auがiPhone 5sやiPhone5cに向けた料金プランなどを発表する説明会を開催! |
KDDIは13日、Apple製スマートフォン「iPhone 5s」および「iPhone 5c」の販売に関して、料金プランや各種キャンペーンを発表する「au新商品説明会」を都内で開催しました。
キャンペーンでは、下取りプログラムや家族でスマホおトク割といったキャンペーンに既存の「iPhone 5」も加えるほか、新しくスマホとタブレットでデータ容量を分け合いおトクに利用できる「データシェア」サービスを来春に提供することに伴い、先行して同様のサービスを受けられる「先取り!データシェアキャンペーン」を実施すると発表しました。
なお、iPhone 5sおよびiPhone 5cの本体価格については、今回の説明会では案内されず、別途、お知らせが発表されました。本記事では、iPhone 5sおよびiPhone 5cの料金プランや本体価格を中心に、説明会の模様をレポートします。
説明会では、KDDI取締役執行役員専務の石川雄三氏が登壇し、プレゼンテーションを行いました。石川氏は、まず、iPhone 5sおよびiPhone 5cがLTEの800MHzと2.1GHz帯の「ダブルLTE」に対応したことで、ネットワーク的にエリアや高速性において他社より優位になったことを紹介。
今回のiPhone 5sとiPhone 5cが800MHzと2.1GHzのデュアルバンドに対応しているということ以外は、先日行われた「新しいau 4G LTEネットワーク説明会」とほぼ同様の内容となりました。
この2つの周波数帯は、auでは主にエリア展開を行っている800MHz、さらに超高速の下り最大150Mbps化を行っている2.1GHz帯ということで、エリアと高速性の両面を新しいiPhoneではサポートできているとしています。
各社LTE基地局免許数は、2013年8月17日時点でauが800MHz帯で3.2万、1.5GHz帯で0.6万、2.1GHz帯で2.5万の合計6.3万局、ソフトバンクモバイルおよびイー・アクセス(イー・モバイル)が1.7GHz帯で0.9万、2.1GHz帯で3.0万の合計3.9万局、NTTドコモが800MHz帯および1.5GHz帯がそれぞれ0.2万、2.1GHz帯が3.2万で合計3.6万局とauの基地局数が他社を優っていると紹介していました。
なお、残りの1.5GHz帯は主に混雑箇所などでサポートに回る周波数帯として利用しているため、恐らく混雑時には、1.5GHz帯に対応するAndroid搭載機種がそれらを利用するということになるのかと思われます。
800MHz帯および1.5GHz帯、2.1GHz帯の3つの周波数帯によるマルチバンドLTEで隅々までエリア化し、特に、800MHz帯でいち早くLTEの全国エリアを“完成フェーズ”へ導いたとのこと。2013年8月末現在でLTE全国エリアは実人口カバー率97%となっており、これをさらに2014年3月末に99%とする予定。
その特性から隅々まで電波が届く800MHz帯を利用し、カバー面積が大きく拡大し、実人口カバー率97%から99%になると、面積比では約1.5倍になるとしています。
2.1GHz帯の4G LTE実人口カバー率は2013年8月末時点で72%、今期末で80%を予定し、来期はさらに拡大する予定であるとのこと。周波数幅別では、5MHz幅以上が72%、10MHz幅以上が31%、15MHz幅以上が6%となっていると紹介されました。
既存の「iPhone 5」が唯一対応している2.1GHz帯もエリアを拡大しており、今年度末には80%超(およそ85%を計画)、来年度にはさらにエリアを拡大するとしています。
800MHz帯では10MHz幅で運用していることから下り最大75Mbpsに加えて、1.5GHz帯でも同様に10MHz幅運用で下り最大75Mbpsとなっていますが、2.1GHz帯では5MHz幅、10MHz幅、15MHz幅、20MHz幅と利用エリアの状況に応じて利用周波数幅を変更し、20MHz幅を利用した場合には、下り最大150Mbpsまでネットワーク側は対応することになります。
端末側が対応していないため下り最大150Mbpsでは利用できないものの、この下り最大150Mbps化はすでに8月からスタートしており、秋以降に発売されるUE Category 4に対応した製品を利用することで利用できるようになるということです。なお、iPhone 5sおよびiPhone 5cは、UE Category 4に対応していないためか、下り最大100Mbps超という表現が使われていました。
続けて、800MHz帯について紹介。1.5GHzや2.1GHzといったより高い周波数帯と比べて、より電波が届きやすい、浸透性も高いことから、最もつながりやすい電波であるという特性を持つと説明していました。世界中の携帯電話事業者が欲しい「プラチナバンド」だとし、この800MHz帯を今回のiPhoneで利用できるとしていました。
高速移動中へのこだわりは、例えば、東海道新幹線の東京・新大阪間(トンネル区間含む)においてLTEから3Gへのハンドダウンは平均2.1回/片道(KDDI調べ)などと、主要路線を徹底調査・対策してLTE品質をさらに向上するそうです。
屋内へのこだわりは、屋内施設やデパート(デパ地下含む)、地下街などを徹底して調査・対策し、主要なところはすでにLTE化がほぼ完了しているとのこと。また、全国の地下鉄駅でも99%が4G LTEを利用可能(800MHz帯もしくは2.1GHz帯)で、駅間の走行中も対応路線を拡大中だということです。
さらに、先日発表したLTEによる国際ローミングについて紹介。9月19日に韓国(SKテレコム)やシンガポール(M1)、香港(PCCW)で開始するほか、年内には米AT&Tとのローミングも可能になるということです。
料金プランについて説明し、パケット定額オプション「LTEフラット(7GB)」はスタート割(i)を適用して月額5,460円とこれまでと変更がないとのこと。
また、従来通り、auスマートバリュー適用可能で、固定網とセットにすることで月額1480円(最大2年間)の割り引きが受けられ、月額4,505円になることを紹介。
