富士通が携帯電話事業を売却か?日経新聞が伝える

日本経済新聞は22日、富士通が「携帯電話事業を売却する方針を固めた」と報じ、9月にも1次入札をはじめ、売却額は数百億円と見られると伝えています。

現在、富士通では子会社の富士通コネクテッドテクノロジーズが携帯電話事業を行っていますが、売却後も売却対象の携帯電話事業会社の株式の一部は保有する方針だということです。これにより、現在使っているarrowsブランドなどの自社ブランドは続ける意向だとしています。

なお、売却先としてはポラリス・キャピタル・グループやCVCキャピタル・パートナーズなどの投資ファンドのほか、聯想集団(Lenovo)や華為技術(Huawei)、鴻海精密工業(Foxconn)なども上がっているとのこと。

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富士通では2016年2月に携帯電話部門を富士通コネクテッドテクノロジーズ、パソコン部門を富士通クライアントコンピューティングへ分社化し、その後、2016年10月にはパソコン事業についてはLenovoと戦略的提携検討を発表していました。

パソコン事業のLenovoへの売却または統合などによる戦略的提携については2017年4月になって難航していることが明らかにされていましたが、今後は分社化したもうひとつの携帯電話事業についても売却する方針であると報道がありました。

富士通では一時は海外でもらくらくスマートフォンの技術をベースとしる使いやすいモデルを提供するなどしていましたが、あまり成功せずに現在はほとんど日本国内のみ、さらにSIMフリースマートフォン(スマホ)を販売はしていますが、ほとんどNTTドコモ向けといった状況です。

最近では「TONEモバイル」向けに「TONE m17」を投入しましたが、販売台数が多いカテゴリーではないと思われますし、2017年度見通しでは310万台となっており、ピークだった2011年度の約800万台から半分以下となっています。

こういったことから2016年度の日本国内シェア(MM総研調べ)でも携帯電話全体で5位と、1位のAppleを除く、2位のソニーや3位の京セラ、4位のシャープといった日本国内メーカーにも負けています。

ソニーや京セラは多少は海外でも販売実績があり、シャープも新たにFoxconn傘下となって海外市場にも新製品を投入しはじめており、しかも、富士通は日本国内でもNTTドコモ向けの「らくらく」シリーズの割合が多いなど、なかなか厳しい状況と言えそうです。

記事執筆:memn0ck


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