米国商務省がZTEに対する取引禁止を解除!

米国商務省(United States Department of Commerce)は13日(現地時間)、同省の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)がスマートフォン(スマホ)や基地局などを開発・製造する中国の通信機器メーカーであるZTE(中興通信機器)に対する取引禁止を解除したと発表しています。

6月に取引禁止を見直す措置を合意していましたが、ZTEが和解契約の条件となる同社の取締役会および経営陣の刷新を行い、10億ドル(約1,100億円)の罰金支払いに加え、4億ドル(約440億円)の担保金預託を行ったため、実際に解除となりました。

また取引禁止解除に向けて取り組んでいたZTEではすでに停止していた業務の一部を再開しており、日本向けのスマートフォン(スマホ)などの製品でも停止されていたソフトウェア更新なども再開されています。

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ZTEに対する取引禁止措置は同社がイランや北朝鮮に通信機器を違法に輸出していた問題において2017年3月に11億9,000万ドル(約1,300億円)の罰金の支払いなどで合意したにもかからわず、条件に従わずに虚偽の報告をして違反したとして今年4月より実施されていました。

措置は同省が定める輸出管理規則(EAR)の対象項目についてZTEと取引禁止となっていたもので、Qualcommなどの部品メーカーがZTEへ供給できなくなったことからZTEではスマホなどの製品を生産できなくなり、一部の業務を停止していました。

日本でもNTTドコモ向け「M Z-01K」や「MONO MO-01K」などのすべてのZTE製品が新規発注できない状態となって在庫限りでの販売となっているほか、日本で販売されているSIMフリースマホなどを含めてソフトウェア更新が停止されているなどの影響が出ていました。

これに対し、ZTEでは輸出管理コンプライアンスプログラムに真剣に取り組んでおり、米国から派遣された調査員と協力して機器の輸出について透明性の高い情報を提供し、努力や投資などをして改善したことを改めて表明していましたが、措置がすぐに見直されることはありませんでした。

その後、この「ZTE問題」は政治問題にも発展して米国政府と中国政府が話し合いなどを行い、6月に米国商務省からZTEと禁止措置の見直しで合意したことが発表され、条件となっていた取締役会および経営陣の刷新をこれまでに行ってきました。

そして、今回、条件の罰金10億ドル(約1,100億円)と担保預託金4億ドル(約440億円)についてもUSバンクに振り込まれたことから解除したということです。なお、他にも条件にはBISが選任した特別なコンプライアンスチームを10年間受け入れがあるため、これらも実施されていると思われます。

解除に際して米国商務省では「ZTEの禁止措置を解除する間、ZTEが米国のすべての法律や規制を遵守するための行動を厳密に監視しているため、警察は警戒し続ける」と述べています。ようやく再始動となりますが、今回の取引禁止措置はZTEにとって非常に大きな損失となりました。挽回できるかわかりませんが、頑張ってほしいところです。

記事執筆:memn0ck


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