GoogleがAndroid 11 Beta 2をリリース!正式版はQ3後半に

Googleは8日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の次期バージョン「Android 11」における一般向けベータ版第2弾「Android 11 Beta 2」を公開したとお知らせしています。すでに同社のスマートフォン(スマホ)「Pixel」シリーズにおける「Pixel 2」以降で利用可能です。

対象のPixel製品では一般向けベータ版「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )にアクセスし、対象製品をAndroid Beta Programに登録すれば、通常のソフトウェア更新と同様にネットワーク経由でアップデート(OTA)ができます。なお、Pixelシリーズ以外の他のメーカーの製品についても順次配信されるようになる見込み。

Android 11 Beta 2はPixel製品ではビルド番号が「RPB2.200611.009」となっており、Pixel製品以外でもAndroidエミュレーターでも試せます。またAndroidセキュリティーパッチレベルは「2020年7月5日」になり、Google Play servicesも「20.21.17」となっていいます。なお、APIレベルはAndroid 11 Beta 1と同様に正式版の「API 30」。

なお、Android 11 Beta 2では主に動作の安定性が増しており、Android 11における動作やAPIが最終的に確定したことを意味する「Platform Stability」に到達しています。そのため、同社ではアプリなどの開発者に向けて最終的にAndroid 11に対応したアップデートに着手でき、正式版のリリースに間に合うように公開できるようになったとしています。

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Android 11のリリースマイルストーン

Android 11は現在の最新バージョンの「Android 10」の次のメジャーアップデートとなる予定のバージョンで、これまでは開発者向けプレビュー版「Android 11 Developer Preview」が1〜4、そして6月に初の一般向けベータ版「Android 11 Beta 1」まで提供されてきました。

リリーススケジュールは新型コロナウイルス感染症の影響で当初よりもおよそ1ヶ月遅れとなっていますが、7月にPlatform Stability版となる「Beta 2」がリリースされたことで、この後は8月にRC(Release candidate)版となる「Beta 3」を経て、今年の第3四半期(7〜9月)の後半にも正式版が提供開始される予定となっています。

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Android 11 Beta 2の意味するPlatform Stabilityとはすべてのアプリ向けの見た目や挙動が最終的なものになったことを意味しており、最終的なSDKやNDK APIだけでなく、アプリに影響を与える可能性のある最終的なシステム動作やSDK以外のインターフェースの制限も含まれています。

そのため、Android 11 Beta 2からは「プラットフォームが変わることはない」という前提でAndroid 11に対応したアプリのアップデートをリリースすることができるようになります。主な変更点は以下の通り。詳細は公式ブログや https://developer.android.com/preview/non-sdk-11 をご確認ください。

・ワンタイムパーミッション
位置情報やマイク、カメラにアクセスするための単一使用のパーミッションを付与できるようになりました。

・外部ストレージへのアクセス
アプリは外部ストレージ内の他のアプリのファイルにアクセスできなくなりました。

・Scudoハード化されたアロケーター
アプリ内のネイティブコード用のヒープメモリーアロケーターになりました。

・ファイルディスクリプタサニタイザー
アプリ内のネイティブコードのファイルディスクリプタ処理の問題を検出するためにデフォルトで有効になりました。

・スコープされたストレージ
アプリがファイルを読み書きするための新しいストレージにおける制限や動作、APIに更新されました。

・バックグラウンドロケーション
アプリがバックグラウンドで位置情報を要求する方法とそれを許可する方法が変更されました。

・パッケージの可視性
アプリが他のインストールされているアプリにクエリを実行したり、他のインストールされているアプリと対話したりする方法が変更されました。

・圧縮されたリソースファイル
圧縮された「resources.arsc」ファイルが含まれている場合、またはファイルが4バイトの境界線上に配置されていない場合、アプリはインストールまたは更新できなくなりました。

・APK Signature Scheme v2
アプリはAPK Signature Scheme v2以上を使用して署名する必要があります。

・ヒープポインタのタグ付け
64bitプロセスの場合にネイティブのヒープ割り当てにはアプリが変更してはならないポインタのトップバイトにタグが設定されています。



記事執筆:memn0ck


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