国内メーカー“ツートップ”の一角である京セラ――米Verizon向けにスマホ「Hydro ELITE」を発売でさらなる躍進なるか!?


KyoceraがVerizon Wirelessからスマートフォンを発売へ!

京セラは28日、米携帯電話事業者最大手のVerizon Wireless(以下、ベライズン)向けに防水対応の新しいスマートフォン「Hydro ELITE」を発売すると発表した。

すでに米国市場では、ソフトバンクが買収したSprint Communications(以下、スプリント)などからスマートフォンを販売しており、米調査会社Gartnerによると2013年上半期(1~月)における米国市場の携帯電話出荷台数シェアでSamsungやApple、LGに次いで4位に入るなど検討している。

これにベライズンへの供給も加われば、さらにシェアを伸ばす可能性がある。京セラの携帯電話出荷台数は、2014年3月期に前年度比9%増の1200万台を想定しているとのこと。

好調な北米市場を中心に新規事業者への拡販や機種数の拡大を進めるとしており、さらなる出荷台数増加が見込まれる今後の京セラの躍進について考察してみよう。


京セラは、2000年にQualcomm(クアルコム)のCDMA携帯電話事業を買収し、携帯電話事業に参入した。そのため、KDDIの大株主であることも加わり、これまで、国内ではCDMA方式を採用しているau向けに携帯電話を供給してきた。同じく株主であったこともあり、ウィルコム(当時DDIポケット)向けにPHSも提供してきたが、長らく主にauとウィルコムの2社向けのみだった。

北米市場は、京セラが買収したQualcommのお膝元で、元々CDMA方式を採用していた携帯電話事業者が多かった。そのため、2000年台後半には、MotorolaやSamsung、LGに続き、京セラと三洋電機という国内メーカーがシェアで続いていた。

その後、2008年に三洋電機が携帯電話事業を撤退するに伴い、その三洋電機の携帯電話事業者を京セラが買収することになる。この買収が現在の京セラが北米市場などで好調なもうひとつの起源となっているのは間違いないだろう。

三洋電機の携帯電話事業を買収したことで、それまでのCDMA方式に加え、現在最も主流となっているW-CDMA方式に対応した機種の開発資源、さらに三洋電機の海外市場における販売網を手にい入れたのである。

このように元々北米では強い背景が京セラにはあるのだが、現在の好調は、さらに、海外市場にはない低価格モデルに防水・防塵機能などの国内市場では当たり前になりつつある機能を盛り込んでいることにもあるのだと思われる。

Appleなどの最大手がまだ盛り込んでいない機能である防水・防塵機能などを低価格モデルで対応することで、うまく差別化を図っているのだ。また、国内メーカーはどうしてもハイエンドモデルを海外市場にも持っていく傾向にあるが、低価格モデルであることもうまくいっている点だろう。

なぜなら、北米市場では、低価格モデルで強い中国メーカーのHuaweiやZTEが米国において米下院諜報委員会が発表した調査報告で両社の製品に安全保障を脅かす可能性があると指摘され、携帯通信事業者に対し、両社との取引を取りやめるよう勧告していたという背景があるからだ。

結果としては、その後米政府が独自に行った調査では、安全保障を脅かす懸念を裏付ける具体的な証拠は見つからなかったのだが、Huaweiは米国市場に関心がないといったメッセージも出しており、積極的にシェアを取ろうというような姿勢ではなく、ここに京セラがうまく割って入った形となっている。

このように北米市場でシェアを拡大していることで、国内メーカーではソニーに続くメーカーとしての地位を築いており、これまでのスプリントやリープ・ワイヤレス、USセルラーに加え、新たに加入者数が約1億人を超える米国第1位の携帯電話事業者ベライズンにも供給することで、京セラの携帯電話出荷台数はさらに伸びると見られる。

メーカー 2012年度
出荷台数
(万台)
2013年度
出荷台数目標
(万台)
SONY 3300 4200
Kyocera 1100 1200
SHARP 611 680
NEC 240 300※1
Fujitsu 650 500※2
Panasonic 282 260

※1 2012年度決算説明会時で、NECがスマートフォン事業から撤退する前の数値
※2 他社が目標であるのに対し、最低目標として掲げられている

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今回発売されるHydro ELITEもそうだが、音と振動でクリアに音声を伝える京セラ独自機能「スマートソニックレシーバー」や防水機能の搭載し、初めてスマートフォンを持つ人にも使いやすいシンプルなユーザーインターフェース(UI)、さらに、端末の狭額縁コンパクト設計など、顧客ニーズに合った独自でユニークな製品をラインナップしている。

これらの国内市場で培った技術をベースに、海外市場でも今後、多キャリア展開の推進や市場ニーズに応える商品開発・端末供給を行うことで、さらなる事業拡大をめざしていくとしており、今回、Hydro ELITEを発売するベライズンは、英ボーダフォンも大株主であるため、ベライズンを通じてアジアや欧州、アフリカなどの他地域への展開も期待したいところである。

記事執筆:S-MAX編集部

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