iOS 12.4以降に実装された端末間データ移行機能を試してみた!

既報の通り、Apple(アップル)の新型スマートフォン(スマホ)「iPhone 11」シリーズが9月20日に発売され、すでに多くの人が購入されたのではないでしょうか。

スマホの買い替えといえば、面倒で若干の不安も付きまとうのがデータの移行作業です。iPhoneであれば、パソコン(PC)やiCloudへデータをバックアップし、新しい端末で復元作業を行う必要があり、時間も手間もかかるものでした。

しかし、そんな煩雑で面倒なデータ移行作業を非常に簡単に終わらせてくれる機能がiOS 12.4から実装されました。端末間で直接データを移動できるという機能で、PCやインターネットとの接続を必要としない点が大きな特徴です。

今回筆者はiPhone 11 Proを購入し、実際にこれまで使っていた「iPhone XS」からのデータ移行を行ってみましたので、データ移行をする際の注意点などとともに解説します。

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新端末へのデータ移行は誰もが緊張する瞬間だ


■事前に行っておく作業を確認しておこう
まずはデータ移行前の事前準備です。

絶対に行っておきたいことは、PCやiCloudへのバックアップ作業です。端末間でデータ移行は行なえますが、万が一のことを考えてバックアップ作業だけは行っておきましょう。

次に、データの引き継ぎに特定の作業を必要とするアプリの確認です。筆者の環境の場合、以下のようなアプリで事前の作業が必要でした。

【モバイルSuica】
Apple Payの電子マネーデータを移行するために、旧端末のWalletアプリから削除する(モバイルSuicaアプリは削除しないこと)

【LINE】
アカウントの引き継ぎ設定を行う

【スクウェア・エニックス ソフトウェアトークン】
登録の解除を公式サイト上で行っておく

これらの操作および作業を旧端末上で行わずにデータを移行してしまった場合、新端末でアプリが使えなくなったり、データが消えてしまったりする恐れがあります。

電子マネーデータやソフトウェアトークンなどは非常に深刻な問題を引き起こしかねないものですので、必ず確認するようにしましょう。

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LINEのデータ引き継ぎ作業は忘れがちなので十分に注意しよう


■データ移行は放置でOK!
事前のバックアップを終え、各種アプリのデータ引き継ぎ設定や作業が完了したら、いよいよデータ移行です。

筆者のiPhone XSのOSバージョンは12.4.1、iPhone 11 ProのOSバージョンは13でしたが、とくに問題はないようです。iOS 11から実装されている、端末同士を近づけてアクティベートする作業を終えると、そのままデータ移行画面へと遷移します。

この時のアクティベーションやデータ移行にはWi-Fiが使われるので、旧端末側で必ずWi-FiをONにしておいて下さい。

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端末間アクティベーションも非常に便利な機能だ


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WalletやApple Payの設定もデータ移行作業前に行われる


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そのままデータ移行作業へ。画面の指示に従うだけで良いのでとても簡単だ


筆者の場合、160GB程度のデータの移行作業だったことから、アクティベート作業も含めて約1時間10分程度かかりました。またデータの移行作業が完了した後に端末側でバリデーションチェック(データが正しく移行されたかどうかの確認作業)が20分程度あり、すべて合わせると1時間30分程度の時間がかかりました。

データ容量にもよりますが、移行作業には1時間~2時間程度かかるものとして、時間に余裕がある時に行うようにしましょう。また、万が一に備えて有線で電源に繋いでおきましょう。

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旧端末からのデータ転送は完了。しかしここからが長かった


上記のバリデーションチェックは、旧端末側に「転送が完了しました」と表示されてから5分程度、さらに新端末側が自動で再起動したあとに15分ほどあり、プログレスバーが途中で止まってしまうために端末がハングアップしたのではないかと不安になりますが、そのまま放置で何事もなかったかのように起動します。

プログレスバーが進まなくなっても、慌てずじっくりと待つようにして下さい。

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この状態のまま15分動かなかった。とても心臓に悪いので改善して欲しいところだ


バリデーションチェックも終了し、端末が無事に再起動すれば、あとは旧端末とほぼ同じ作業環境がそこに構築されています。

端末の設定内容はほとんどが引き継がれ、Wi-FiのAP設定すら必要ありません。旧端末で引き継ぎ設定や引き継ぎ作業が必要だったアプリだけ再設定作業を行い、無事にデータ移行完了です。

アプリによっては新端末側で再度データファイルのダウンロード作業などが必要になる場合があるため、データ移行後は固定回線からのWi-Fi接続など、大容量のデータ通信を行って良い環境を用意した上で、普段使っているアプリを一通り起動してデータダウンロードなどを行っておくと良いでしょう。

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クローン端末かと思うほどにすべての設定が引き継がれた


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ゲームアプリなどではデータの再ダウンロードで数GB使うこともあるので、Wi-Fi環境などで必ず確認しておこう


■すべての人にオススメしたい端末間データ移行
すべてのデータが正しく引き継がれたことを確認したら、SIMカードを旧端末から抜き出し新端末へ挿し直せば作業は完了です。

先にPCのなどへデータのバックアップを行っているなら、データの不整合や同期ミスを防ぐためにも旧端末はリセット操作を行い初期化しておくほうが良いでしょう。

もしバックアップが取れていなかったり、データ移行内容に不安がある場合は、電源を切った状態で数日間~1週間程度保管しておくのも良いかもしれません。

また旧端末を廃棄処分したり、中古買取専門店へ持ち込む場合にも、初期化などの作業は必ず行っておきましょう。

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SIMカードの挿し替えは電源を切った状態で行おう


iPhone同士でのデータ移行作業は想像以上に簡単でした。筆者はこれまで自宅のPCにバックアップを行い、そこから復元作業を行う形で新端末への移行を行ってきましたが、この手軽さなら端末間でのデータ移行を強くおすすめしたいところです。





記事執筆:秋吉 健


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