ひとまず「ZTE問題」が解決!米国商務省とZTEが合意

米国商務省(United States Department of Commerce)は7日(現地時間)、同省の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)がスマートフォン(スマホ)や基地局などを開発・製造する中国の通信機器メーカーであるZTE(中興通信機器)に対する取引禁止を見直す措置を合意したと発表しています。

同省では今年4月16日にZTEおよびその小会社のZTE Kangxun Telecommunicationsに対してこれらの企業がイランや北朝鮮に通信機器を違法に輸出していた問題において合意していた内容に反し、米国の輸出管理規則(EAR)に違反して虚偽の報告をしたとして機器の販売を今後7年間禁止する措置を発表していました。

見直し措置では10億ドル(約1,100億円)の罰金支払いに加え、4億ドル(約440億円)の担保金預託、そしてBISが選任した特別なコンプライアンスチームを10年間受け入れ、ZTEの取締役会および経営陣の刷新が条件となっています。

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ZTEに対する取引禁止措置は同社がイランや北朝鮮に通信機器を違法に輸出していた問題において2017年3月に11億9,000万ドル(約1,300億円)の罰金の支払いなどで合意したにもかからわず、条件に従わずに虚偽の報告をして違反したとしてZTEと輸出管理規則(EAR)の対象項目を取引禁止としていました。

これに対し、ZTEでは輸出管理コンプライアンスプログラムに真剣に取り組んでおり、米国から派遣された調査員と協力して機器の輸出について透明性の高い情報を提供し、努力や投資などをして改善したことを改めて表明していましたが、措置がすぐに見直されることはありませんでした。

そのため、すでに紹介しているように日本でもNTTドコモ向け「M Z-01K」や「MONO MO-01K」などのすべてのZTE製品が新規発注できない状態となって在庫限りでの販売となったほか、日本で販売されているSIMフリースマホなどを含めてソフトウェア更新が停止されているなどの影響が出ています。

その後、この「ZTE問題」は政治問題にも発展して米国政府と中国政府が話し合いなどを行い、米国のトランプ大統領が自身のTwitteアカウントにて問題を解決するように米国商務省に指示し、罰金を支払うことで調整されていることが投稿されていました。そして今回、米国商務省からZTEと禁止措置の見直しで合意したことが発表されました。

新たに合意された内容では罰金10億ドルと預託金4億ドル、そして10年間の監視などとなっており、これらの条件を受け入れることで取引禁止が解除されます。ただし、10年間の猶予期間が設けられており、この間に再度違反が判明した場合には預託金4億ドルの没収と再び取引禁止措置が行われるということです。

さらに取引禁止措置は今回の7年間より長い10年間となり、これらの条件はBISがこれまでに課されたことのない最大の罰則だとしています。なお、以前に合意した罰金11億9,000万ドルも過去最大のものだったとし、ZTEは合計で22億9,000万ドルを支払うことになります。




記事執筆:memn0ck


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