ゲーム機やPCのミニチュアモデルについて考えてみた! |
今月5日、筆者は都内の某ホテルにて立食パーティの片隅に陣取り、PC業界の著名人がずらりと並ぶ中でそこはかとない場違い感を覚えつつも、取材という名のタダ飯にありついておりました。
というのも、この日開催されていたのはNECの「PC-8001 40周年記者発表会」。1979年に発売された日本初の国産PC「PC-8001」の40周年を記念し、最新型PCのアニバーサリーモデル「LAVIE Pro Mobile PM750/NAA」の発表が行われたのですが、サプライズとしてPC-8001を手のひらサイズに小型化したミニチュアモデル「PasocomMini PC-8001」も発表され、製品発表会というよりは祝賀会に近いパーティだったからです。
PasocomMini PC-8001は超小型ながらも単体で動作し、当時のPC-8001同様にBASICによるプログラミングが可能な本格仕様。さらに、かつてPC-8001用として発売されたゲーム16本が収録されたmicroSDカードも同梱され、当時のゲームなどをすぐに遊べる仕様となっていました。
残念ながら市販の予定はなく、上記のアニバーサリーモデルPCの購入特典やキャンペーンの応募企画用に作られたものですが、恐らくPC-8001をリアルタイムで使っていたであろう世代の参加者たちは、そのミニチュアモデルとしての精巧さと実際に動作している映像に、興奮冷めやらぬといった様子でした。
ここ数年、こういったかつての電子機器の名機が実際に稼働するミニチュアモデルとして復刻するのがブームとなっています。その火付け役となったのが任天堂の「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」であったことは間違いありません。人々はかつての記憶を手のひらの上に蘇らせ、少年時代や青春時代の思い出として部屋に飾っているのです。
何故今、電子機器のミニチュアモデルによる復刻がブームとなっているのでしょうか。そこには、電子機器や工業製品が持つ儚くも厳しい宿命が存在するからだと筆者は考えます。感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する「Arcaic Singularity」。今回はゲーム機やPCのミニチュアモデルブームから、電子機器やその歴史を保存する意義と重要性について考えます。
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