楽天モバイルのMNOを試す!無料サポータープログラムに当選

楽天モバイルが移動体通信事業者(MNO)による携帯電話サービス「楽天モバイル」( https://network.mobile.rakuten.co.jp )において5000人を対象に音声・データ通信を無償で提供する「無料サポータープログラム」の提供を開始した。

同プログラムへの申込者数は明らかにされていないが、楽天モバイルでは申込受付が開始された10月1日だけでも5000人を上回ったとしており、ソーシャルネットワークサービスなどでも落選したという報告が相次いだことからそれなりの倍率の狭き門であったようだ。

当選者には10月11日にメールにて案内が行われ、その後、登録申込などを行うようになっている。本記事では当選者からの情報提供を元に楽天モバイルの無料サポータープログラムを利用するまでの模様および簡単に使ってみた雑感を紹介する。

なお、正式なサービス開始は時期未定ながら9月に行われた発表会では同社 代表取締役会長の三木谷 浩史氏が「年内にできたらいいな」としており、無料サポータープログラムは2020年3月末までなのでその終了までの年内から来春あたりとなるのではないかと見られている。

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当選メールは10月11日にきちんと届いた

楽天モバイルの無料サポータープログラムにおける申込内容は『楽天モバイルがMNOによる携帯電話サービスにて5千人限定「無料サポータープログラム」の申込受付を開始!最大1万6千ポイントプレゼント。エリアも公開 - S-MAX』を参照して欲しい。実際に申込後、当選メールが10月11日に届いた。なお、当初は当選した場合のみに連絡があるということだったが、落選した場合も当選と同様に10月11日に連絡があった。

すぐに契約情報登録の案内が届いた人もいるようで、早い人だと楽天モバイルが案内していた通りに10月13日にSIMカードが届いて使い始められたようだが、やや遅れて契約情報登録の案内が10月15日に届いたため、かなり出遅れた形となった。その日に契約情報登録を行い、特に連絡はなかったが、10月16日にSIMカードが発送され、10月17日に受け取ることができた。

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契約情報登録およびプログラム利用の流れ

ただし、契約情報登録の時点では申込時に選んだ楽天回線に対応したプログラム対象製品であるスマートフォン(スマホ)「OPPO Reno A 128GB」が在庫切れだったため、購入できずにいた。サポートに問い合わせたところ、他に製品を購入するよう案内されたが、OPPO Reno A 128GBなら購入しても良いと思って申し込んだのでひとまず入荷するまで待ってみることにした。

その間に手持ちのスマホなどに楽天モバイルのSIMカードを装着して使えるかどうか試そうと、まずは届いたSIMカードのパッケージを開封してみた。非常に簡素で、SIMカードやSIMピンなどが入った台紙に加え、簡単な「START GUIDE」と「初期設定に進む前に」といった案内が記載された紙類が入っていた。

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楽天モバイルの無料サポートプログラムにおけるSIMカードはレターパックのような宅急便で届いた


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中に入っていたもの一覧。SIMカードの他に「START GUIDE」と「初期設定に進む前に」という案内が同梱

START GUIDEには「MNP開通手続きをしよう」や「SIMカードをセットしよう」、「初期設定をしよう」、「my 楽天モバイル」をインストールしよう」といった内容が記載されており、詳細はWebサイトを参照するようになっている。

例えば、初期設定の項目において「※すでにお持ちの楽天回線対応製品をご利用の場合はAPN設定が必要です。」のページ( https://r10.to/hbRncg )を確認すると、APN設定は対象製品なら自動で、ソフトウェア更新が必要な製品はするようにといったことしか記載されていなかった。

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START GUIDEの内容


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SIMカードの台紙セット


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楽天ロゴ付きのSIMピン

というわけで、対象製品が手元になかったこともあり、それ以外のスマホにSIMカードを装着して使ってみようとした。SIMカードを台紙から外し、付属していた楽天ロゴ付きのSIMピンでスマホに刺してみた。試しにSIMフリーのPixel 3a XLやSIMロック解除したGalaxy S8といったスマホに装着してみたが、使えなかった。

状況としてはモバイルネットワークの通信事業者では「Rakuten(440-11)」を掴んでいるものの、アンテナマークは付かず、通話もデータ通信も行えずに電話番号も認識していないという状況(なぜかSMSは送受信可能だった)。楽天回線対象製品ではなかっため、サポートに問い合わせることも遠慮し、同じような状況の人がいないかインターネット上で検索してみたところ、開通(アクティベーション)に失敗しているということが判明した。

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台紙からnanoSIMカード(4FF)サイズでSIMカードを取り出したところ


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楽天モバイル(MNO)のSIMカードをスマホに装着するところ

実際にmy 楽天モバイルで確認してみると、「初期設定に失敗しました。恐れ入りますが、サポートにお問い合わせください。」となっていた。インターネット上で見た情報では楽天回線対象製品ではないため、開通に失敗しているといった憶測もあったことからひとまずは楽天回線対象製品を手に入れるまで待つことにした。

