SIMフリースマホ「Xiaomi Mi Note 10 Lite」をチェック!

既報通り、Xiaomi(以下、シャオミ)が日本市場向け第2弾製品として新たにSIMフリースマートフォン(スマホ)「Mi Note 10 Lite(型番:M2002F4LG)」(Xiaomi Communications製)を6月9日に発売しました。

価格(金額はすべて税込)はオープンながら市場想定価格では6GB内蔵メモリー(RAM)+64GB内蔵ストレージが39,800円、6GB RAM+128GB内蔵ストレージが44,800円となっています。

また販路もこれまでのAmazon.co.jpに加えて量販店やECサイト、仮想移動体通信事業者(MVNO)の各社に広がり、MVNOでは6GB RAM+64GB内蔵ストレージをIIJmioおよびgoo Simseller(OCN モバイル ONE)が取り扱っています。

なお、販路によってどちらかのモデルのみが販売されており、6GB RAM+64GB内蔵ストレージは上記のMVNOの他にAmazon.co.jpおよびひかりTVショッピング、6GB RAM+128GB内蔵ストレージはビックカメラグループやヨドバシカメラ、ヤマダ電機、エディオン、上新電機、ケーズデンキ、ノジマとなっています。

今回は発売から少し時間が経ちましたが、シャオミからMi Note 10 Liteの6GB RAM+64GB内蔵ストレージモデルのネビュラパープルをお借りしましたので、まずは外観や同梱品、基本機能などを中心にファーストインプレッションをお届けします。

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Mi Note 10 Liteのパッケージ。Redmi Note 9Sでは白を基調したシンプルな箱でしたが、Mi Note 10 LiteはMi Note 10やMi Note 10 Proと同様に黒く高級感のあるものに

Mi Note 10 Liteはシャオミが日本市場参入第1弾として発売した「Mi Note 10」や「Mi Note 10 Pro」と基本的な仕様はほぼ同じながらもカメラモジュールを変更するなどして低価格化した製品です。またカメラ機能以外には日本で利用されている2.5GHz帯(Band 41)に新たに対応しています。

ディスプレイはMi Note 10やMi Note 10 Proと同様で上部中央に水滴型ノッチ(切り欠き)のあるアスペクト比9:19.5の縦長な約6.47インチFHD+(1080×2340ドット)3D curved Super AMOLED/有機ELディスプレイ(約398ppi)を搭載しています。

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Mi Note 10 Liteを持ってみたところ。大きさや重さもMi Note 10と同じなので、Mi Note 10を購入して利用している筆者としては馴染みのある感じ


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箱を開けると、Mi Note 10 Lite本体が現れ、その下に付属品が収納されています


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Mi Note 10 Liteの同梱品一覧。最大30Wの急速充電器が付属。標準規格に対応した汎用の充電器ではUSB Type-C経由によるUSB PDの18W(9V・2A)にも対応

箱は黒を基調としたベーシックで高級感のあるもので、開けるとすぐにMi Note 10 Liteの本体が現れます。同梱物はMi Note 10 Lite本体のほか、最大30W(10V・3A)に対応した電源アダプター、シンプルな保護カバー、USB Type-C ケーブル、SIM 取り出しツール、ユーザーガイド、保証書となっています。

保護シートを剥がして、本体の電源を入れて初期設定を行っていきます。外観は前面と背面の左右両端が湾曲した流線型のラウンドデザインで、ディスプレイを覆う前面だけでなく、背面も強化ガラス「Corning Gorilla Glass」を採用しています。より価格の安い「Redmi Note 9S」はフラットディスプレイなので、平らな画面が良い人はRedmi Note 9Sの方が良いでしょう。

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透明な保護シートを剥がし、さらに背面には貼ってあるCEマークや製品製造番号(IMEI)などが記載されているシールも剥がします。なお、Mi Note 10やMi Note 10 Proでは本体にCEマークやIMEIなどが記載されていましたが、Mi Note 10 Liteではシールになりました


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Mi Note 10 Liteの背面。ネビュラパープルはなかなか綺麗な紫色

