有人宇宙飛行を実現するためのプロジェクトを発表!

SPACE WALKER(スペースウォーカー)は1日、誰もが気軽に宇宙に旅することのできる未来をめざし設立された同社の「プロジェクト発足記者発表会」を都内で開催した。

同社は、スペースプレーンの開発にあたり、IHI、IHIエアロスペース、川崎重工業と支援や協力などに関する覚書を、国立大学法人九州工業大学と共同研究契約を、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携覚書(事業コンセプト検討)を、それぞれ締結したことを発表した。

発表会では、ファウンダーの米本浩一氏(九州工業大学教授)、取締役会長の留目一英氏(元JAMSS代表取締役社長)、代表取締役CEOの大山よしたか氏(アートディレクター)をはじめ、同社の役員10名のうち8名が出席し、プロジェクトに関する構想や展望を語った。

その中で、米本氏はスペースプレーンの開発計画について解説をした。

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スペースプレーンの概要

米本氏によると、2027年の有人宇宙飛行をめざすスペースプレーンにおいては、乗員が2名、乗客が6名で、高度120kmを飛行する予定だという。

このスペースプレーンは、飛行機のように滑走路から水平に離陸し、3分以内には高度100kmを超え、120kmには離陸から4分後には到達するという。高度120kmになると、無重力状態で地球が丸く見えるのだとか。また、打ち上げ時の加速度については3G、地上に帰ってくる際は5G程度の重力がかかるという。

「(説明している)私もまだ行ったことがない」と苦笑しつつ、「こうした体験をこのスペースプレーンでしていただくことになる」と構想を語る米本氏は、「有人宇宙輸送にはまだまだハードルが高い」と、大きな課題があることに触れた。

米本氏によると、「安全性を高めるための開発」に加え「法整備」も大きな課題だという。「勝手にお客さんを乗せて宇宙に行くっていうのは、国としての法律面での整備が必要」と米本氏。とは言え、すぐに法整備ができないため、その前に、無人のサブオービタルプレーン(小型衛星)を打ち上げるなどのステップを踏んでいくという。


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スペースプレーン(宇宙旅行)までのステップとしてサブオービタルプレーンを打ち上げる

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サブオービタルプレーンとスペースプレーンの概要

2021年を目処に科学実験用のおよそ9.5mのサブオービタルプレーンを打ち上げるという。さらに、2023年を目処におよそ14mの機体で、小型衛星を投入するためのサブオービタルプレーンを打ち上げ、2027年には有人宇宙飛行を目的としたスペースプレーンを打ち上げるという構想だ。

小型の衛星を打ち上げる機体は世界でも多く、そのほとんどが使い捨てだというが、SPACE WALKERでは再使用を前提とした機体となっている。技術開発は、2005年から九州工業大学の「有翼ロケットプロジェクト」として研究開発してきているのだという。


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有翼ロケットプロジェクトにおける研究開発の構想

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アメリカでの飛行実験を予定している機体の概要

2019年、2020年に予定している、総質量1トン程度の機体の飛行実験は、アメリカで実施するとのこと。

およそ30年に渡るプロジェクトのルーツを振り返った米本氏は「九州工業大学の研究、宇宙開発事業団で培ってきた日本版スペースシャトルの技術を結集させて、SPACE WALKERの立場で、スペースプレーンを実現しようとしているところ」と、現在の自身の立場を語った。

一方で、質疑応答で、この時期にスペースプレーンを実用化しようと思ったきっかけを問われた米本氏は、「理由はひとつだけではない」としながら、元日本ロケット協会会長で取締役の浅田正一郎氏の名前をあげつつ「(自身を含め)このふたりが老いぼれて、もしかしたらいなくなっちゃう」「そうなると、この30年間一生懸命やってきたことが、新しい世代がまたゼロからスタートするのはちょっと…」「まだ(自身らが)やれるときに、新しい世代とつながって…(そういう意味でも)やるいい時期」だと語った。

ほかにも、30年間積み上げてきた研究開発において「実用機を作る技術の基盤ができた」、機体の再使用という面で「アメリカでの動きに乗り遅れないため」といった理由をあげた。さらに、アメリカやロシア、中国などの国々が有人宇宙飛行の分野に参入している中で、「日本も(有人宇宙飛行の技術を)持つべき」「逆に『なぜ日本はやっていないのか?』という質問が多いのではないか?」と米本氏は語った。

SPACE WALKERは、これまで既に走っていたプロジェクトを実用化・商用化していくことがスタート地点であり「昔からやってきたものを引き継いでいく」のが大きな特徴だという。




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