有機ELディスプレイは画面上部ステータスバー部分が焼き付きが発生しやすい

サムスン電子のフラッグシップスマートフォン「GALAXY Sシリーズ」では、その多くでディスプレイに有機ELが使用されています。有機ELは長期間使用すると、画面上部ステータスバーのような部分が画面に焼き付いてしまうデメリットが知られています。

NTTドコモとauの「2014年夏モデル」として発売されたGALAXY Sシリーズの最新モデル「GALAXY S5」も有機ELを採用していますが、画面表示の工夫により焼きつきを緩和しようとしている様子が見られます。本記事ではそんな細かすぎる焼き付き対策の数々を見ていきましょう(なお本記事で使用しているGALAXY S5はau版の「GALAXY S5 SCL23」です)。

【有機ELのメリットとデメリット】

GALAXY S5のディスプレイに採用されている有機ELは、一般的に広く使用される液晶と比較して以下のようなメリットが知られています。

・バックライトを必要としないため端末を薄くできる
・視野角が広い
・黒の発色が良い
・動きのある画面において反応速度が早い(=残像が出にくい)

一方で有機ELは画素それぞれが発光時間により劣化していくため、長期間使用すると発光頻度が多い部分と少ない部分で劣化の度合いに差が発生し、それが画面上に焼き付きとして現れるデメリットがあります。Androidスマートフォンにおいては、画面上部の黒いステータスバー部分が他の画面部分と発光頻度の差が大きいため焼き付きが発生しやすい傾向があります。

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GALAXY S IIのディスプレイ上部に若干の焼き付きが発生した事例

【GALAXY S5の有機EL焼き付き対策】

ステータスバー部分の焼き付きを防ぐためには、画面内の他の部分に発光頻度を近づければいいことになります。これを踏まえてGALAXY S5を使ってみると、ステータスバー部分の発光頻度を極力増やす工夫が幾つか見られます。

まずホーム画面ではステータスバー部分にも背景画像が適用されます。またサムスンがプリセットしたアプリの多くでは、起動するとステータスバーが消えて全画面表示されるようになっています。

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ホーム画面ではステータスバー部分にも背景が適用される(写真=左)、プリセットされた「マイファイル」アプリではステータスバー自体が非表示になる(写真=右)

またAndroid標準の画面上部バー(ActionBar)を使用しているアプリでは、ステータスバー背景に緑色の薄い背景が設定されるようになっています。

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ActionBar表示時、ステータスバーに緑色の背景が設定される例

ここまでの条件に当てはまらないアプリの実行時はステータスバーの背景が黒色になるのですが、GALAXY S5の場合背景が(有機ELが完全に発光しない)真っ黒ではなく(若干発光する)濃い灰色になります。

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GALAXY S5とNexus 5のステータスバー比較。Nexus 5は完全な黒色だがGALAXY S5は若干白が入った濃い灰色になる。

これらの工夫により実際に焼き付きが緩和されるかはこれから長期間使い込んでみなければわかりませんが、開発元が焼き付き問題を認識して少しでも緩和しようとしているのは間違いなさそうです。


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