iPhone 11 ProをiPhone XSと比較しながら開封レビュー!

既報通り、Apple(アップル)の新型スマートフォン(スマホ)「iPhone 11」シリーズが9月20日に発売されました。同シリーズは最新の「iOS 13」を搭載し、昨年と同様に6.1インチ液晶の「iPhone 11」と5.8インチ有機ELの「iPhone 11 Pro」、6.5インチ有機ELの「iPhone 11 Pro Max」という3モデルがラインナップされています。

日本国内ではアップルの直営店舗「Apple Store」および公式オンラインショップ(公式Webサイト「Apple.com」内および専用iOSアプリ「Apple Store」)のほか、NTTドコモやau、SoftBankといった移動体通信事業者(MNO)の各社にてそれぞれ販売されています。

今回、筆者もiPhone 11 Proの256GBストレージ・ゴールドモデルを購入し、さっそく開封しましたので、2018年モデルで同じ5.8インチサイズの「iPhone XS」と外観の違いを比較しながらiPhone 11 Proの特徴をご紹介したいと思います。

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iPhone 11 Proのデザインは従来機種からどう変わった?


■細かな変更のあった外箱と同梱品
まずは開封です。外箱はしばらく続いていた真っ白な外観から久々に黒へと戻り、iPhone 3GやiPhone 3GSのブラックモデルを愛用してた人には懐かしい雰囲気です。

箱を開けるといつものセット内容が登場します。本体、取扱説明書、イヤホン、充電器、充電ケーブル(通信用ケーブル)が梱包されており、シンプルで迷うことはありません。

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蓋側にカメラ収納用の凹みがあるのが面白い


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同梱品はこれしかない


取扱説明書もシンプルさも変わらず、見開き1枚、表面と裏面を合わせても4ページしかありません(機能説明は実質3ページ)。かつてフィーチャーフォンが「ガラケー」と呼ばれていた時代に、取扱説明書が300ページや400ページもあったことを思い出すと隔世の感があります。

取扱説明書のケースの中にはSIMスロットを開けるためのピンや、アップルのロゴシールなども同梱されています。

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ロゴシールを一度も貼ったことがないのは筆者だけだろうか


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少々シンプルすぎる取扱説明書。細かな設定項目などは一切書かれていないので、初めてiPhoneを購入する人は端末の設定画面を必ず一度は精査しておきたい


同梱される充電器および充電ケーブルはUSB側の端子がUSB type-Cタイプに変更されており、充電器は急速充電対応タイプとなりました。

iPhone自体は以前から、大容量の受給電を可能にするUSB電力拡張規格「USB PD」に対応し、高速充電も可能でしたが、付属される充電器は一般的な5Wタイプでした。今回同梱される充電器は18Wとなっており、公称では約30分の充電で最大50%の充電が可能となっています。

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いずれはLightning端子側もUSB type-Cになるのかもしれない


■変わらぬデザイン、変わるカメラ機能
本体外観のデザインは、iPhone XSから(厳密には2世代前の2017年モデルであるiPhone Xから)ほとんど変更されていませんが、サイズや重さはごくわずかに大型化しています。

iPhone 11 Proの本体サイズは高さ144mm × 幅71.4mm × 厚さ8.1mmで、iPhone XS比では高さ0.4mm × 幅0.5mm × 厚さ0.4mmの大型化です。とは言え、いずれもコンマ数ミリという非常にわずかな差なので、違いを感じることはほぼないでしょう。

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カメラ周りのデザインが目を引く背面


違いが分かるのは重さかもしれません。iPhone XSでは177gでしたがiPhone 11 Proでは188gと11gの増加です。この差は意外と持った時に分かりやすく、「少し重くなったかな?」と感じることができました。

しかし、重量配分がiPhone XSの時よりも若干改善しており、こちらもほんのわずかな差ではありますが端末下側に重量が寄っているため、手に持った時に手のひら側に重心が寄り、以前よりも持ちやすい印象を受けました。

これらの変化は、主にバッテリー容量の増加に起因しているものと思われます。iPhone XSでは2,659mAhでしたがiPhone 11 Proでは3,190mAhと20%程度容量が増加しており、連続駆動時間でも公証で最大4時間延びています。ごくわずかな重量とサイズの増加程度で利便性が大幅に向上するのなら、十分に許容範囲ではないでしょうか。

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左がiPhone 11 Pro、右がiPhone XS。正面から見た変化が一番少なくどちらか判断しづらい(比較のiPhone XSはガラスフィルムを貼っているので若干違いがある点はご了承下さい)


