iPhoneなどの新プラットフォーム「iOS 11」の高圧縮画像・動画ファイル(HEIF・HEVC)についてまとめ! |
既報通り、Appleは19日(現地時間)、iPhoneやiPadなど向け最新プラットフォーム「iOS 11」の正式版を提供開始しました。さまざまな機能追加や仕様変更が実施されていますが、その中から今回はリリースされる前から何度か紹介しているカメラで撮影した画像や動画を高圧縮率で保存できるHEIF形式・HEVC(H.265)形式についてまとめたいと思います。
HEIF形式・HEC形式はiOS 11を導入しても「iPhone 7」シリーズ以降や「iPad Pro」シリーズ、「iPad(第5世代)」以外は導入されておらず、現状ではiPhone 7・7 PlusとiPad Pro(9.7インチ・10.5インチ・12.9インチ)、iPad(第5世代)のみが対応しています。
導入されたこれらの機種ではデフォルトでカメラで撮影した写真がHEIF形式(拡張子「.heic」)および動画がHEVC形式(拡張子「.mov」)になり、すでに紹介したように特にHEIF形式については現状で主要なOSではiOS 11しか対応していません(この後、9月26日にリリースされるmacOS High Sierraでも対応予定)。
なお、基本的に対応しているOS・製品が少ないためにアップルでもかなり配慮しており、基本的にこれらが導入されたiPhoneやiPadから外にファイルを出す(カメラで撮影した写真・動画を共有する)場合は画像については従来のJPEGに変換されるので特に何もしなくても今まで通り使えます。
【「設定」→「カメラ」にて保存形式は選択可能】
まず、iPhone 7・7 PlusとiPad Pro(9.7インチ・10.5インチ・12.9インチ)、iPad(第5世代)では初期状態でHEIF形式およびHEVC形式が標準となっています。これにより、ほぼ同等の画質の場合に高い圧縮率でストレージの容量逼迫を防いでくれます。
ただし、これは従来までのJPEG形式およびH.264形式に変更でき、「設定」→「カメラ」における「フォーマット」にて「高効率(HEIF形式およびHEVC形式)」から「互換性優先(JPEG形式およびH.264形式)」にすればOKです。
【ファイルを共有する場合は必ず従来形式に変換】
カメラで撮影後に写真や動画をTwitterやInstagramなどに投稿して共有する場合や他の画像・動画編集アプリで開く場合などは自動的に従来のJPEG形式およびH.264形式に変換されるようです。共有ボタン経由や直接、Adobe Lightroom MobileやSnapseedなどのようなサードパーティー製アプリで開いたりといろいろ試してみましたが、そのように思われます。【どうしても新形式でパソコンなどに保存したい場合】
Windows 10やAndroid 5.0(開発コード名:Lollipop)で対応しているHEVC形式の動画ならまだしも、WindowsやAndroidだけではなく、現状まだmacOS High Sierraがリリースされていないため、Macでも標準では閲覧できないHEIF形式の画像はあまりiPhoneやiPad以外に持ち出しても意味はなさそうです。とはいえ、せっかく高画質かつ高圧縮なHEIF形式の写真ですので、保存するならHEIF形式のままのほうが良いという場合もあるでしょう。そういったときには「設定」→「写真」の「MACまたはPCに転送」の項目で「自動」から「元のフォーマットのまま」を選択することで、iTunesなどで転送した場合に元のHEIF形式となります。
またより手軽に利用するにはDropboxが良さそうで、自動のカメラアップロードでも手動でもJPEG形式かHEIF形式(Dropboxでは拡張子のHEIC形式と記載)を選ぶことが可能です。
ただし、筆者が試している限り、自動のカメラアップロードでHEIC形式を選んでいる場合にうまくアップロードできないことが多いように思われ、場合によってはHEIC形式を選んでいるのに拡張子がJPEG形式(.jpg)に変更されてアップロードされていたりしました(この場合、拡張子を.heicに変更すればDropboxでのプレビューなどは可能)。
手動では失敗していないので、手動でも自動でもJPEG形式が推奨されていますが、今のところは無難に自動のカメラアップロードでJPEG形式を選んでおき、必要なら手動でHEIC形式のアップロードをするのが良さそうな感じです。また「Google フォト」は「高画質」(無料・無制限)にしている場合にはJPEG形式に変換されるが、「元のサイズ」であればHEIF形式のままアップロードされ、一方で「Amazon プライム・フォト」はJPEG形式に変換されてアップロードされる模様。
【実際の画質やファイルサイズはどうなの?】
ここまで紹介してきて特にiPhone 7やiPhone 7 Plusなどで撮影した写真やムービーがHEIF形式やHEVC形式であっても大きな問題はなさそうですが、そもそもストレージに余裕があれば既存のJPEG形式とH.264形式で保存しても良さそうに思えます。実際にどのくらい高画質で高効率なのか試しに何枚かの写真および何個かの動画を撮影してファイルサイズなどを見てみました。確かに画像については半分以下のファイルサイズになっており、動画についても半分近いのがわかります。
逆にiPhone 7などにてHEIF・HEVC形式で保存してから共有などをする場合にJPEG・H.264形式に変換したファイルは従来の直接JPEG・H.264形式で保存するよりも大きくなっています。画質についてもパッと見ではそれほど大きく違わないので、ストレージ容量が足りないというような人にはかなり効果はありそうです。
方法 | 写真1 | 写真2 | 写真3 |
HEIF保存 | 1.4MB | 1.3MB | 1.7MB |
HEIF保存/JPEG変換 | 3.1MB | 2.9MB | 3.6MB |
JPEG保存 | 3.0MB | 2.9MB | 3.5MB |
方法 | 動画1 | 動画2 | 動画3 |
HEVC保存 | 17.9MB | 20.5MB | 24.2MB |
HEVC保存/H.264変換 | 32.2MB | 39.9MB | 49.5MB |
H.264保存 | 30.9MB | 38.2MB | 47.0MB |
記事執筆:memn0ck
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