mineoスマホ相談会にに突撃取材してみた!

オプテージが仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供する携帯電話サービス「mineo」( https://mineo.jp )において契約方法やスマートフォン(スマホ)の使い方などの相談を受け付ける「mineoスマホ相談会」を直営店舗「mineo 渋谷」で7月20日に開催しました。

同イベントはこれまでにも東京や大阪で年に数回程度実施されており、毎回50〜80名程度の人が相談に訪れるとのことで、取材当日にも2~3組の方々が相談をしていました。こういった相談会の開催は移動体通信事業者(MNO)を中心に不定期に開催されることはありますが、定期的な開催を行っているMVNOは非常に珍しい印象です。

ブランドステートメントに「Fun with Fans!」を掲げ、常にユーザーファーストを謳ってきたmineoらしい試みだと感じられますが、その効果やユーザーの反応はどのようなものなのでしょうか。感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する「Arcaic Singularity」。今回はmineoスマホ相談会を中心に、MVNOユーザーの変遷やサポート体制の現状などを解説します。

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渋谷駅前にある直営店舗「mineo 渋谷」


■伸び悩みはじめたMVNO契約数
日本における現在のMVNO契約者数(回線契約数)は約1300万人を超えており、すべての携帯電話回線契約に対する契約割合は7.4%程度と言われています。

MVNOブームとなった2016年あたりまでは右肩上がりで契約数を伸ばしていましたが、その後MNO各社がMVNOへ対抗するようにして、比較的リーズナブルな低容量・低料金のプランを次々と発表したことで伸びが鈍化、契約者数は伸び続けているものの現在は比較的緩やかな成長を続けている状態です。

MVNOがユーザーから支持された最大の理由は、当然ながら圧倒的な価格メリットからですが、それゆえのリスクも当然あります。通信回線をMNOから購入してユーザーへと販売する方式であることによる回線容量的な品質の弱さや、コストを掛けられない収益体制から来るユーザーサポートの甘さなどがその代表でしょう。

比較的堅調に契約者数を伸ばしていたmineoであっても、MVNO業界を流れる不穏な空気に抗うことはできず、2017年まで順調に伸ばしていた回線契約数は2018年4月に100万回線を突破したあたりから鈍化が始まり、その後は現在に至るまで以前ほどの勢いを取り戻せていません。

そのような中で、mineoスマホ相談会が果たす役割とはどういったものなのでしょうか。

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2018年秋にはソフトバンク回線も利用できるトリプルキャリア体制となったが、契約者数の伸びは弱い


■コストとサポート体制のジレンマ
「私たちの相談会ではこれまで、主に新規の人を対象とした契約相談が中心でしたが、今年からスマホの使い方相談も始めました」と、担当スタッフは言います。

mineoに限らず、MVNOを契約する際に大きな障害となるのが「契約の仕方」と「設定の仕方」が分からない、というものです。モバイルリテラシーがある程度高い層であっても初めは躊躇する問題ですが、これが一般層の消費者ともなれば、何をすれば良いのか全く分からないという不安に駆られるのも無理はありません。

そこでこういった相談会の出番となりますが、ユーザー数が増えれば今度は「契約したはいいが使い方が分からない」、「スマホが分からない」という声が上がり始めます。mineoの取り組みは、こういったユーザーの声に応えるものです。

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mineo 渋谷にある相談窓口。mineoスマホ相談会は別の階にて行われた


担当スタッフによれば、相談会を訪れる人の多くが年配の方とのことでしたが、ここ数年で30代から50代の女性の相談も2割程度に増えてきており、ユーザー層が広がってきていることを実感していると語っています。

時には相談会へユーザーが殺到し、2時間待ちとなるようなこともあったとか。年配の方の場合、とくに丁寧な説明が必要な場合もあり、1人に1~2時間かかってしまうこともあるようです。

MNOでも相談窓口で数時間待ちとなることは少なくありませんが、やはりどこの通信キャリアでもサポート体制の充実化は大きな課題のようです。

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サポート部門は利益を生まないため、基本的にコストをかけづらい。格安を売りとしたMVNOであれば尚更だが、それでもmineoは相談会を開き続ける


mineoでは、ユーザーとともに新サービス創出やサービス改善、サポートを行なう「mineoアンバサダー制度」という特徴的なサービスを展開しています。

mineoアンバサダー制度には、サービスのアイデアを考える「共創アンバサダー」と、ビデオチャットなどで新規ユーザーの相談に応じる「サポートアンバサダー」、そして新規ユーザーの勧誘などを目的とした「紹介アンバサダー」の3つがあります。

mineoスマホ相談会でもサポートアンバサダーの方々がmineoのスタッフとともに相談への対応に当たっている姿が見られ、ここでもユーザーとともに通信キャリアを育てていくという、同サービスの基本方針が貫かれていることを実感しました。

コストを出来る限り抑えつつ、しかしサポート体制の充実にも真剣に取り組んでいく。一見すると不可能に近い2つの要素を、mineoはユーザーの力によって実現しようとチャレンジし続けているのです。

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mineoの公式サイト「マイネ王」に登録したユーザーから、対応実績のあるユーザーにアンバサダースタッフとして活動頂いている




■止まるわけにはいかない。それがユーザーサポート
相談会による契約成立率は10%程度とのことで、「契約に至る場合はすでに購入端末や契約プランを決めてきているお客様がほとんど。最後のひと押しとして相談に来ているようです」と担当スタッフは語ります。

また相談会後に契約へと話が進んでも、振込口座の名義が契約者の名義と違うなどのトラブルもあるなど、一般的な商品の販売とは違った苦労も垣間見えました。

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1階にあるiPhone修理サポートコーナー「アイサポ」。店舗に入ってすぐの場所に修理相談フロアがあるあたりに、mineoのサポート体制への本気度が感じられる


スマホが人々の当たり前の情報端末となって久しい今でさえ、NTTドコモやau、ソフトバンクといったMNOの直営店舗を見ても、相談窓口は人で溢れかえっています。使い方が分からない、契約内容がおかしい、もっと安くならないのか。それらを自分自身で調べ、解決できる人ばかりではありません。むしろ解決できない人のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。

担当スタッフの方は、インタビューの最後にこう答えてくれました。

「お客様と接する機会は貴重です。止まるわけにはいきません。続けていくことが大切です。」

mineoスマホ相談会は今後も継続するとのことで、大阪や東京にこだわらず、地域のニーズを考慮しながら開催回数や開催地域を増やしていくことも検討しているとのことでした。

通信料金の値下げが声高に叫ばれる昨今、サポート体制についてはあまり大きく取り上げられることのない通信業界ですが、mineoのような地道な努力が人々の生活の質とモバイルリテラシーの向上に繋がっていくことを期待してやみません。

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できない、ではなく、できる方法を考える。それがmineoらしさかもしれない




記事執筆:秋吉 健


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