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自由な雰囲気で色々触って聞きました! |
今夏、ソニーモバイルコミュニケーションズは、NTTドコモ向けに「Xperia GX SO-04D」と「Xperia SX SO-05D」の2機種をリリースします。
両機種ともに国内ではソニーモバイルとしてははじめての製品で、なおかつ、NTTドコモ向けでははじめての高速データ通信サービス「Xi(クロッシィ)」対応スマートフォンであるということもあり、非常に注目を集めています。
先日、これら2機種について、ブロガー数名でソニーモバイル社内にてタッチ&トライをしながら、ソニーモバイルの社員の方に話を聞く、というイベントがあり、参加してきましたので、その模様を紹介したいと思います。
簡単にXperia GXとXperia SXについておさらいしておくと、Xperia GXは「Xperia arc SO-01C」で好評だったアークデザインが“復活”したことが特徴で、ドコモスマートフォンの中では“NEXTシリーズ”に属するモデルです。
一方、Xperia SXは、LTE対応スマートフォンとしては世界最軽量で、小型にも関わらず、おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグといった日本市場でニーズの多い「三種の神器」を取りそろえた“withシリーズ”に属するモデル。
Xperia GXは今月、Xperia SXは来月発売を予定しています。
■なぜGXが“NEXT”でSXが“with”?
ここでちょっと気になるのは、機能だけ見るとXperia SXの方が“NEXTシリーズ”を名乗るのに相応しいぐらいの全部入りっぷりなのに、なぜ“withシリーズ”に属しているのか、という点。
その点について、同席していたソニーモバイルのマーケティング担当の中田さんに聞いてみたところ、「SXは、これからフィーチャーフォンからスマートフォンに移行しよう、というユーザーをターゲットにするために、あえて全部入りにしています。デザインやカラーバリエーションも含めてより広範なユーザーに向けた機種なのでwithシリーズなんです。」とのこと。
確かに、フィーチャーフォンから乗り換えようと検討している方は“○○はあるの?”とか、“△△は使える?”といった、スマートフォンで今までのフィーチャーフォンで出来ることが出来なくなることに対する不安を口にすることが少なくありません。
そこで、いわゆる“全部入り”となるわけですが、全部入りの端末は、概して重量があり、サイズが大きくなってしまいがちです。そんな中、「全部入りなのに、軽くて小さくてオシャレ」っていうところを狙ったのがSX、といったところのようです。
一方で、Xperia GXは、大画面という特徴があるものの、日本市場向けの機能はおサイフケータイのみと、結構割り切った感があります。これについて中田氏は、「Xperia GXは『これがなければ買わない!』という機能を選別した結果、おサイフケータイのみ付けました。」と説明しました。
ソニーモバイルが端末購入時に重視する機能について調査をしたところ、「三種の神器」の中では、おサイフケータイが一番需要があると判断し、搭載に至ったようです。まさしく、“足ることを知る”ユーザー、ある意味でNEXTシリーズの狙うところに合致しているのがXperia GXでしょう。
■“Xperiaの世界観”と“ドコモの世界観”との折り合い
スマートフォンが流行し始めてから、各メーカーがハードウェア、ソフトウェア両面でメーカーの“世界観”を主張し始めています。その一方で、キャリア(オペレーター)としては、ユーザーの分かりやすさや、統一のとれたユーザー体験を提供するため、キャリアならではのカスタマイズを加えようとしています。そこにどう「落としどころ」を見いだすか、ということが最近の個人的関心事です。
Xperiaでは、Xperia NXやXperia acro HD以降の機種で初期セットアップ時にソニーのサービスアプリを使うかドコモのサービスアプリを使うか選択することができます。特に、Xperiaでは、一括設定だけでなく、ホーム、電話帳、メディアプレーヤーを個別に設定することもできます。
もちろん、これはXperia GXやXperia SXでも同様です。ずっとXperiaを使っている人にとっては前者、ドコモの他メーカースマートフォンをPalette UIで使ってきた人にとっては後者の方が“使いやすい”でしょう。このような選択肢を用意しているのは、ドコモ向けの機種だけの要素だそうです。
同席していたソニーモバイルの広報担当の冨永さんによると、「海外オペレータ向けのXperiaでもプリインストールアプリのカスタマイズをすることはありますが、このようなサービスアプリの設定を入れているのは、全世界でもドコモ向けの機種だけ」だそうです。
また、ロック画面に関しては、ソニーオリジナルのもののみ用意されていますが、マチキャラの表示に対応するカスタマイズがなされています。ソニー(Xperia)のサービスを多用する人にも、ドコモのサービスを多用する人にも優しい感じになっています。
■外部出力の便利さ
Xperia GX、Xperia SXともに、microUSB端子が、MHL規格に準拠したHDMI出力を搭載しています。MHLアダプターを介することで、BRAVIAを始めとするHDMI映像機器に端末で表示している画像を映し出すことができます。
HDMI出力すると、TVランチャーが自動的に起動するようになっています。殆どのソニーアプリは、横画面での表示も最適化されているので、テレビに映し出しつつ操作しても、違和感がない感じです。USBホスト機能やBluetoothによるマウス・キーボードの接続にも対応しているので、Xiによる高速・低遅延通信と相まってより“パソコンレス”な環境にも耐えうるのかな、と思います。
■ソニーモバイルの今とこれから
Xperia GXとXperia SXは、ソニーモバイルコミュニケーションズがソニーの直接子会社になってから初めて「ソニー」ブランドをひっさげて登場するXperiaです。前身のソニー・エリクソン時代のXperiaと比べると、ソニーのDNA(というと言い過ぎでしょうか)をより濃く感じることができるようになったな、と個人的には思います。しかし、今までのXperiaらしさもしっかり継承しています。
これから、ソニーのDNAとXperiaのDNAがどう混ざって、相乗効果を生んでいくのか、ソニーモバイルのこれからに期待です。
記事執筆:せう(井上翔)
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