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開通失敗に

そうこうしているうちに購入しようと思っていた楽天モバイルからOPPO Reno A 128GBのブルーが10月22日に入荷すると10月18日に案内があり、実際に10月22日に入荷したため、購入手続きを行った。購入時も楽天モバイルのWebサイトが重くてなかなか完了しなかったが、無事に目的の製品が購入できた。



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無料サポータープログラム」をご利用中のお客様へ重要なお知らせ

また同じ10月22日には楽天モバイルの公式Webサイトにて『無料サポータープログラム」をご利用中のお客様へ重要なお知らせ』が掲載され、開通について以下の条件があることが案内された。また開通に関して10月21日と10月23日にメールが届いており、電波状態の良いところに30分〜1時間放置するよう案内されていた。ただし、楽天モバイルが記載しているような「SIMカードと共に回線開通に関するご案内用紙」は同梱されていなかったように思われる。

・必ず「無料サポータープログラム」ページに記載のあるプログラム対象製品に挿入すること。対象製品でない場合、正常に開通できないことがある
・楽天回線の圏内(パートナーエリア含む)にて対象製品にSIMカードを挿入すると、楽天モバイルのシステムで認識され、回線が開通される
・楽天回線の圏内(パートナーエリア含む)であっても電波の弱い場所では開通できないまたは時間を要する場合があるため、電波環境の良い場所へ対象製品を持っていくこと

このお知らせが公開された前後で、楽天回線に対応していないGalaxy S8に装着していたSIMカードが開通していた。以前より楽天回線に対応していない製品でも開通できたという情報もあったため、それだけが開通に失敗する原因ではないと思われるが、楽天モバイルが公式に案内したことから対象製品でない場合には正常に開通できないことがあるようだ。

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SIMカードが開通済みに。楽天モバイルでは10月23日時点で5000人のうちの9割に相当する約4500人が契約情報登録を済ませており、さらにその8割が開通しているとしつつ、残りの2割(約900人)はSIMカードを送付したものの、開通していないとしているという

さらに10月17日よりカスタマーサポートの電話やメッセージが繋がりにくい状況があったとしつつ、10月18〜19日にかけてカスタマーサポートを増員し、問い合わせ対応が改善しているとのこと。そうして購入したOPPO Reno A 128GBは10月23日に発送され、10月24日に受け取ることができ、ようやくOPPO Reno A 128GBに楽天モバイルの無料サポータープログラムを利用できるようになった。

東京都杉並区にある自宅ではアンテナアイコンが4本中2〜3本程度とあまり電波状況(電界強度は-105〜-110dBm程度)は良くなく、速度を測定してみると下りが20Mbpsちょっと、上りが数Mbps〜10Mbpsあたりとなったほか、雨の日には圏外になったりするなどかなり不安定となっている。今後、いろいろなところで使ってみて別途レポートしたいと思う。

これまで試した限りでは無料サポータープログラムの対象エリアである東京23区と名古屋市、大阪市ではにauのローミングは地下鉄などの基地局設備を追加設置しにくい場所のみで基本的に楽天モバイルのMNOでのみ利用する形となるようだ。一方、地下鉄などやそれ以外の地域ではauのローミングが利用できるが、東京では23区外に出ても楽天モバイルのMNOエリアとなっているところもあった。

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スピードテストの結果(測定はGoogleの検索結果 https://www.google.com/search?q=speedtest で行えるものを利用)

また通信速度については楽天モバイルのMNOでは現在、1.8GHz帯(Band 3)で20MHz幅×2もしくは5MHz幅×2で2x2 MIMOにて無料サポータープログラムを提供しており、下りの最大速度(理論値)は20MHz幅×2なら多値変調が64QAMで150Mbps、256QAMで200Mbps、上りの最大速度(理論値)は20MHz幅×2なら多値変調が16QAMで50Mbps、64QAMで75Mbpsとなっており、5MHz幅×2ならその4分の1となる。

楽天回線対応製品ではOPPO Reno A 128GBやXperia Ace、AQUOS sense3 lite SH-RM12、HUAWEI P30 lite(型番:MAR-LX2J)といった製品が下りの256QAM、上りの64QAMに対応している。基地局はすでに全国で1608局が設置済みで、2020年3月末までに3432局を展開予定とのことだ。なお、楽天モバイルが公開している『サービスエリア』では東京23区内はベタ塗りでエリア内となってのみで、具体的にどういった通信が行えるのかは判別できない。

楽天モバイルの無料サポータープログラムでは1人当たり1回線までと案内していたものの、実際には5回線まで申し込めてしまい、その後、10月19日にシステムを修正して1回線までとなったほか、チャットサポートが突然応答がなくなる、申し込んでいない何かが荷物で届くなど、さまざまなトラブルが起きており、無料ながらなかなか厳しい状態となっている。

なお、複数回線を申し込めてしまって届いた場合には楽天モバイルのミスのため、特に返却や該当SIMカードを利用できなくするといった措置は取られないとのことだが、アンケートに回答することで楽天スーパーポイントが毎月1,000ポイントもらえるのは1回線分のみとなるなどといった案内が出されている。

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楽天モバイルのMNOにおけるサービスエリア


記事執筆:S-MAX編集部


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