NECがシンプルデザインで変化を追求したLAVIE Note NEXTを発売! |
NECパーソナルコンピュータ(以下、NEC PC)が10月17日に「NECパーソナルコンピュータ新商品発表会」を開催し、家庭など向けホームノートパソコン(PC)「LAVIE Note NEXT」シリーズを発表した。
NEC PCと言えば、2011年にレノボグループの傘下となっており、さらにレノボでは10月27日に富士通のPC事業を行う富士通クライアントコンピューティング(以下、富士通CC)に51%の出資を行い、レノボ傘下の合弁会社とすることを発表している。
こうした事業再編において重要となるのが、それぞれが得意とする「製品」だ。しかしNEC PCと富士通CCには、軽量モバイルノートPCやハイエンドノートPC、AIO(All In One)PCなど重複する製品群がある。
そういった中で、NEC PCが今回発表したホームノートPCのLAVIE Note NEXTシリーズはどういった意味を込めた製品なのだろうか。発表会の内容を写真と動画で紹介していく。
登壇したNEC PC 執行役員の河島良輔氏は「NECはPC-8001発売から38年、常に新しい製品を導入し、この業界をイノベーターとして牽引してきたという自負がある」と話す。
そして、次の製品を考える上で買い換えサイクルの長期化について「10年前はより良い機械、より新しい機械、上位機に買い換えていた。しかし、最近では故障による買い換えが圧倒的に多くなり、上位機に買い換えるという理由が少なくなっている」と分析。そういったことから河島氏は「お客様に壊れる前により魅力的な製品を提示できていなかったのではないかと反省している」と明かした。
またユーザーの使用期間が長くなる一方で、PCに対する不満も依然として感じていると言う。それは「速度」や「動作の煩雑さ」という不満要素に対して「まだまだ改善の余地があると認識している」と話し、次のPCのプロダクトにどう活かすのかを取り上げた。
さらに同氏はユーザーが新製品を魅力的に思わない理由を「既存の製品の延長線では“買ってもらえない”」とした上で、「製品の考え方を再定義すべきであるという考えのもとで作られたのが今回の新製品である」と話す。
その再定義の1つが「機能的価値」とし、速さに対する不満を改善。そして使い心地を見直して「情緒的価値」を高め、新たに「自己表現価値」としてシンプルな上質さをめざし、NECのブランドとマッチした所有欲を満たす製品をめざしたという。
続いて、同社 商品企画本部 UXエバンジェリストの森部浩至氏が登壇し、LAVIE Note NEXTの製品について紹介した。
森部氏は2010年モデルと2016年モデルの写真を並べ、製品の違いは「マウスが有線から無線になった」とまるで間違い探しのような変化でしかないことを振り返り、2017年の新製品開発には違いを訴求することからディスカッションを始めたという。
ディスカッションでは「商品投入にあたってのテーマとして、1つ目として今までと違う商品にすること。2つ目がホームノートパソコンを再定義すること。3つ目が長く使う上で愛着を感じてもらうことに絞って検討した」と話す。
従来はデザインやハードウェアをあまり変えることなく新製品を作ってきたが、今回は「すべて見直した。ドライブは必要なのか、テンキーは必要なのか、スライドパッドの位置はそこで良いのか、一度本当に必要なものを洗い出した」とゼロリセットへの取り組みを説明。
森部氏は見直しの精査の段階で「絶対必要な機能や不要な機能についての考え方は簡単だが、一番厄介だったのが“あった方がいい機能”」と振り返り、そのあった方がいい機能の中には「メーカー都合で入れているもの」や「営業が訴求してきた機能」などのもあったが、それらもさまざまな視点から検証し取捨選択したのだという。
シンプルさを追求したデザインは、引き算の美学。イメージしたのはフラットなボディーが見せる「紙の束」。ディスプレイを狭額縁化したことで、フットプリントが従来機の85%となった。これが家の中でも持ち歩きや収納しやすさなど、使い勝手の良さを訴求する要素だ。
また、従来機には様々なキーボード上部などに機能ボタンがあったがそれらを取り払い、フタを開くと画面とキーボードだけの上質でシンプルなデザインを目指したという。
さらにそのキーボード自体も見直しを行い、打鍵音が小さく、剛性を高めてたわまないようキーボードの裏に鉄板を入れている。キートップの印字部分には高耐摩耗UVコーティングで美しさを保つよう作り込みを行っている。
続いて、使い心地を追求したレイアウトも見直しポイントとして紹介。USB端子は前面の左右に配置、実作業で使うマウス操作は右手側での操作を想定し、本体の廃熱が手に当たらないよう廃熱孔を左側にしている。
さらに長く使ってもらうため、ハードディスクの振動防止クッションや電源ボタンを別基板にし、マザーボードへの負荷を回避することがこだわりポイントなのだという。
LAVIE Note NEXTは15.6型フルHD(1920×1080ドット)フルフラットスーパーシャインビューLED IPS液晶を搭載し、筐体は共通ながらスペック別に3モデルをラインナップする。
上位モデルとなる「NX850/JA」シリーズはIntelの第8世代「Core i7-8550U」プロセッサー、8GB(×2)の内蔵メモリー(RAM)、128GB SSD+1TB HDDの内蔵ストレージという構成、「NX750/JA」シリーズの基本構成は同じだがストレージのみ1TB SSHDとなっている。「NX550/JA」シリーズは、CPUが「Core i5-8250U」、4GB RAM、1TB HDDという構成だ。
これらのNEC PCの新しいLAVIE Note NEXTシリーズの発表会や製品について以下に動画でも紹介する。そしてその後に続けて、発表会に併設された展示会場にて新製品のタッチ&トライを行なったので、主に外観を中心に解説していく。
動画リンク:https://youtu.be/AR5FrtphPXM
本体カラーは「グレイスブラックシルバー」および「グレイスホワイト」、「グレイスゴールド」の3色。天板は表面が金属風の加工の樹脂製だ。グレイスブラックシルバーおよびグレイスゴールドは、比較的コンサバなイメージだが、グレイスホワイトは爽やかで新鮮な印象を受けた。
マット加工されたキーボード面は従来機よりも質感が高く、3色のカラーバリエーションによりパーソナルなPCに仕上がっている。
またキーボードは静かだが、打鍵感があって打ちやすい印象だった。方向キーの上下が小さいことと、左端の「Fn」キーと「CTRL」キーの位置がレノボ風といったところだろうか。
右側面の電源ボタンには「Windows Hello」に対応した指紋センサーを搭載。 森部氏はデモンストレーションにおいて、裏技的にフタを開けながら電源ボタンを押して起動時間の短縮を紹介していた。
これまでPCらしさを強調しなかったNECはシンプルなPCに回帰している。一方で、VAIO(バイオ)が昨年発表した「VAIO C15」はツートンカラーによって部屋に置きたくなるカジュアルさを特徴としていた。
このようにコンシューマー向けの15.6インチホームノートPCは、各社の色が出る部分だ。今回のNEC PCのゼロリセットで開発したというLAVIE Note NEXTシリーズが消費者にどう受け止められるか注目していきたいところだ。
NEC
記事執筆:mi2_303
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