背面の変化は一番大きく、ひと目で世代の違いが分かります。カメラの増加は最も大きな違いですが、アップルのロゴマークの位置もiPhone XSの中央上寄りからiPhone 11 Proでは背面中央へと変わり、さらに「iPhone」の文字もなくなっています。

また背面素材のガラスも加工が異なり、iPhone XSでは光沢のある鏡面加工であったものがiPhone 11Proではサラサラとした手触りのサンドブラスト加工へと変化しています。

この変更により、手に持った際に指紋や皮脂が目立ちにくく、さらにロゴマーク部分だけ鏡面仕上げとしていることからロゴマークが浮き出て見え、デザインとして良いアクセントを与えています。

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ゴールドカラーも赤みが抑えられ、若干明るくなった(写真が実物以上に白っぽく見えるのは表面のサンドブラスト加工による光の反射によるもの)


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ロゴマークを塗装にせず表面加工の違いで表現しているため、斜めから見るとガラスの厚みによる独特の奥行き感があり非常に美しい


さらにカメラ周りもiPhone XSのような単純な切り抜きではなく一段盛り上げた立体的な加工となっているため、実物を手に取ると想像以上にメリハリのあるデザインであることに気が付きます。

デザインとしてカメラ機能が強調されるのは当然でもあります。今回iPhone 11シリーズには35mm判換算で13mm相当という超広角カメラが追加され、従来よりも圧倒的に画角の広い写真および動画の撮影が可能となりました。

一見すると「またカメラが増えたのか」と笑われそうなところですが、その実用性や利便性は非常に大きなものです。風景写真やスポーツ観戦時の撮影などで大きな威力を発揮し、壮大でドラマティックな描写が可能だからです。

超広角カメラは暗所撮影やノイズ耐性の強化されたカメラ性能(ナイトモード)との相性も抜群です。これからの季節であればハロウィンやクリスマスなどのライトアップが期待されますが、そういった夜間のイベントの撮影のために備えられた性能と機能だと言っても過言ではありません。

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レンズ周りはXSよりもさらに強調された


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背面のガラス素材そのものを盛り上げ、さらにその部分は鏡面仕上げとすることで、まるでガラス細工のような柔らかいコントラストを生み出している


本体周辺を取り囲むサイド部分のデザインでは、地味ながら使いやすい変更が加えられています。

iPhone XSと比較すると、左右側面に配置されたサイドボタンやSIMスロット、マナーボタン、音量ボタンなどが若干中央寄りに配置されており、大型化して片手では扱いづらくなった本体操作が行いやすくなりました。

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右側面。電源ボタンが押しやすい位置に


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左側面。音量ボタンなども位置がわずかに中央寄りに


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下側面の端子およびスピーカー類の配置などはほぼ変わらず


■「機能の表現」にこだわったデザイン
iPhone 11 Proに限らず、iPhone 11シリーズのデザインはホームボタンを廃止した2017年のiPhone X以来デザインの変更がほぼなく、さらに言えば「丸みを帯びたサイドデザインを曲面ガラスでつなぐ」というデザインの方向性は、2014年のiPhone 6から5年も続く系譜だと考えられます。

しかし細かな部分を見ていくと、1世代前のiPhone XSですら大きな違いや改良点の多さに気が付きます。

デザインの方向性が確定した時期と、スマホの基本的な性能が一般利用において成熟期を迎えた時期の合致は偶然ではないかもしれません。その後のスマホ市場は性能よりも機能性の向上に重点が置かれ、分かりやすさと利便性からとくにカメラ機能の充実が図られてきたのです。

iPhoneもまたカメラ機能が強化されてきましたが、iPhone 11シリーズでは超広角やナイトモードという武器を手に入れました。デザインは大きく変えず、しかし強みはしっかりと強調する。そんな意図が明確に見える本体デザインだと思います。

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レンズカバー周りの金属ベゼルの主張感も良い


サンドブラスト加工された背面の質感もぜひ実機で確かめていただきたい部分です。ここ数年の高級スマホは光の加減によって輝く美しい塗装やガラス素材の鏡面仕上げが特徴でしたが、その流れに一石を投じたという意味でもインパクトの大きな変更点です。

マットな質感は、ともすれば安価なスマホに多く採用されるだけに諸刃の剣ですが、そこは安易に塗装に頼らず、ガラス素材の表面処理によって表現することで高級感も失わなかったあたりにこだわりを感じます。

鏡面仕上げは指紋などが目立ちやすく普段遣いとしては気を使う部分でもあっただけに、使いやすさの面でも良い変更だったのではないでしょうか。

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1枚の板をどこまで高品位に見せられるか。そんなチャレンジにも思える






記事執筆:秋吉 健


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