auスマートバリューについても、適用できる固定網のケーブルTVプロバイダー数も広がっており、現在、200局となっているとしていました。
同社が推進する「3M戦略」の1つである「マルチデバイス構想」について紹介し、タブレットとスマートフォンを同時に利用するとき、より安く利用できる有料オプションサービス「データシェア」サービスを来春導入することが発表されました。
データシェアが2014年春に開始され、それとほぼ同様の内容をキャンペーンとしてよりデータ量を増やしたものを9月20日から開始するということになるということです。
データシェアおよび先取り!データシェアキャンペーンについては「KDDI、au向けにスマホとタブレットでデータ通信量を分け合えるデータシェアを2014年春から提供!先駆けて9月20日から「先取り!データシェアキャンペーン」を開始」に詳しくまとめていますので、参照してください。
キャンペーンとしては、下取りプログラムも新しくiPhone 5を追加し、iPhone 4Sの下取り価格も改定すると発表しています。詳細は「KDDI、au携帯電話の下取りプログラムの対象機種にiPhone 5を追加!iPhone 5sやiPhone 5cなどの新機種への買い替えがしやすく」を参照ください。
石川氏は「もちろん、動作していて傷の少ない端末と言うことになりますが、従来よりも有利な買い取り価格を設定しています。」と説明し、「iPhone 5ではエリア表記で誤解させてしまったと言うこともあり、市場価格よりもかなり高い価格を設定しているとし、市場価格よりも4,000~6,000円高いのと、他にもキャンペーン案内も送っておりますので、かなりのユーザーが買い換えていただけるのではないかと思っています。」とのことでした。
さらに、「機種変更の部分は、下取りを強化することでかなりの部分をお応えできるのではないかなと思います。」と続けていました。
キャンペーン「家族でスマホおトク割」についても2013年9月20日(金)から新たにiPhone 5を対象機種として追加するとのこと。詳細は「KDDI、au向け「家族でスマホおトク割」キャンペーンの対象機種にiPhone 5を9月20日に追加」を参照ください。
iPhoneの販売については、auショップや量販店、併売店などで合計約6000店舗において取り扱いするとのこと。
また、新しくネット予約サービスを実施し、専用のWebサイトで店舗を指定して予約をすると、在庫入荷時に連絡が来るので、店舗に行くと受け取れるようになるとしています。
なお、iPhone 5cについては本日9月13日16時から予約が行え、iPhone 5sについても9月20日の発売と同時に予約を受け付けるということです。
iPhone 5sとiPhone 5cのアクセサリーについても100種類以上を用意し、新しいものとしては、iPhoneにデータ転送できる活動量計「SHINE」が発売されるとのこと。完全防水で数ヶ月持つので、水泳をするときなどでもつけたまま行えるとしてました。
最後に、iPhone 5sおよびiPhone 5cの本体価格については、間に合わせようとしていたのですが、間に合っていないとし、後1~2時間というところで調整できるかと思いますと説明。その後、同社Webサイトにて公開されました。本体価格については「KDDI、au向け「iPhone 5s」および「iPhone 5c」の本体価格を発表!iPhone 5sとiPhone 5cともに新規・MNPで16GBモデルは実質価格0円に」を参照してください。
質疑応答で、石川氏は「我々は後出しじゃんけんを狙っているわけではないのですが、本体価格については、他社がどうのというわけでなく、お伝え申し上げたいと思ってましたが、間に合いませんでした。また、本体の差別化の軸は、料金、サービスは均質化していくだろうと思いますので、ネットワークの差になっていくのではないかと思ってやっております。競争相手がいるので、NTTドコモが参入して歓迎というわけではありませんが、3社で新しいスマートフォンライフを盛り上げていけば、全体が良くなるのではと思っております。その上で、我々は絶対に負けられない思いですので、ネットワークの差についてご紹介申し上げたわけです。」と回答。
さらに、販売施策の違いやMNPにおける流出が増えると予測されているのかどうかを問われると、「今回の2つの機種は、我々の考えとしては、2機種とも魅力的だと思いますが、若い人は、iPhone 5cに行かれるのではないかなと思っております。加えて、琉金プランを含めて満足度を上げて、下取りだけでなくいろんな形で当社の良さをご理解いただいて継続して欲しいと思っています。」としていました。
在庫については、「例年と比べると早い時期にご提供できるのではないかと思っています。」とし、「本日13日は、iPhone 5cのスタートで、20日以降にiPhone 5sもやる予定です。明確にこれはAppleも公表しておりますので、その通りとなります。」と説明していました。
一方で、「市場全体がMNP中心にシュリンクするのではないか、キャッシュバック(CB)を適宜活用していきたいとしながら、「MNP=CB」とは思っていないとし、トータルとしての商品の力がMNPに現れていると思っておりますので、そういうのを継続したいと思っています。我々としては、MNPをお客様の評価と思っておりますので、継続していきたいところです。また、別に、NTTドコモだけを狙っているわけではないので……。他社のスマートフォンユーザーにMNPしていただくのが理想ですが、まだスマートフォンをご利用の方が40%ですので、残りの60%の方にどうやったら選んでいただけるかという点でマーケティングをやっていきたいと思っております。Android搭載機種は、特徴のしっかりとあるモデルを出していって、近く今秋のAndroid搭載の新機種についてもご案内できると思いますが、そこで私どもの視点を理解していただければと思っています。」とまとめました。
記事執筆:S-MAX編集部
写真撮影:sureare
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