通信の視点から自宅での過ごし方を考えてみた!

日本マイクロソフトは8日、100タイトル以上の人気ゲームが定額料金で遊び放題となる「Xbox Game Pass」を発表しました。Xbox向けの「Xbox Game Pass for Console」は月額850円(以下、すべて税込)、パソコン(PC)向けの「Xbox Game Pass for PC (Beta)」は月額425円、Xbox向けとPC向けの両方が遊べ、Xboxのオンラインサービス「Xbox Live Gold」が統合されたフルプラン「Xbox Game Pass Ultimate」は月額1,100円となります。

ゲームアプリ(ゲームソフト)を購入するのではなくレンタル方式であるため、1つのゲームを長くやり込むよりも、いろいろなゲームを楽しみたいというライトユースにピッタリです。世界が新型コロナウイルスの蔓延で危機的状況にある中、自宅待機や外出自粛を余儀なくされている人々に朗報とも言えるサービスでしょう。

一方で通信業界を見れば、主に25歳以下を対象とした追加データ容量無償化を各社が一斉に発表しており、自宅での勉強で通信環境が確保できなくなる不安を取り除く施策が講じられています。もちろん、本来は学習のための施策ですが、ゲームのダウンロードなどでも便利に使えます。

外出自粛が叫ばれる非常事態に私たちがストレスのない生活を維持するにはどうすれば良いのでしょうか。通信の視点から何かできることはないでしょうか。感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する連載コラム「Arcaic Singularity」。今回は「通信の世界から見た自宅での過ごし方」を考えます。

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自宅で楽しめることを探してみよう


■まずは各社の施策をチェック!
まずは通信各社の対応についておさらいしてみます。

移動体通信事業者(MNO)では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社がそれぞれ、新型コロナウイルス感染症の影響拡大に対する支援策として、25歳以下を対象とした追加データ容量の一定量無償化策を打ち出しています。

各社の対応の詳細については以下のリンク先をご参照ください。

■NTTドコモ
「新型コロナウイルス感染症の流行に伴うU25向け支援措置」の実施

■KDDI
新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う支援について

■ソフトバンク
(更新)25歳以下の“ソフトバンク”と“ワイモバイル”の利用者へ50GBの追加データを無償提供

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自宅に固定回線がない若い世代には朗報だ


楽天モバイルはMNOプランが自社回線エリアで容量無制限となる「Rakuten UN-LIMIT」のみであるため、追加容量無償化といった措置はありませんが、Rakuten UN-LIMITのパートナーエリア(KDDI回線からのローミングエリア)の容量を2GBから5GBへ、速度制限時の最大速度を128kbpsから1Mbpsへと増強する施策を発表しています。(プラン自体の増強なので、期間などは設けていない)。

■楽天モバイル
「Rakuten UN-LIMIT」2.0にバージョンアップのお知らせ

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自社エリアがまだまだ狭い今、パートナーエリアの増強は非常に嬉しい


仮想移動体通信事業者(MVNO)では、mineo、UQ mobile、IIJmio、OCN モバイルONE、BIGLOBEモバイル、nuroモバイル、LINEモバイル、NifMo、y.u mobileなどが、それぞれ25歳以下を対象としたデータ容量支援策を打ち出しています。

詳細は以下のリンク先をご参照ください。

■mineo
mineo、新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う25歳以下のお客さまへの支援措置について

■UQ mobile
新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う支援措置について

■IIJmio
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う25歳以下のお客様への支援措置について

■OCN モバイルONE
【U25向け】OCN モバイル ONEデータ容量10GB無償提供について

■BIGLOBEモバイル
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、学生のお客さまのオンライン学習支援について

■nuroモバイル
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う学生支援措置について

■LINEモバイル
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、学生のお客様のオンライン学習支援について

■NifMo
新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う学生支援措置について

■y.u mobile
25歳以下のお客さまへ「y.u mobile」の25GBまでの追加データチャージ料金を無償化【休校中のご自宅でのオンライン学習支援】

これらは4月10日17時時点での施策になるため、今後施策内容が変更されたり、他MVNOからも同様の施策が発表される可能性があります。

対象となるユーザーや、25歳以下で携帯電話契約を行っている人は、自分が契約している通信会社で新型コロナウイルスに関連した特別措置が行われていないか、再度確認しておくことをお勧めします。

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通信キャリアによって補償内容は細かく違う。必ず詳細を確認しよう


■意外と知らない? コンテンツのデータ容量
さて、それではようやく本題です。これらの補償施策は当然ながら自宅でのリモートワークや自宅学習に対する支援、という名目ですが、外出もままならない中で仕事や勉強ばかりでは息が詰まってしまう!という人も多いかと思います。

早い話が「通信はゲームや映画鑑賞でも……利用できますよね」と各社ともに言いたいわけです(表立っては言えない)。ピンチこそチャンス、などという言葉がありますが、こんな時こそ各社は自社の回線を使ってもらい、サービスの良さをアピールしたいのです。

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通信のエンターテインメント利用を推進したい通信各社の本音がどこにあるのかは明白だ


