【ロック画面もホーム画面も設定画面も、全てがWeb画面】

Firefox OSは簡単に言えば「Firefox Webブラウザだけが起動するOS」です。Firefox OSでは、画面に表示される全てがWebページといえます。ロック画面もホーム画面も、電話やメールの画面も、今この記事を読んでいるWebページと基本的には同じ技術で作られています（*1）。

この画面もあの画面も、Firefox OSでは全てがWebページ

【ちょっとした作業でWebサイトをアプリ化できる】

Firefox OSにおいて、Webサイトを表示するだけのアプリ作成はとても簡単です。すでにWebサイトが出来上がっているならば、アプリの設定ファイルとインストール用Webページを用意するだけでアプリ化できます。

例として筆者のブログ（http://blog.bari-ikutsu.com）をアプリ化してみました。インストールWebページにアクセスしてインストールを実行するとホーム画面にアプリアイコンが登録され、アイコンをタップすると全画面でブログの内容が表示されます。

インストールするとアプリのようなアイコンでWebサイト（ブログ）が表示される

ブログの内容をアプリとして表示する（写真＝左）。設定により画面下にナビゲーションを表示できる（写真＝右）

なおWebページのアプリ化に必要な設定ファイルやインストールWebページの例をGitHubで公開しています。

【HTMLファイルをパッケージしたアプリも作成可能】

Firefox OSでは「Webサイトを表示するだけのアプリ」だけではなく、Webページに使われるHTMLファイルなどをひとまとめにパッケージして、アプリとして配布することができます。Webページであることに代わりありませんが、全てのファイルをパッケージして配布することでオフラインでの動作が可能となり（*3）、iOSやAndroidにより近いアプリを作りこむことが可能となります。

今回は一例として、企業のPRアプリを想定したサンプルを作ってみました。Webページをアプリのように見せる技術（*4）を用いて、メニューリストやメニューバーの戻るボタンなど、よりアプリらしく見えるように仕立てています。

HTMLファイルをパッケージしてアプリにすることもできる

このアプリのソースコード、およびインストールWebページのコードもGitHubで公開しています。

【良くも悪くも全てがWebなFirefox OS】

今回はFirefox OSのアプリについて紹介しました。Firefox OSでは全てのアプリはWebの技術で作成するため、Webサイト構築スキルがあれば、理論上はFirefox OSのアプリも作れることになります。一方でWeb技術には制限もあり、iOSやAndroidのネイティブアプリのような使い勝手を提供するには独特のノウハウが必要なこともまた事実です。

「Web技術でアプリ」という方向性は、開発の敷居が低い利点と、Web技術の制限による欠点の表裏一体と言えます。アプリ開発者が利点のほうをどれだけ活かせるかが、今後のFirefox OSアプリ充実の鍵となってくるでしょう。