本体カラーはMi Note 10やMi Note 10 Proにもあるグレイシヤーホワイトに加え、Mi Note 10やMi Note 10 Proにはないネビュラパープルが新たにラインナップ。一方、Mi Note 10やMi Note 10 Proにあったオーロラグリーンやミッドナイトブラックはありません。

Mi Note 10やMi Note 10 Proとの主な違いはリアカメラで、Mi Note 10 Liteも多用途のクワッドカメラエクスペリエンスに対応していますが、Mi Note 10やMi Note 10 Proが搭載している1億800万画素CMOS「Samsung HMX」ではなく、メインカメラは約6400万画素CMOS「Sony IMX686」となっています。構成は以下の通り。

・1/1.73型の約6400万画素CMOS(1画素0.8μm)/広角カメラ(F1.89)
・1/1.4型の約800万画素CMOS(1画素1.12μm)/超広角カメラ(F2.2)
・1/1.5型の約500万画素CMOS(1画素1.12μm)/デプスカメラ(F2.4)
・1/1.5型の約200万画素CMOS(1画素1.75μm)/マクロカメラ(F2.4)

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リアカメラの出っ張りなどもMi Note 10などと同じですが、Mi Note 10には「108MP」や「5X OPTICAL」といった記載があったところには「AI QUAD CAMERA」や「64MP」に変更されています

光学ズームには非対応となりましたが、2倍のハイブリッドズームや10倍のデジタルズームに対応し、メインカメラは4つの画素を1つにまとめて1画素1.6μm相当で明るく撮影できる「4-in-1 Super pixel」によって通常は1600万画素相当の4624×3472ピクセルで撮影されます。

またカメラアプリではモードを「写真」から「64MP」にすれば6400万画素でも撮影可能で、「プロ」モードではRAW保存(DNG形式)にも対応し、Android Camera2 APIもサポートしているのでサードパーティー製アプリでもRAW保存ができます。オートフォーカス(AF)はレーザーAFや像面位相差(PD)AF、コントラストAFに対応。

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カメラアプリのファインダー画面。他のMi Note 10やRedmi Note 9Sと同様に「設定」から「地域」を日本以外(例えば「台湾」など)にすると、カメラアプリの設定に「カメラの音」が現れ、オフにすることでシャッター音を無音にすることが可能


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曇りの屋外における撮影サンプル(すべてオートで1200万画素相当の「写真」モード)。リンク先に縮小などもしていない元の写真(元画像)を掲載

画面は常時表示機能「アンビエント表示」に対応しており、最大600nitの明るさと400000:1の高いコントラストを実現し、色域はDCI-P3をサポート。TÜV Rheinland ローブルーライトモードやナイトモード、色温度調整にも対応し、生体認証として画面内指紋センサーを搭載しています。

またノッチ部分にはフロントカメラは1/3.06型の約1600万画素CMOS(1画素1.0μm)/広角レンズ(F2.48)を搭載。その他の仕様はQualcomm製ミッドハイレンジ向けチップセット(SoC)「Snapdragon 730G」や5260mAhバッテリー、USB Type-C端子、3.5mmイヤホンマイク端子、NFC Type A/Bなど。サイズは約157.8×74.2×9.67mm、質量は約204g。

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Mi Note 10 Liteの正面。OSはAndroid 10ベースのMIUI 11がプリインストールされています。なお、Mi Note 10やMi Note 10 ProもAndroid 10ベースのMIUI 11へのソフトウェア更新が提供開始されています


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Mi Note 10 Liteの左右側面。右に音量上下キーと電源キー、SIMカードスロットがあり、左には何もない


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Mi Note 10 Liteのカードスロットを出したところ。カードスロットはnanoSIMカード(4FF)が2つのデュアルSIMデュアルVoLTE(DSDV)に対応しており、microSDXCカードなどの外部ストレージには非対応

携帯電話ネットワークの対応周波数帯は4GのFDD-LTE方式でBand 1および2、3、4、5、7、8、18、19、20、26、28、TDD-LTE方式でBand 38および40、41(2535〜2655MHz)、3GのW-CDMA方式でBand 1および2、4、5、6、8、19、2GのGSM方式で850および900、1800、1900MHzとなっています。

