日本市場への投入も期待される「Smartisan M1・M1L」 |
中国・北京に本社を置く新興企業「スマーティザン テクノロジー(英語名:Smartisan Technology、中国語名:锤子科技)」は18日、同社のスマートフォン(スマホ)の新製品「M1」および「M1L」を発表しました。
両機種ともに日本でのみ運用されている携帯電話の周波数帯への対応からはスマーティザンがまだ日本市場を諦めていないという意志を感じることができ、最近広報が止まっていて本当に参入するのか不安に感じていた筆者の不安を晴らしてくれました。
気になる本体価格はSmartisan M1が2499人民元(約38,500円)、Smartisan M1Lは「4GB RAM・32GB内蔵ストレージ」モデルが2,799人民元(約43,000円)、「6GB RAM・64GB内蔵ストレージ」モデルが2,999人民元(約46,000円)となっています。
なお、背面にステンレス金属を採用した「白 · 镜面不锈钢」モデルは「M1L」の「6GB RAM・64GB内蔵ストレージ」のみとなっており、3,299人民元(約50,000円)となっています。
本体のカラーは「白·哑光铝合金」「咖啡金·皮革」「白·镜面不锈钢」の3色となっており、新色である「咖啡金·皮革」は渋めの茶色の表面に合皮を使用した背面で高級感が溢れる仕様となっています。
その他のカラーにおいても背面の素材がそれぞれ異なっています。スマーティザンは製品の質に関して非常にこだわりを持っている企業で、今までも左右対称をコンセプトにさまざまな製品を積極的に発表しています。
M1やM1Lはスマーティザンの製品としては初となる指紋センサーを前面に搭載しています。また、充電端子としてはUSB Type-Cを採用しており、Qualcommの急速充電技術である「QuickCharge 3.0」にも対応しています。
両機種ともにこれもスマーティザン製品では初となるデュアルSIMスロットを採用しており、DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)にも対応しています。SIMカードのサイズは2枚ともにnanoSIMカードとなっています。
スマーティザンは製品のみならず付属品や箱についても非常にデザイン性に優れており、今回のM1およびM1Lにおいても非常にシンプルな仕様となっているようです。
CPUはクアッドコアプロセッサーを内蔵した「Snapdragon 821」を採用しています。内蔵メモリー(RAM)は4GBを搭載しており、M1Lの高配版のみ6GB搭載しています。また、NFCにも対応しており、電子決済などに使用することが可能です。なお、日本で対応するかについては現時点では未定です。
画面はM1がジャパンディスプレイ(JDI)製5.15インチフルHD(1080×1920ドット)液晶を採用しているのに対してM1Lは5.7インチのシャープ製WQHD(1440×2560ドット)液晶を採用しています。両機種ともにNTSC比95%の優れた色再現性を有しており、コントラスト比はそれぞれ1500:1となります。画素密度はM1は428ppi、M1Lは515ppiとなっています。
先述したとおり、M1やM1Lは急速充電に対応しており、5分間の充電で3時間半以上の通話が可能であるとしています。バッテリー容量はM1が3050mAhなのに対しM1Lは4080mAhとなっており、比較的多めとなっています。
背面カメラは2300万画素のソニー製「IMX318」を採用し、0.03秒でのフォーカスを可能としています。また、4軸の光学手ブレ補正のほか、3軸の電子手ブレ補正にも対応します。なお、インカメラにはOmniVision製「OV4688」を搭載しており、美肌撮影モードなどを備えています。
M1、M1LはともにデュアルSIMスロットを備えており、2つのSIMカードで同時に待機する「デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)」にも対応しています。また、日本で使用できるかはわかりませんが、LTE回線を使用して高音質な通話が楽しめる「VoLTE」や複数の帯域を束ねて高速化する「キャリアアグリゲーション(CA)」にも対応しています。
本体下部に搭載している指紋センサーを使用することで、端末のロックを解除することは勿論、支付宝(アリペイ)や微信支付(ウェイボー決済)などを使用した支払いにも使用が可能です。
両機種とも、LTEは「Band 1、2、3、4、7、9、12、17、18、19、20、26、28、38、39、40、41」、WCDMAは「Band 1、2、4、5、6、8、9、19」に対応しています。世界的に見ても日本でしか運用されていないLTE Band 18や19に対応しており、両機種の日本投入が推察できる根拠にもなっています。
スマーティザンは昨年に日本市場への参入を発表していながらも、今日に至るまで製品を日本で発表できていません。
日本市場は世界的に見て「ガラパゴス」であり、資本力にも乏しい新興企業にとっては高い敷居となっています。
そんな中でもスマーティザンは設立4年目でありながらも日本市場に参入するという決断は極めて大きなものであったと思います。
筆者は先代のフラグシップモデル「Smartisan T2」を所有していましたが、本体の出来は極めて良好でスペックだけが足かせだと感じていました。
今回発表されたM1およびM1Lは世界的に見ても採用例がまだ少ないSnapdragon 821を採用しており、上位モデルには6GBのメモリを搭載するなど性能にも妥協がありません。
良いデザインであり、ハイスペックであり、コスパも良好なM1とM1L。日本市場で発売されるとなれば日本での価格にもよりますが受け入れられる製品だと感じます。日本での知名度はまだまだなスマーティザンですが、参入はいつになるのでしょうか。今から日本投入が非常に待ち遠しいです。
記事執筆:雪華
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