わせられるダイヤル操作など実用性が増している。

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前モデルでモードダイヤルの根元に電源スイッチがあったため、スイッチ操作でモードダイヤルが動いてしまうことがあったが、LUMIX GX7 Mark IIIでは電源スイッチを動画撮影ボタンの根元にすることで誤操作をなくしている。

また、モードダイヤルの根元に露出補正ダイヤルが追加されたことで、不意にモードダイヤルが回転することもなさそうだ。新たにフォーカスモード切替レバーが追加されるなど、フォーカスの自由度も上がっている。これはストリートスナップを撮るための便利機能だけではなく、4K動画を撮る際にもメニューを呼び出すことなくマニュアルフォーカスが利用できるなど利便性が向上している。

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別売のハンドグリップ「DMW-HGR2」を取り付ければ、カメラをしっかりとホールディングできるようになるので一緒に揃えておきたい。底部には三脚穴があるのでハンドグリップを付けたままでも三脚に据えて撮影可能だ。また、前モデルの「LUMIX GX7 Mark II(DMC-GX7MK2)」でも利用可能である。

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マウスコンピューターはクリエイター向けのデスクトップパソコン(PC)のほか、Adobe RGB比100%の4Kディスプレイを搭載する17.3型ノート「DAIV-NG7620S2-SH5-DGP」を展示。

CPUにはデスクトップ向けのインテル「Core i7-8700」を搭載し、GPUにはNVIDIAの「GeForce GTX 1080(8GB)」、内蔵メモリー(RAM)32GBなどを搭載する。カメラのRAW現像や4K動画編集などに最適なPCだ。

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さすがに気軽に外に持ち歩けるような重さではないものの、17.3インチの4Kモニターを搭載した編集環境が場所を選ばず利用できるのは魅力的だ。価格は349,800円(税抜)。

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さらにドローンやスマホ向けのスタビライザーなどを販売するDJIは、コンパクトになったデジタル一眼用のスタビライザー「Ronin-S」を展示していた。

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開発中ということであくまで動作の確認のみという状態だったが、重いボディーとレンズを安定させることが確認できた。日本でも認定ストアでサポートが受けられるDJI製品ということで期待が持てる。

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手元のコントローラーでパンやチルトなども可能だ。カメラとレンズの重量とRonin-Sの重量もあり片手持ちはかなり厳しい。

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こうしたスタビライザーはSprocommもスマホ向けなどを展示しており、3軸のスタビライザー「PIRO mini」はスマホアプリと合わせて利用することで、動画・静止画だけではなく設定した被写体を追い続けるトラッキング機能、縦撮りなど、他社製スタビライザーで利用できる機能を一通り搭載している。

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業務用風ではないデザインで意外とカッコイイ。背面は握りやすい形状をしている。

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こちらは1軸の「PIRO S2」。主な用途は自撮りで、自撮り棒に常に水平に保つ機能を搭載したと言えばわかりやすいかもしれない。

自撮りしやすい角度にスマートフォンを固定し、手元のシャッターボタンで撮影する。アームを伸ばして、高い位置からの撮影も可能だ。写真のようにスマートフォンは水平に保たれるので、静止画だけではなく自撮り動画にも良さそうだ。日本での発売は今のところ予定はないようだ。


動画リンク:https://youtu.be/8q58n_k8Nmg


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ワールドプレミアアワードを受賞したSIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art

CP+2018はニュースとなるような新製品のないニコンのほか、キヤノンも比較的静かだったせいもあり、ソニーやオリンパス、パナソニック、リコー・ペンタックスなどの新製品に話題が集中したようだ。東京オリンピックが近付く来年のCP+2019には、ニコンやキヤノンのプロ機が発表されるのか?そこも注目したい。

記事執筆:mi2_303


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