届きにくい室内への5Gネットワークを補助する中継端末がDXアンテナから登場!

千葉県・幕張メッセにて2020年10月28日(火)から30日(金)の3日間に渡ってITおよび通信関連技術全般を扱う企業が一堂に会する国内最大級の複合展示会「第11回 Japan IT Week 秋」が開催されています。

関東地区で開催されるJapan IT Weekは通常、これまでは春(東京ビッグサイト)と秋(幕張メッセ)の年2回開催されてきましたが、今年は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響によって5月に開催予定だった春のJapan IT Weekが中止となり、関東地区での開催としては実に約1年ぶりとなりました。

久しぶりのイベント開催ということで筆者もさっそく取材へ行ってきましたので、数回に渡ってのレポートをお送りしようと思います。まずは主にテレビ用アンテナなどで有名なDXアンテナが5Gネットワークに対応した中継機「5Gミリ波リピーター」を展示していたので紹介しようと思います。

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DXアンテナ製の5Gミリ波リピーター(参考出展)

5Gミリ波リピーターはDXアンテナが現在開発中の据え置き型のネットワーク中継機器です。屋外にある5Gの基地局からでは住宅内や建物などの中には電波減衰が大きく十分には届きづらい5Gのミリ波の電波を中継・増幅し、屋内へ安定してネットワーク接続を可能にするための機器となります。

本機は過去にウィルコム(現:ワイモバイル)がPHSユーザー向けに貸し出し・販売を行っていた「PHS用ホームアンテナ」の5G版とも言えるもので、主に窓際などの電波受信環境の良いところへ設置して利用する点も同じです。

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「5Gミリ波リピーター」の天面


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「5Gミリ波リピーター」の底面


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「5Gミリ波リピーター」専用クレードル(穴は電源コードなどを通すためのものと思われる)

本機には正面側に電源スイッチと思われる大き目のボタンが1つだけ、後は天面に排熱用の排気口、底面側には電源コードなどを通すための穴が開いている程度で、今のところは電源や電波状態を通知するためのLEDなどといったものもありません。

また高さ181mm×横幅181mm×厚さ50mmとかなり大きめで、黒い金属製の筐体という外観も手伝ってかなり武骨な印象を受けます。なお、背面や側面には何もないので画像は割愛しています。

また今回、展示されていたものは開発中のモックとのことで、実際に製品となった際には外観デザインなどが変更になる可能性があるということですので、製品版ではもう少し違ったものになるかもしれません。

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ブース内に展示されていた説明パネル

説明員によると「通信キャリアさんの提供している5G提供エリアがリピーターの設置まで考えるところまでにもまだ広がっていないので(本機の製品としての投入などは)しばらく先の話だとは思いますが、通信キャリアさんなどにはアピールしていこうと思っています」ということでした。

とはいえ、こういった「届かない後一歩を補う」機器が出始めたのを見ると、日本でも5Gネットワークの普及が本格的に進んでいくのでしょう。5Gに限らず、こういった電波の中継・増幅器は不要であればそれに越したことはありません。

しかしながら、やはりどうしても必要な場所は出てくるものです(なので、今でもテレビ用電波ブースターなどが少ないながらも継続して販売されていますし)。電波の入りにくい場所や構造上、電波の入りの不安定な建築物など、必要とされるシーンの必ずある機器ですので、製品のリリースを期待したいところです。

筆者も必要になりそうな場所に住んでるので……何とか手に入らないものでしょうか……。

記事執筆:河童丸


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