新型スマホ「iPhone 11」シリーズでWi-Fi 6やWPA3といった無線LANの新機能を試す!

既報通り、Appleから発表された最新スマートフォン(スマホ)「iPhone 11」および「iPhone 11 Pro」、「iPhone 11 Pro Max」が9月20日に発売された。筆者もいち早く発売日にau版「iPhone 11 Pro Max」のミッドナイトグリーンを購入した。

さらにこのau回線はそれまで「iPhone 7 Plus」で使用しており、過去にSIMロック解除を行っていたので「SIMロック解除対象機種の条件」のうちの「対象回線におけるSIMロック解除実績があり、前回のSIMロック解除受付日から101日目以降の場合」に該当したため、購入直後にSIMロック解除を行うことができた。詳しくは、SIMロック解除のお手続き( https://www.au.com/support/service/mobile/procedure/simcard/unlock/ )に記載されている。

さて、これらのiPhone 11シリーズだが、一番の話題はその見た目も含めたトリプルレンズカメラ(iPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Max)やデュアルレンズカメラ(iPhone 11)といったカメラ周りなどであるが、一方でこちらの記事でも紹介されているように新たに無線LAN(Wi-Fi)の新規格である「Wi-Fi 6」ことIEEE802.11axに対応した。

また既存のiPhoneシリーズにおいても日本時間の9月20日未明にリリースされた最新プラットフォーム「iOS 13」によってWi-Fiのセキュリティー・暗号化の規格「WPA3」をサポートしている。そこで今回は、実際にこれらのWi-Fi 6やWPA3をiPhone 11 Pro Maxを使って試してみたのでその模様を紹介する。

【iOS13からWPA3対応】

まずはiOS 13からWPA3に対応したという記載があったため、WPA3対応したWi-Fiアクセスポイントである「Aruba AP-303」に設定してみた。なお、Aruba AP-303は8月9日に配信開始されているファームウェア「ArubaInstant_Vela_8.5.0.2_71711」にて試している。

Wi-Fiアクセスポイントのセキュリティー設定はSSIDの中にある「キー管理」から選べるようになっているので特に困ることなくWPA3の設定を行うことができた。その後、WPA3にしたWi-FiアクセスポイントにiPhone 11 Max Proで接続し、Webブラウザーにて無線端末接続状況を確認したが、暗号方式を確認した。

aruba1
SSIDの中にある「キー管理」設定


aruba2
通常はWebブラウザー経由で無線端末接続状況を確認。なお、WPA3と表示されているのは手動で設定したため

通常はWebブラウザー経由で無線端末接続状況を確認すれば、Wi-Fiアクセスポイントに接続している端末が利用している暗号方式を見ることができるのだが、WPA3で接続した場合は表示されていなかった。

そこで、今度はCLI経由で接続で確認を行ったみた。確認方法は、「show clients debug advanced」と入力すると下記のような情報を得られる。Nameのフィールドにある「au-iPhone11ProMax」がWPA3-パーソナル設定した端末となる。

Client List
-----------
Name IP Address MAC Address Connect Status 802.11r 802.11k 802.11v unicast_encr_alg mac_auth_done
---- ---------- ----------- -------------- ------- ------- ------- ---------------- -------------
13-v007TU 192.168.200.40 a0:c5:89:**:**:** 1(153) 0 1 1 WPA2 PSK AES 0
au-iPhone7Plus 192.168.200.45 b0:48:1a:**:**:** 1(147) 1 1 1 WPA2 PSK AES 0
au-iPhone11ProMax 192.168.200.44 8c:86:1e:**:**:** 1(153) 0 1 1 0

興味深いことに「unicast_encr_alg」のフィールドにあるところに接続方式が表示されるのであるが、iPhone 7 Plusで接続している「au-iPhone7Plus」では「WPA2」と表示されているのに対し、WPA3で接続している端末では何も表示されていない状態になっている。

しかしながら、iPhoneなどのiOS搭載製品はAndroid搭載製品と違って接続している通信詳細を見ることはできないが、下記の画像のように正常に接続できているのは確認できたので、ひとまず、WPA3で繋がっていると判断した。

IMG_8798

Aruba AP-303は「Wi-Fi 5」(2x2 MIMOアンテナ内蔵、VHT80、IEEE802.11ac準拠)に対応する機材なので5.xGHz帯で最大867Mbpsが最大通信速度(理論値)である。Wi-Fi 6との比較も兼ねてこの環境で通信速度を測定してみた。

計測の際は極力最大リンクしている状態をWi-Fiアクセスポイント側で確認して試験を行った。WPA3を利用した状態での計測結果は、下記の通りである。なお、比較材料としてWPA2を利用したスループットも計測を行った。速度測定はWi-Fiアクセスポイントと同じラック内にある筆者が立てたSpeedtest.netサーバーを利用した。

