docomo・au・SoftBankが実効速度計測結果を更新!

NTTドコモおよびKDDI、ソフトバンクは総務省が2015年7月に「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」にて定めた通信速度におけるガイドラインに沿った2018年度の実効速度計測結果を更新しています。

これは米連邦通信委員会(FCC)が公開する計測アプリをベースに実証時に作成した計測アプリを利用して全国全国10都市(1500箇所)において各社が実際に通信速度を測定して公表する取り組みで、理論値では誇大広告となる可能性があることから導入されました。

更新日はNTTドコモおよびSoftBankが3月29日、auが4月11日となっており、計測期間はNTTドコモおよびauが2019年1〜3月、SoftBankが2019年2〜3月。使用した製品はAndroidではNTTドコモが「Xperia XZ3 SO-01L」、auが「AQUOS R2 SHV42」、SoftBankが「Xperia XZ3」もしくは「AQUOS zero」、iOSでは各社ともに「iPhone XR」となっています。

各々実効速度のおおよその範囲として実効速度集計結果(箱ひげ図)や中央値に近い半数(25%値~75%値の範囲)のほか、測定結果をすべて確認でき、このうちのいわゆる平均となる中央値は、NTTドコモではAndroidが下り208Mbps、上り33Mbps、iOSが下り177Mbps、上り29Mbps、auではAndroidが下り120Mbps、上り16Mbps、iOSが下り107Mbps、上り15Mbps、SoftBankではAndroidが下り135Mbps、上り17Mbps、iOSが下り115Mbps、上り16Mbpsとなっています。

各OSをまとめた場合の中央値は、NTTドコモの下りが191Mbps、上りが31Mbps、auの下りが114Mbps、上りが16Mbps、SoftBankの下りが126Mbps、上りが17Mbpsとなり、これを受けて4月26日にNTTドコモが実施した「2018年度決算説明会」ではダウンロード・アップロードともに理論値だけでなく実測値でも国内最速であることがアピールされていました。

通信事業者NTTドコモau by KDDISoftBank
OSAndroidiOSAndroidiOSAndroidiOS


最大値568464412346338308
75%値283234160145179152
中央値208177120107135115
25%値14512090789481
最小値161526213332


最大値675468423132
75%値433721202324
中央値332916151716
25%値221512111110
最小値321111

実効速度の計測手法は政令指定都市および県庁所在地(東京都特別区を含む)を人口規模で3つに分類(「人口100万人以上」および「人口50万人以上100万人未満」、「人口50万人未満」)し、各分類から各々3都市および東京都特別区を選定して合計10都市にて全国10都市から300メッシュ(1メッシュ:500m四方)×5地点の合計1500カ所をランダムに選定して行っています。

また測定する時間はオフィス街・繁華街では12時から18時、住宅街では15時から21時の間に実施し、できるだけユーザーが普段利用する場所・時間を想定して行われていますが、各社が一斉に同じ場所で測定しているだけではなく、通信速度は同じ場所でもその時々によって大きく変わるため、この結果がすべてではありません。

さらに昨年まではAndroidについても各社ともに最新のXperiaシリーズのハイエンドモデルとなっていましたが、今回は各社バラバラと言っても良く、SoftBankについては複数機種が使われています。とはいえ、少なくとも各社の公式な実効速度計測結果ということで日本で最も大規模に行われた調査ということである程度の目安にはなるかと思われます。

一方で総務省のガイドライン策定後に実効速度計測結果が公開された今でも各社とも理論値で最大通信速度をアピールしており、その最大通信速度が出る場所が一部エリアだったり、場合によっては本当にピンポイントだったりしており、さまざまな条件によって理論値の最大通信速度も異なるといった状況なのでもう少しこの実効速度計測結果を周知していきたいところです。

通信事業者NTTドコモau by KDDISoftBank
OSAndroidiOSAndroidiOSAndroidiOS
理論値受信時988Mbps844Mbps958Mbps818.5Mbps774Mbps676Mbps
送信時131.3Mbps75Mbps112.5Mbps50Mbps37.5Mbps37.5Mbps

ただし、仮想移動体通信事業者(MVNO)とは異なって一昔前に比べると、NTTドコモやau、SoftBankといった移動体通信事業者(MNO)の混雑時だったり、月当たりの高速通信量上限に達して速度制限がされていたりという場合以外それほど通信速度を気にすることもなくなりつつあるのも現状かと思われます。

今後、各社ともに5Gを導入しますが、単純な通信速度というよりはレイテンシー(遅延速度)の改善や通信容量の拡大による速度制限の撤廃もしくは緩和、混雑時の通信速度改善などが期待できるほか、これらの影響によって利用料金へ反映されて一部には完全定額制が再び導入される可能性も出てきています。







記事執筆:memn0ck


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