台湾初となる4GプリペイドSIMを試した!台北市内にある台湾大哥大の販売店「myfoneショップ」

台湾の移動体通信事業者である台湾大哥大(Taiwan Mobile)は2014年9月1日(月)よりLTE対応のプリペイドSIMカード「4G預付卡(4Gプリペイドカード)」の販売を開始した。

これまで台湾のプリペイドSIMカードはLTEに対応していなかったが、4G預付卡はプリペイドでLTEサービスの利用が可能となる。すなわち、台湾大哥大の4G預付卡は台湾初のLTE対応のプリペイドSIMカードとなる。

今回、ちょうど台湾に滞在していたため、さっそく台湾大哥大の販売店である「myfoneショップ」に開店前から並んで、4G預付卡を一番乗りで購入したのでレポートをお伝えする。

◯台湾初のLTE対応プリペイドSIMを買う
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myfoneショップでは窓にステッカーを貼って台湾大哥大4G LTEをアピールしている。

販売が開始された4G預付卡は300台湾ドル(約1,050円)の300型と500台湾ドル(約1,750円)の500型が用意されている。300型はデータ通信容量が1.2GB、自網内通話の2000台湾ドル分(約350分)、自網外通話や市内通話などの100台湾ドル分を含み、500型はデータ通信容量が2.2GB、自網内通話の3000台湾ドル分(約526分)、自網外通話や市内通話などの195台湾ドル分を含んでいる。

また、プリペイド向けに新4代上網儲値包(新4Gインターネットパッケージ)も提供する。新4代上網儲値包はいわゆるデータ通信容量のパッケージで、データ通信容量は1.2GBと2.2GBと5GBの3種類が用意されている。1.2GBは有効期限が30日で180台湾ドル(約630円)、2.2GBは有効期限が30日で300台湾ドル(約1,050円)、5GBは有効期限が90日で699台湾ドル(約2,440円)となる。

店頭では4GのプリペイドSIMカードを買いたいと言うと、販売初日ではあったが、問題なく伝わった。台湾では音声回線の場合は1つのパスポート番号につき各社1回線ずつまでと決まっているため、すでに同社のプリペイドSIMカードを所有している場合は無効化されるので注意が必要である。筆者は台湾大哥大のプリペイドSIMカードを所有していたので、あらかじめ無効化するよう伝えておくとスムーズに手続きを進められた。今回は500型の4G預付卡を購入し、台湾を離れる間際であったためデータ通信容量のパッケージは購入を見送った。本人確認の身分証明書はパスポートを提示し、カウンターに備えられているカメラで顔写真を撮影されて署名を求められるが、店員の指示に従っておけば問題ない。手続きを開始してから完了するまで10分程度であった。

アクセスポイント(APN)の設定は「internet」で、パスワードやユーザー名は未設定で利用できる。台湾大哥大のSIMカードを挿入すると、自動的にAPNがinternetに設定されることが多く、データ通信の設定に困ることは特にないだろう。また、LTE対応のスマートフォンを所有していたため、SIMカードを挿入すると自動でLTEに接続し、高速なデータ通信を利用できた。

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4G預付卡は台紙に台湾大哥大4G LTEと書かれている。microSIMカードサイズ(3FF)の場合は、miniSIMカードサイズ(2FF)とのデュアルカットではなく、microSIMカードサイズ(3FF)のみ切り取れる。


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4G預付卡を使って通信速度を測定した。人通りが多い台北駅前でも問題なく通信できた。



◯周波数と購入場所に注意
台湾大哥大のLTEサービスを利用する上では周波数に注意する必要がある。台湾大哥大は700MHz帯(Band 28)と世界で最もメジャーな1.8GHz帯(Band 3)を使用してLTEサービスを提供するが、2014年6月4日のサービス開始当初は700MHz帯のみで展開しており、1.8GHz帯におけるサービスは2014年8月29日に開始したばかりで、1.8GHz帯のエリアは広くない。

また、帯域幅については700MHz帯が15MHz幅×2で、LTE UE Category 4に対応した機種では通信速度が下り最大112.5Mbpsおよび上り最大37.5Mbpsとなるのに対し、1.8GHz帯は5MHz幅×2で下り最大37.5Mbpsおよび上り最大12.5Mbpsとなる。そのため、エリアと速度の両面から考えて、700MHz帯のLTEに対応したスマートフォンを用意した方が無難だろう。

なお、LTEの700MHz帯は北中米を中心としてBand 12および13、17も使用されており、世界ではそれらに対応したスマートフォンも数多く出回っているが、Band 28の700MHz帯を使用する台湾大哥大のLTEサービスでは利用できないので注意が必要である。

将来的には、Band 28の700MHz帯は日本を含めた世界各地で導入される予定であるが、現状は対応したスマートフォンは多くない。しかし、myfoneショップでは台湾大哥大のLTE対応スマートフォンを取り扱っており、スマートフォン単体で購入することも可能である。しかも、契約なしでも日本円換算で1万円台と、リーズナブルな価格で購入できるスマートフォンも用意されており、滞在期間などに応じてプリペイドSIMカードと一緒にスマートフォンを購入することも選択肢として考えられるだろう。

台湾大哥大は台湾桃園国際空港でもプリペイドSIMカードを販売しているが、4G預付卡は取り扱っていない。そのため、プリペイドSIMカードでLTEを利用したければ、空港を出てから4G預付卡を取り扱うmyfoneショップを探して購入する必要がある。

台湾では2014年5月下旬以降に各社がLTEサービスを開始している。プリペイドでLTEを利用できるのは2014年9月1日時点で台湾大哥大のみであるが、日本から近くて渡航者も多い台湾で高速なLTEサービスを利用できるプリペイドSIMカードを買えるようになったのは喜ばしいことである。

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myfoneショップに展示されているTaiwanMobile Amazing X1。台湾大哥大ブランドのLTE対応スマートフォンで、価格は4990台湾ドル(17,400円)と低価格に設定されている。店頭ではLTEサービスの体験用に展示されていた。


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台湾大哥大はmyfoneショップなどに屋内基地局を設置しており、条件が良ければ下りの通信速度は100Mbpsを超えることもある。


記事執筆:田村和輝


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