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すでに紹介したようにASUSTeK Computer(以下、ASUS)が2016年7月12日(火)に台湾にて同社の最新フラッグシップスマートフォン(スマホ)「ZenFone 3」を販売開始した。

発売されたのは上記写真にあるZenFone 3の5.2インチモデル(型番:ZE520KL)と5.5インチモデル(型番:ZE552KL)の2機種。なお、同じZenFone 3シリーズの上位モデル「ZenFone 3 Deluxe」は8月以降、大型モデル「ZenFone 3 Ultra」は7月27日(水)にそれぞれ台湾では発売予定。

また、日本向けの販売予定などはアナウンスされておらず現時点での不明だ。とはいえ、台湾版でも対応する携帯電話ネットワークの周波数帯としては「TW/JP/HK version」となっており、JP(日本)向けがあることを示唆しており、期待が持たれる。

今回は台湾における発売日である7月12日に5.2インチ版のZenFone 3 ZE520KLを購入してきたので、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)やシャッター音、技適マークなどといった気になる点を紹介したいと思う。なお、以下、特に注記がない場合は「ZenFone 3」=「ZenFone 3 ZE520KL(台湾版)」を指す。

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台湾でZenFone3 ZE520KLを購入


【4G LTEデータ通信と3G音声待受が可能な「DSDS」】

まずはDSDSについてだが、ZenFone 3のデュアルSIMは製品情報にも記載されている通り、デュアルSMデュアルスタンバイ(DSDS)となっており、一方のSIMカードで4G LTEデータ通信中にもう片方のSIMカードで3G音声通話の待受が可能となっている。

従来のデュアルSIM対応製品の多くが「両側ともに4G LTEおよび3Gに対応しているものの、同時に利用する場合は片方が4G LTEおよび3Gを利用した場合にもう片側は2Gのみ」となっていたため、2G(GSM方式)によるサービスが提供されていない日本国内ではデュアルSIMであるメリットがあまりなかった。

ZenFone 3は(シリーズ共通で)両方のSIMカードスロットで4G LTEと3Gの同時待受が可能となっているため、片方のSIMカードスロットにはデータ通信用に仮想移動体通信事業者(MVNO)のデータ通信用SIMカードを、もう片方のSIMカードスロットには大手携帯電話会社(MNO)の音声定額対応SIMカードを装着して利用するなど、デュアルSIM仕様を活用することができる。

なお、同様の仕様は海外ではすでに「Xiaomi Mi 5」や「Xiomi Mi Max」などが対応しているほか、国内向けにも「Moto G4 Plus」が7月22日に発売されることが発表されている。

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ZenFone 3 デュアルSIMデュアルスタンバイ

試しに購入したZenFone 3で両方のSIMカードスロットで3Gの同時待受が可能となっていることを確認するために、片方のSIMカードスロットには台湾の「台灣大哥大」(台湾モバイル)のSIMカードで4G LTEデータ通信を、もう片方のSIMスロットには「台湾之星」(T-STAR)のSIMカードで音声通話の待受ができるかを確認してみた。

台湾之星は2Gサービスを提供していないため、一方のSIMカードで4G LTEデータ通信(あるいは3Gデータ通信)を行いながら、台湾之星で音声通話待受が可能であれば「同時3G待受」に対応していることが確認できる。

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SIMカード1のステータス:台湾モバイル(TW Mobile)で4G LTEデータ通信が有効


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SIMカード2のステータス:台湾之星(T STAR)で3G音声通話が有効

なお、対応するカードはSIM1がmicroSIMカード(3FF)サイズ、SIM2がnanoSIMカード(4FF)サイズだ。SIM2はmicroSDカードと排他利用となるため、ZenFone 3でmicroSDカードを使いながらデュアルSIMを使うことはできないのは残念なところ。

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ZenFone 3デュアルSIM:SIM1がmicroSIMカード、SIM2がnanoSIMカードに対応(本来はSIMカードを逆さまにして挿入するが、今回はわかりやすさのために裏返して撮影)


【技適マークはなし】

残念ながら台湾向けに販売されているモデルは、ZenFone 3 ZE520KLおよびZenFone 3 ZE552KLの両方ともに技適マークは表示されなかった。

ただし、ZenFone 3は何らかのモデルが国内向けにも投入されることが予想されるため、今後のソフトウェア更新などで技適マークが表示されるようになる可能性は考えられる。

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ZenFone 3:技適マークはなし(左が5.2インチ、右が5.5インチ)


【シャッター音は本体着信音と連動、消音も可能】

日本向けに販売されるスマホの多くが、通常の状態ではカメラのシャッター音を消音することができない。台湾版のZenFone 3を台湾のSIMカードで使ってみたところ、本体音量をオフにした状態ではカメラ撮影時のシャッター音が鳴らない仕様になっている。

また、カメラのシャッター音はZenFone 3の着信音の音量と連動しており、ZenFone 3の着信音を大きくしているとシャッター音が大きく、着信音を小さくしているとシャッター音が小さくなる仕様。

【4G LTE対応バンドは広め、TD-LTEやCAにも対応】

ZenFone 3の4G LTE対応周波数は合計で14バンドとなっており広めだ。また、キャリアアグリゲーション(CA)についても対応しており、CAが有効な状態ではアンテナピクトが「4G+」と表示される。

・ZenFone 3の4G LTEの対応周波数
 FDD-LTE:B1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 18/ 19 / 26 / 28
 TD-LTE:B38 / 39 / 40 / 41 (B41 2545 – 2655MHz)

日本国内の通信事業者が採用している4G LTEの周波数も対応しているものが多くなっているだけに現時点では技適マークの表示ができないのが残念なところ。今後のソフトウェアアップデートなどなどで対応されることを期待したいなと。

なお、技適マークが表示されなくても海外で使うなどの目的であれば問題ないので購入したい場合は海外のSIMフリースマホなどを販売するWebストア「EXPANSYS Japanicon」でもすでにZenFone 3の予約受付(仮予約受付中)を「ZenFone 3 ZE520KLの検索結果 – EXPANSYSicon」および「ZenFone 3 ZE552KLの検索結果 – EXPANSYSicon」にて行っている。ただし、ともに販売価格は未定。台湾での販売価格はZenFone 3 ZE520KLが7,990台湾ドル(約2.5万円)、ZenFone 3 ZE552KLが9,990台湾ドル(約3.2万円)となっている。

エクスパンシス


記事執筆:shimajiro@mobiler


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ZenFone 3の気になる仕様をサクっと紹介 – DSDSデュアルSIM、シャッター音、4G LTE対応周波数など | shimajiro@mobiler

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