とは言え、通信容量が増えたからと無節操に使ってしまっては、10GBや30GBといった容量はあっという間に使い切ってしまいます。

例えば映画視聴の場合、画質にもよりますが500MB~5GB程度の容量を必要とします。4K映画はまだそれほどメジャーになっていませんが、2時間で15GB程度の容量になります。つまり、自宅待機の暇つぶしとしての映画鑑賞は、通信容量的にはあまりお勧めできないのです。

事実、新型コロナウイルスの世界的な蔓延に伴って、世界中のインターネットアクセスが増加し、AmazonやYouTube、Netflixなどでは、欧州を中心に動画配信の品質を標準品質程度に抑え、通信容量を確保する施策を取っています。

同様の通信トラフィックの増加や逼迫は、緊急事態宣言が出された日本でも今後起こり得ると考えるべきでしょう。

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通信は使ってもらいたいがトラフィックが逼迫しては困るというジレンマ


そこでお勧めしたいのが読書やゲームです。電子書籍は小説であれば数MB~十数MB程度、漫画でも1巻あたり100MB程度とそれほど大きくありません。

ゲームはスマートフォン(スマホ)向けならアプリ容量は1GB以下が多く、一度ダウンロードすればあとはほとんど通信容量を必要としません。オンライン対戦が必要なゲームでも、1回に通信する容量は数百KB~数MB程度、MMORPGやFPSのように常時接続が必要なゲームですら、1時間遊んで数十MB程度です。

2時間で数GBを常に消費する映画に比べ、ゲームは一度ダウンロードしてしまえば何十時間もオフラインで遊べるものも多くあるため、1ヶ月単位で考えた場合の通信容量は非常に小さく抑えられます。

ただしコンシューマゲームの場合、数十GBもの容量を必要とする場合があるため、モバイル回線でのダウンロードなどはお勧めしません。たとえ容量的に問題がなくとも、短期間に大容量のダウンロードを行った場合、通信制限などが行われる場合があります。10GBを超えるようなゲームのダウンロードは、固定回線(光回線や、そこからのWi-Fi接続)などで行うようにしましょう。

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10日に発売された「ファイナルファンタジーVII リメイク」の容量は80GB以上。モバイル回線でダウンロードする人はいないと思うが、ゲームのダウンロード容量には十分注意しよう


意外と容量を使うのはTwitterなどでの動画再生です。最近では動画広告に加えて個人での動画ツイートも増えていますが、こういった動画を常時再生する設定にしていると、驚くほど容量を使ってしまう場合があります。

普段であれば会社や学校に行っている時間が長いためにあまり利用しないTwitterなども、暇になるほどに眺める時間が長くなりがちです。新型コロナウイルス関連の情報や噂話が常に流れてくるため、ついつい何時間も見てしまいますが、まずはTwitterの設定画面から、モバイル回線で動画が自動再生されない設定になっているか再度確認してみましょう。

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iOS向けのTwitter公式アプリであれば、「設定とプライバシー」から「データ利用の設定」を選択。高画質動画はWi-Fi接続時のみに設定しておくのも良いだろう


ちなみにリモートワークや遠隔授業で利用するビデオチャットは、アプリや画質設定にもよりますが大体1時間で300~500MB程度、LINEのビデオ通話の場合、画質設定によっては1GB程度使うこともあるようです。

LINEモバイルのデータフリーオプションのように、TwitterやLINEの利用時にデータ通信容量をカウントしない「カウントフリー」を採用している場合もあります。一方でソフトバンクの「データプランメリハリ」のように、LINEでの音声通話やビデオ通話がカウントフリーの対象外となっているものもあります。

自分が使っている通信キャリアやプランをよく見直し、何がカウントフリーとなるのか、もしくはカウントフリーの対象外となるのか、正しく把握しておくことも大切です。この際、自分の使い方に合わせてプラン変更したり、MNPするのも良いかも知れません。

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カウントフリーだと思ったらデータ容量を使い切っていた!などということのないように、プラン内容は確実に確認しよう


■ピンチはチャンス!料金プランや利用サービスを見直そう
新型コロナウイルスの世界的蔓延は、たとえ短期的とは言え私達の生活そのものを一変させました。もしかしたら、このような非常事態がこの先半年、1年と続く可能性すらあります。

仕事や収入が減り、自宅で過ごす時間が長くなる中、少しでも出費を抑えつつもストレスなく過ごすためには、通信料金の見直しや再確認は必須だと言っても過言ではありません。事態が長期化するほどに、冒頭でお伝えした「Xbox Game Pass」のような、低料金で楽しめるサブスクリプションサービスを有効に利用するといったことも、精神衛生上重要になってくるでしょう。

自宅待機などで時間が余っている今だからこそ、通信料金や通信環境を見直し、利用しているサービスも見直すチャンスです。とくに25歳以下の人は、上記のように通信各社が行っている優遇措置を比較検討する価値は絶対にあります。

ピンチこそチャンスと考え、前向きに状況を乗り切っていきましょう。

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通信プランを見直したら、さあ楽しもう!


記事執筆:秋吉 健


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