次のWindows 10の大型アップデートは秋に「Fall Creators Update」

Microsoftは11日(現地時間)、アメリカ・シアトルで開催している開発者向けイベント「Build 2017」の2日目の基調講演にてパソコン(PC)など向けOS「Windows 10」の次期大型アップデート「Fall Creators Update」を今秋に提供すると発表しています。

Fall Creators Updateは先日リリースされたWindows 10における最新大型アップデート「Creators Update」(ビルド番号:1703)の次の大型アップデートで、これまで開発コード名「Redstone 3」と呼ばれていたもの。

なお、ビルド番号が1710や1711あたりになるとも噂されています(ビルド番号は前2桁が西暦の下2桁、後2桁が月)。今回紹介された内容以外にもさまざまな機能追加や改良が行われる予定なので今から提供開始が楽しみですね!

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Windows 10 Fall Creators Updateを発表したExecutive Vice President, Windows and Devices GroupのTerry Myerson氏


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Windows 10 Fall Creators UpdateとWindows 10 Store、開発環境の3つが軸


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Story Remixによる動画編集機能



Fall Creators Updateは、Creators Updateに引き続いてクリエイター向け機能が拡充され、より多くの人がより簡単にフォト・ビデオ編集などができるようになる予定です。新たにWindows Storeに「Story Remix」というアプリが提供され、人工知能(AI)を用いて写真や動画の編集がより手軽に行えるようになり、基調講演ではスマートフォン(スマホ)で撮影したサッカーの試合の動画から特定の人を取り出したり、シュートに炎を付けて「ファイヤーショット」にしたりといったデモが行われていました。

またクラウドストレージサービス「OneDrive」のファイルがオンデマンドで利用できるようにもなり、ストレージの少ないWindows 10搭載デバイスでも利用がしやすくなります。さらにWindows 10は新たにMicrosoft Graphに接続され、Timeline(タイムライン)やPick Up Left Left(PWILO)といった新機能が追加され、Microsoft Graph APIを使えばすべてのデバイスにアクセスできるようになり、各デバイスでアプリやアプリのサービスを呼び出すことができ、デバイス間での連携が可能になります。

これにより、クラウドベースでWindows 10だけでなく、iOSやAndroidともクリップボード(コピー&ペースト情報)が共有される「Cloud-powered Clipboard」などの新機能が導入されるということです。加えて、Windows 10はあらゆるデバイスをサポートする「Windows 10 PCs &heart; All your devices」として展開していきます。

デモではMicrosoftの「SwiftKey」キーボードをAndroidにインストールし、AndroidでGoogleマップを開いて住所を入力する際にキーボードを右にスワイプするだけで、Windows PCでコピーしていた内容がAndroid側にペーストされる様子などが紹介されていました。

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それに向けて今年後半にはUWPとXAML Standard 1.0に対応した.NET Standard 2.0が登場予定で、最も完成度の高いクロスプラットフォームな開発フレームワークとしてVisual StudioとともにWindowsだけでなく、iOSやAndroid、Linuxはもちろん、クラウドを含むC#のすべてのターゲットプラットフォーム用にネイティブアプリを開発することが可能となるとしています。

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さらにFall Creators UpdateではUserActivity APIが追加され、アプリやデバイス、プラットフォームへの利用を促進し、Microsoft Graphのアクティビティがディープリンク、ビジュアル、メタデータの3つのコンポーネントで確認できるようになります。

例えば、タイムライン内のすべてのアクティビティーを視覚化することがProject Rome API( https://aka.ms/projectrome )を使ってアクティビティーにアダプティブカード( https://adaptivecards.io )を添付することでできるようになるとのこと。

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その他、デバイス間でシームレスかつ自然に互換性を保つために次世代のアプリやサービスを開発する方法を再構想する際に新たな設計システム「Microsoft Fluent Design System」( https://dev.windows.com/design )も導入され、PCや電話、タブレット、ゲーム機、複合現実(MR)用ヘッドセット、そして画面のないデバイスまで含めてさまざまなデバイス間で連続して機能する表現力豊かで魅力的なエクスペリエンスを生み出すことができるようになるということです。Microsoft Fluent Design Systemは「Light」および「Depth」、「Motion」、「Material」、「Scale」の5つの項目から構成されます。

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Windows PCs love all your devices


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2日目の基調講演の最後にはMRの肝である「HoloLens」の活用事例としてシルクドソレイユのメンバーも登壇


記事執筆:memn0ck


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https://build.microsoft.com/
Coming soon starting with the Windows 10 Fall Creators Update