公共や個人の安全とプライバシーについて考えてみた!

すでに1年半以上も昔になってしまいますが、このコラムの連載が始まって間もない頃、筆者はIoT技術と監視社会のあり方について考察したことがあります。その中で鉄道車両内における痴漢行為を例に挙げ、人々を防犯カメラによって撮影・録画することによる犯罪抑止効果と個人のプライバシー問題について述べました。

18日と19日に都内にて開催されたソフトバンクの法人向け商談イベント「SoftBank World 2019」では、まさに上記のような鉄道車両内での防犯対策に利用できる、MOYAI製の防犯カメラ機能付きLEDライト「IoTube」(アイ・オー・チューブ)が展示されました。本製品は5月31日より東急電鉄で試験導入が開始されており、今後も引き続き採用を進めていく方針とのことで、試験導入は概ね成功だったと見られます。

恐らく賛否両論真っ二つに割れるであろう鉄道車両内の防犯カメラ設置について、筆者は賛成派です。果たして人々は防犯の名のもとに監視されて良いのか、またプライバシーはどう守られるべきなのか、そして防犯カメラの情報は悪用されないのか。様々な不安や問題が付きまといます。

感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する「Arcaic Singularity」。今回は鉄道車両内の防犯カメラ設置の是非を中心に、今一度監視社会のあり方について考察します。

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