楽天モバイルやNEC、富士通などに日本がポスト5Gの技術開発で支援!

経済産業省は29日、日本政府が令和元年度補正予算にて設けた新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の基金を用いて「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」のうちの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」(プロジェクトコード:P20017)に関する採択事業者を決定したと発表しています。

同省ではこの開発事業について実施者の公募を行っていましたが、行採択審査委員会での審査を経て日本電気(NEC)や楽天モバイル、富士通、NTTエレクトロニクス、ソニーセミコンダクタソリューションズ、産業技術総合研究所、住友電気工業、アイオーコアの各社による12件が採択されました。

NHKでは関係者の話として支援の総額はおよそ700億円に上るとしており、5G(第5世代移動通信システム)やさらに強化した「ポスト5G」において先行する中国に対抗するために日本企業の技術開発を支援することになったと紹介しています。

No.開発テーマ実施予定先
1(a1)クラウド型コアの高度化技術の開発日本電気
2(a2)クラウド型ネットワーク統合管理・自動最適化技術の開発楽天モバイル
3(b1)光伝送システムの高速化技術の開発富士通
4(b2)光伝送用DSPの高速化技術の開発NTTエレクトロニクス
富士通
日本電気
5(b3)微細化の進展に対応した高速不揮発性メモリ技術の開発産業技術総合研究所
ソニーセミコンダクタソリューションズ
6(c1)仮想化基地局制御部の高性能化技術の開発富士通
7楽天モバイル
8(c2)基地局無線部の高性能化技術の開発富士通
9日本電気
10(c3)基地局装置間の相互接続性等の評価・検証技術の開発富士通
日本電気
11(c4)高周波デバイスの高出力・小型化技術の開発住友電気工業
12(c5)高温動作可能な光接続技術の開発アイオーコア

4Gと比べてより高度な5Gは現在、日本を含む各国で商用サービスが始まりつつありますが、さらに超低遅延や多数同時接続といった機能が強化されたポスト5Gが今後、工場や自動車といった多様な産業用途への活用が見込まれており、日本の競争力の核となり得る技術と期待されています。

一方、5Gやポスト5Gでは基地局や関連する特許などの技術開発でHuawei Technologies(以下、ファーウェイ)などの中国企業が先行しており、日本政府としては日本企業を支援することで日本の競争力を上げて中国などへ対抗することを狙いたいとのこと。

そこでNEDOでは日本企業においてポスト5G情報通信システムの中核となる技術を開発することによって日本のポスト5G情報通信システムの開発・製造基盤強化をめざすために支援事業を行います。公募には18件の応募があり、審査の結果、上記の12件が採択されたということです。

事業期間は2020年度~2023年度(原則、研究開発開始から3年(36カ月)以内)。なお、事業期間終了時点で実用化に向けた課題が残る場合であって、終了時継続評価の結果、必要性が認められた場合には追加的に継続研究開発(原則、3年以内)を実施する可能性があるとしています。



記事執筆:memn0ck


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「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の採択事業者を決定しました (METI/経済産業省)
NEDO:「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に係る実施体制の決定について
5G・ポスト5Gの技術開発へ 政府が国内企業を支援 | NHKニュース