マツモトキヨシがdポイントの取扱開始を発表!

NTTドコモとマツモトキヨシホールディングスは18日、NTTドコモが提供するポイントサービス「dポイント」をマツモトキヨシホールディングスが展開する全国約1600店のマツモトキヨシグループ店舗(以下、マツモトキヨシ店舗)で利用可能となる業務提携を発表しました。dポイントの導入は4月30日の開始を予定しており、まずは東名阪エリアの約850店舗から提供が開始され、その後、順次全国のマツモトキヨシ店舗へと拡大する予定です。

マツモトキヨシ店舗での支払時にNTTドコモのdポイントカード、dカード、dカード GOLD、およびdカード プリペイドを提示することで、買い物1回につき購入額100円(税抜)ごとにdポイントが1ポイント貯まります。またdポイントカードと同時にマツキヨポイントカードを提示することでマツキヨポイントも貯まるため、一度の買い物で最大2%のポイントが貯まります。

また全国のマツモトキヨシ店舗およびマツモトキヨシオンラインストアでは4月30日から買い物の決済時にdカードなどを利用すると購入額100円(税込)ごとにdカードなどの決済で貯まる1ポイントに加え、さらに2ポイント(合計3ポイント)が貯まります。これらの施策により最大で合計5%のポイントが貯まります。

マツモトキヨシ店舗やマツモトキヨシオンラインストアで溜めたdポイントは同店舗などで利用できるほか、dポイント加盟店およびd支払い加盟店での買い物やNTTドコモの月々の携帯電話料金および機種変更代金などの支払いに利用できます。

NTTドコモやマツモトキヨシホールディングスが狙うポイントマーケティングの狙いはどこにあるのでしょうか。発表会の模様や発表された各種キャンペーン施策とともに解説します。

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NTTドコモのテレビCMでお馴染みのポインコ兄弟や中条あやみさん、マツモトキヨシホールディングスのマスコットキャラクター・マツキヨポリス(マツポリちゃん)もゲスト登壇


■ポイントサービスに強みを持つ両企業
発表会ではプレゼン冒頭で「マツモトキヨシ(の店舗)でdポイントが使えるようになるのは大きな意義がある」と語ったのはNTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏です。dポイントを取り扱うパートナー企業は全国に100以上、店舗数では3万店舗以上にも上り、dポイントユーザー数も6500万人を超えるなどその利用者数や利用シーンも増加の一途を辿っていますが、同氏は今回の提携を「dポイント会員への新しいさらなる付加価値でありdポイントの魅力を高めることが非常に重要である」と位置付けています。

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NTTドコモ 代表取締役社長 吉澤和弘氏


NTTドコモがポイントサービスへ大きな期待を置いている理由はビッグデータの活用です。ポイントサービスを単純な顧客のリピート施策に留めず、どのような商品がどのようなタイミングで売れるのか、どういった店舗でポイントが利用されているのかを追跡・分析するためのツールとして活用し、顧客の趣向や流行などをより早く正確に掴み、さらなる販促へと繋げることで顧客満足度を高めつつ自社のエコシステムへと囲い込む戦略に活用できるからです。

同様の戦略と施策はマツモトキヨシホールディングスもまた従来より強みとしている点であり、今回の提携は両企業の戦略と思惑が合致した結果と言えます。

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dポイントはNTTドコモの携帯電話契約がなくとも登録できる点が強みの1つにもなっている


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ポイントサービスの提携によりシナジー効果を期待する両企業


■ビッグデータの補完による“個客”理解の広がり
今回の提携によりお互いの企業が持つ強みによって顧客1人1人への理解をさらに深められると分析するのはマツモトキヨシホールディングス 営業統括本部 営業企画部長の松田崇氏です。

インターネット広告やSNSの普及による顧客の商品認知の多様化やオンラインショップによる購買の広域化など、消費者行動はますます多様化していると同氏は解説、その上でマツモトキヨシホールディングスでは実店舗以外にも公式サイトの充実化やオンラインストアの積極的な展開などオムニチャンネル化の推進によって顧客の購買行動への多様化に合わせた戦略を強みとしてきたと語ります。

一方でNTTドコモについては認知の大きさ(≒NTTドコモというブランド力の高さ)を強みとして分析し、両企業が持つ「認知」、「興味・検討」、「購買」への強みを相互補完することで、顧客1人1人に合わせた「真の“個客”理解」を得られると語っています。

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小売に強いマツモトキヨシホールディングスとブランド力のあるNTTドコモによる強力タッグ


真の個客理解、と言っても顧客1人1人の個人情報をマーケティングに利用するということではありません。飽くまでもポイントサービスや店舗の利用実態を個人を特定せずに「量」として捉え、その量の中身を分析することで購買層の動向を把握するというのがビッグデータの大きな役割の1つです。

その分析の精度は母数が大きければ大きいほど精密になるため、今回のような大企業同士による提携には非常に大きな意味が生まれます。単純な顧客の囲い込みだけではなく、潜在顧客がどういった商品やサービスを欲しているのかといったことも分析が可能であるため、新たな顧客層の発掘にも繋がります。

ポイントカードと紐付けされた個人情報は厳重に管理しつつ、そこで動くポイントによってマーケットを分析するという手法はもはや当たり前となりつつありますが、その流れはさらに進化し企業の枠さえも超えつつあるのかもしれません。

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“量”を分析し企業提携によって増やしていくことで顧客へ提供できる商品やサービスの“質”を向上させていくのが大きな狙いでもある


■4月30日より展開されるさまざまなキャンペーンに注目
マツモトキヨシ店舗およびマツモトキヨシオンラインストアでは前述のポイント施策に加えて4月30日より6月30日までを「dポイント開始キャンペーン」期間とし、対象のマツモトキヨシ店舗でdポイントカードなどを提示すると通常の3倍のポイントを進呈します。

またマツキヨポイントカードとdポイントカードなどを対象のマツモトキヨシ店舗にて同時に提示いただいた方のうち、キャンペーン対象期間中に合計3,000円以上の買い物をした方の中から抽選で100名にダイソンのコードレスクリーナーとマツモトキヨシのオリジナルコスメブランド「ARGELAN」のシャンプー・コンディショナー・ボディソープの詰め合わせをダブルで進呈する「Wでおトク・Wキャンペーン」も実施します(こちらはキャンペーンへのエントリーが必要です)。

このほかdポイントの取扱い開始を記念し、マツキヨポリスとポインコをデザインしたマツモトキヨシ限定のオリジナルdポイントカードを4月30日より対象のマツモトキヨシ店舗にて配布します(各店舗の予定数がなくなり次第終了)。

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dポイント開始キャンペーン期間中はポイントが最大で7%還元される


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配布予定のマツモトキヨシ限定オリジナルdポイントカード


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中条あやみさんも壇上でWキャンペーンをアピール


さまざまなキャンペーン施策で一気にポイント提携を推し進めようとする両企業の狙う市場と顧客サービスがめざす先には、先に述べたようにビッグデータを活用した囲い込みや両企業が持つ強みを活かしたブランディング戦略があります。その戦略が利用者にどこまでメリットのあるものとなるのか、今後の動向にも注目が集まります。

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マツモトキヨシに行ったら忘れずにカードを2枚提示しよう




記事執筆:秋吉 健


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