ミャンマーの携帯電話事業者「Ooredoo Myanmar」の4G LTEを試す!直営店と隣接する建物で4G Plusを大々的に宣伝

ミャンマー連邦共和国(以下、ミャンマー)では以前に紹介したように長らく携帯電話サービスを独占していた国営の「ミャンマー国営郵便・電気通信事業体(Myanma Posts and Telecommunications)」(以下、MPT)に続いてカタールのOoredooの子会社である「Ooredoo Myanmar」もサービスを提供している。

そんなOoredoo Myanmarが2016年5月中旬に「4G Plus」としてLTEサービスを開始し、ミャンマーで最初にLTEサービスを商用化した携帯電話事業者となった。今回はミャンマー最大都市・ヤンゴンでOoredoo MyanmarのLTEサービスを試してきたのでその模様を紹介する。

【プリペイドで簡単にLTEサービスを利用可能】

Ooredoo MyanmarのLTEサービスはプリペイドプランで手軽に使える。LTEサービスの利用には新たなSIMカードが必要となる携帯電話事業者も海外では少なくないが、Ooredoo MyanmarのSIMカード自体は2014年8月の携帯電話サービス開始当初よりLTEサービスに対応済みだ。そのため、端末やエリアに問題がなければすべてのSIMカードでLTEサービスを利用できる。

SIMカード代は1,500ミャンマーチャット(約124円)で、SIMカードを購入後にトップアップすると従量制でデータ通信を使える。ただし、インターネットパックが用意されており、データ通信をよく利用する場合はインターネットパックの購入を推奨する。インターネットパックはUSSDコード、SMSまたは後述のスマートフォン(スマホ)など向け専用アプリで購入可能だ。

【空港での購入が便利】

ヤンゴン国際空港(RGN)にはOoredoo Myanmarの専用ブースがあり、SIMカードを購入できる。ヤンゴン国際空港には国際線ターミナル、国内線ターミナル、そして新ターミナルとなるターミナル1が存在するが、筆者が訪れた2016年6月末時点では国際線ターミナルのみにOoredoo Myanmarの専用ブースが設置されていた。

Ooredoo Myanmarの専用ブースではインターネットパックのプランを案内しており、SIMカードとインターネットパックの合計金額も分かりやすく記載されていた。

また、外国人への対応も慣れていたので安心して購入できるように思えた。インターネットパックは有効期間が1ヶ月間でデータ通信容量が550MB、1.35GB、2.5GB、5.5GBの4種類を案内していたが、ボーナスとして所定のデータ通信容量と同じデータ通信容量が自動的に付与されるため、所定の2倍のデータ通信を使えた。

ボーナス付与の実施期間は公表しておらず、予告なしに終わる可能性もあるため注意したい。なお、1GB=1024MBで計算される。

Ooredoo Myanmarの専用ブースではプランを指定して合計金額を支払うだけでスタッフが開通からトップアップやインターネットパックの加入まで一括で処理してくれる。到着後すぐに使える上に各種手間を省けるため、ヤンゴン国際空港からミャンマーに入る場合はOoredoo Myanmarの専用ブースでSIMカードを入手すると便利である。

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ヤンゴン国際空港にあるOoredoo Myanmarの専用ブース


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Ooredoo Myanmarの専用ブースで案内するプラン


【周波数や提供エリアを確認】

Ooredoo MyanmarのLTEサービスは周波数がFDD-LTE方式の2.1GHz帯(Band 1)、帯域幅が5MHz幅×2、通信速度は下り最大37.5Mbpsおよび上り最大12.5Mbpsである。

Ooredoo MyanmarはUSSDコードでLTEサービスの利用可否を判定するサービスを提供しており、ダイヤル画面から「*414#」に発信するとSMSで判定結果が返ってくるが、このプロセスは必須ではないため飛ばしても良い。

LTEサービスのエリア内でも開通後すぐはLTEネットワークに接続できず、開通から30分ほど経過すると自動でLTEネットワークに接続された。筆者はスマホとして「OPPO N3 (N5206)」や「Samsung Galaxy Note5 (SM-N9200)」などでOoredoo MyanmarのLTEサービスを利用してきた。

またLTEサービスの開始当初、エリアはヤンゴン、首都のネピドーとその近郊、マンダレーに限られていたが、その後、バガンとその近郊にも拡大した。2016年6月下旬にヤンゴンで試したところ、屋外ではおおむねLTEサービスを利用可能で、快適かつ実用的に使えたが、大型商業施設など入り組んだ屋内に入ると3Gとなることも少なくなかった。

Ooredoo Myanmarでは、3GもW-CDMA方式の2.1GHz帯(Band I)と900MHz帯(Band VIII)でサービスを提供しており、2Gは導入していない。LTEサービスの開始から間もないため、屋内を中心にエリアの拡大は今後に期待したい。

なお、ミャンマーではOoredoo Myanmarに続いて、Telenor Myanmarが2016年7月上旬に、MPTが2016年10月にLTEサービスを開始したが、LTEサービスのエリアではOoredoo Myanmarが優位な状況にある。

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Ooredoo MyanmarのLTEネットワークに接続できた


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Ooredoo MyanmarのLTEネットワークで通信速度を測定


【APNや注意点など】

利用する際のアクセスポイント(APN)設定は適当な文字列でもデータ通信を利用できたが、案内通りに「internet」と設定しておくのが無難だろう。またテザリング機能も利用できた。

購入時についてもミャンマーの政府機関である運輸・通信省は2017年3月末よりSIMカードの利用者情報の登録を義務化する方針で、それまでシステム上は身分証明書を提示せずにSIMカードの購入や利用はできる。しかしながらが、実際には購入時に身分証明書の提示を求められることが多い。その場合は、パスポートを提示すれば問題ない。

またSIMカードはMini SIM (2FF)サイズとMicro SIM (3FF)サイズのデュアルカット、Nano SIM (4FF)サイズ単独の2種類を用意していた。そのため、自分が利用するスマホなどにあったSIMカードを購入すれば良い。

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Ooredoo MyanmarのSIMカード。左からデュアルカット、Nano SIM (4FF)サイズ単独


【便利なアプリも用意】

Ooredoo MyanmarはAndroidおよびiOSを搭載したスマホなどの製品向けの専用アプリとして「My Ooredoo」を提供している。対応言語は英語とビルマ語で、Ooredoo Myanmarのネットワーク接続時はログインを省略できる。

このアプリでは電話番号や有効期限、データ通信の利用状況、残高などの確認に加えて、トップアップやインターネットパックの購入および購入履歴の確認も対応する。

USSDコードではダイヤル画面から「*124#」に発信して残高確認、「*140#」に発信してインターネットパックを購入できるが、My Ooredooを活用するとより便利に使えるので、ミャンマーに行ってOoredoo Myanmarを試そうという場合には是非活用してみて欲しい。

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My Ooredooは多様な機能を備える


記事執筆:田村和輝


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