その他の仕様ではIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠(2.4および5.xGHz)の無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth 5.0、赤外線リモコン、位置情報取得(A-GPS・GLONASS・Galileo・Beidou)、加速度センサー、ジャイロセンサー、電子コンパスなど。

なお、FMラジオは対応しているものの、87MHz以上の周波数しか対応していないので日本では受信できる放送局は限られており、東京都杉並区のマンションで試した限りでは91.6MHz(文化放送)などのワイドFMが受信できていました。

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Mi Note 10 Liteの上下側面。上にサブマイクと赤外線リモコン端子、下に通話用メインマイクおよびモノラルスピーカー、USB Type-C端子、3.5mmイヤホンマイク端子が配置


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Mi Note 10 Liteに付属している透明ケース。Redmi Note 9Sでは付属ケースを装着してもリアカメラの出っ張りがありましたが、Mi Note 10 Liteでは装着すればリアカメラの出っ張らなくなりました


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Mi Note 10 Lite(左)とMi Note 10(右)を並べたところ。サイズは同じですし、正面からは見極められそうにない


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Mi Note 10 Lite(左)とMi Note 10(右)を横に並べたところ。幅も同じではありますが、電源キーなどで傾いてしまったため、揃っていませんが

機能はカメラの違い以外では基本的にMi Note 10などと同じとなっているため、ホーム画面や設定などは以下の記事も合わせてご覧ください。そこで本記事ではこれまで紹介していない機能を中心にざっくりとスクリーンショットで紹介しておきます。

シャオミがついに日本市場参入!第1弾のSIMフリースマホ「Mi Note 10」をファーストインプレッション。外観やカメラ機能などを紹介【レビュー】 - S-MAX
2万円台とは思えない性能を備えた高コスパ!シャオミのSIMフリースマホ「Redmi Note 9S」の外観や基本機能などを紹介【レビュー】 - S-MAX

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「設定」→「デバイス情報」の「すべてを表示」。64GB内蔵ストレージのうちの48.42GBが空きで利用可能


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技適マークはRが「201-190821」、Tが「ADF 19 0195 201」。ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアがおおよそ27万台


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MIUIではデバイス情報のすべてを表示にてCPUを連続タップするとバグ報告、カーネルバージョンを連続タップすると動作検証が行えるCIT(画像=右)、内部ストレージを連続タップすると電話アプリで「*#*#4636#*#*」で利用できる電話情報(画像=左)が起動可能


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アプリをインストール後などに逐次「広告」が表示されるので、表示させたくない場合は右上にある歯車ボタンから「おすすめを受け取る」をオフにすればOK


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シャオミの発表会でもお気に入り機能として紹介されていた赤外線リモコン機能「Mi リモート」(画像=左)を使ってみたところ。また「FMラジオ」(画像=右)も搭載されていますが、周波数が日本向けとなっていないので聴ける放送局は少ないです。利用する場合は有線イヤホンを装着する必要があります

Mi Note 10 LiteはこれまでのMi Note 10やMi Note 10 Proからカメラセンサーなどのスペックを落として低価格化した製品で、Mi Note 10やMi Note 10 Proと比べて光学ズームなどが必要なければ、より安く手に入るということで良さそうではありますが、一方で同時により安いRedmi Note 9Sも販売されてしまったため、なかなか難しい選択肢となったように思われます。

しかも、Redmi Note 9SはMi Note 10シリーズが対応していないmicroSDXCカードスロットを含むトリプルスロット、フラットディスプレイにも対応しています。Mi Note 10 Liteの64GB内蔵ストレージモデルを選ぶならRedmi Note 9Sの128GB内蔵ストレージモデルを選んだ方がいいようにも思えます。

とはいえ、やはり外観はRedmi Note 9SよりもMi Note 10 Liteが高級感があり、サイズも若干ですが、Mi Note 10 Liteの方が小さいので、そういった点を評価する場合やMVNOとのセットで安く手に入る場合などはMi Note 10 Liteを選ぶというのもありなのかなといったところです。



記事執筆:memn0ck


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