IMG_8799
WPA3による接続


IMG_8800
WPA2による接続

計測結果は最も数字がいい値(数字が大きい)が出た時のスクリーンショットを掲載したが、WPA3とWPA2によるスループットの差はないと思われる。そのため、特段理由がなければ、Wi-FiアクセスポイントがWPA3に対応しているならセキュリティー的に問題があるWPA2よりもWPA3へ移行する方が良いと思われる。

【iPhone 11 Pro Maxを用いてWi-Fi 6を試す】

続いて、iPhone 11 Pro MaxにてWi-Fi 6を試してみた。今回は、TP-Linkより発売前のWi-Fi 6対応Wi-Fiアクセスポイント「Archer AX6000」( https://www.tp-link.com/jp/home-networking/wifi-router/archer-ax6000/ )を特別にお借りすることができたので、このArcher AX6000を用いてiPhone 11 Pro Maxで接続して速度測定を行った。

Wi-Fi 6の仕様としてはiPhone 11 Pro Maxが2x2 MIMOアンテナおよびMU-MIMO、HE80、ビームフォーミング(5.xGHz帯で最大1.2Gbps)に対応しており、Archer AX6000が4x4 MIMOアンテナおよびMU-MIMO、HE160、ビームフォーミング(5.xGHz帯で最大4.8Gbps)に対応しているため、iPhone 11 Pro Maxの持っている性能をすべて引き出してくれるはずである。

iPhone 11 Pro Maxを用いて5.xGHz帯と2.4GHz帯でそれぞれ計測を行って見た結果は以下の通りだ。なお、Archer AX6000は発売前ということで性能面などで製品版とは異なる場合があることを注記しておく。

IMG_8802
5.xGHz帯でWi-Fi 6(11ax)に接続して測定した結果


IMG_8801
2.4GHz帯でWi-Fi 6(11ax)に接続して測定した結果

参考に他の製品でもArcher AX6000へ接続して計測を行った。利用したのはまずはソニーモバイルコミュニケーションズ製スマホ「Xperia 1」(NTTドコモ版「Xperia 1 SO-03L」)であるため、利用できるのはWi-Fi 5(IEEE802.11ac準拠)までだ。

Xperia1_02
5.xGHz帯でWi-Fi 5(11ac)に接続して測定した結果


Xperia1_01
2.4GHz帯でWi-Fi 4(11n)に接続して測定した結果

続いてHP製ノートパソコン(v007TU)だ。こちらも利用できるのはWi-Fi 5(IEEE802.11ac準拠)までとなる。また合わせて有線LANで接続した結果も掲載しておく。

speedtest-TL_wireless50
5.xGHz帯でWi-Fi 5(11ac)に接続して測定した結果


speedtest-TL_wireless24
2.4GHz帯Wi-Fi 4(11n)に接続して測定した結果


speedtest-wire
有線LANで接続して測定した結果

これらの結果を見る限り、Wi-Fiアクセスポイントの性能がそれぞれの端末性能より上回っているため、Wi-Fiアクセスポイントがボトルネックになるということはなさそうである。またノートパソコンの有線LANでの結果から測定した環境の光回線の性能もWi-Fiにおける利用には十分だと考えられる。

特に2.4GHz帯がわかりやすく、Xperia 1のWi-Fi4(11n)とiPhone 11 Pro MaxのWi-Fi 6(11ax)の見比べると、Wi-Fi 4からWi-Fi 6に規格が上がることにより、Wi-Fi 4と比べてWi-Fi 6のスループットが約2倍ほど向上している。もちろん、接続端末が異なるので単純には比較できないが、Wi-Fi 6はWi-Fi 4やWi-Fi 5と比べて通信環境が良くなると言えそうだ。

特に筆者は普段からこの環境でWi-Fiアクセスポイントのさまざまな動作試験を行っているため、すぐ近くにWi-Fiアクセスポイントが13台見える状態の場所でこれらの測定を行ったが、Archer AX6000はスループット低下が起こらなかったのも電波干渉に強いというイメージを与えてくれた。

最後に今回は、MU-MIMO対応製品をiPhone 11 Pro Max以外に用意できなかったので試せなかったが、家族や会社などで複数台同時に通信をした際のスループット低下が起きにくくなるMU-MIMOを試せなかったのは悔やまれる。

とはいえ、今後はWi-Fi 6に対応したWi-Fiアクセスポイントの種類も増えてくるであろうし、iPhone 11シリーズを購入した人でWi-Fiアクセスポイントを買い換える時期であれば、間違いなくWi-Fi 6対応のWi-Fiアクセスポイントをオススメしたいところだ。





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記事執筆:廣瀬丈矩


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