海上保安庁の巡視艇うみぎりで訓練を実施!

海上保安庁とNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手携帯電話会社3社は13日、共同で「災害時における通信の確保のための訓練」を実施しました。これは海上保安庁とソフトバンクが2014年12月25日に、NTTドコモとKDDIとは2015年3月6日に「災害時における通信の確保のための相互協力に関する協定」を締結してから毎年行っている訓練です。

災害によって離島などでスマートフォン(スマホ)を含む携帯電話やタブレットなどの情報機器による通信ができない時、巡視艇などにより通信資機材を運搬するなどして通信手段を確保することになっているため、海上保安庁で東北地区を管轄する第二管区海上保安本部がその一環として3社との巡視艇を使った共同訓練を実施しています。

以前にも2016年11月に行った訓練を紹介しましたが、4回目となる今回の訓練ではこれまでより大きな巡視艇に可搬基地局などを積載し、外洋での運搬を行う訓練を行ったほか、新たな試みとして各携帯電話会社が海上保安庁職員に衛星携帯電話の詳しい使い方を教える訓練も行われました。それらの模様をレポートします。

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コンパクトにまとめて置かれた可搬基地局を船に運ぶ


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積載後水濡れ防止のためビニールシートでくるむ


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積載完了の様子


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実際に出港し、運搬時の課題を確認

訓練は塩釜港中ふ頭港町前物揚場で行われました。巡視艇での可搬基地局積載・運搬訓練ですが、今回これまでよりも大きい巡視艇「うみぎり」を用いて行われました。第二管区海上保安本部総務部総務課(広報・地域連携室)企画係の水野雄太さんは「今回で4回目となる訓練ですが、今までは小さめの巡視艇を使っていて、各事業者さんともノウハウが蓄積されてきました。災害時は何が起こるか分からず、どの巡視艇を使うことになるか分かりませんので、今回は船型を変えて大きいサイズの巡視艇を使いました」と大きい巡視艇を使った理由を説明。いつもよりも大きな巡視艇は、基地局を置けるスペースは取りやすいですが、基地局を置くパレットを固定する部分が少ないという難しさがあったようですが、既に3回の訓練を行っている各通信事業者は非常にスムーズに基地局の積載・運搬を行っていました。

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KDDI職員の作業を見守るNTTドコモ職員。ノウハウは3社で共有する

特長的なのは普段は競争関係にある3社が協力し合い、それぞれの社の巡視艇への積載・運搬ノウハウを学び合っていることです。ノウハウは3社で共有し合っているのです。「3社とも検討に検討を重ねて訓練に臨まれていて、3社3様のやり方があるように思えました」と水野さんは通信事業者3社の努力に目を細めていました。

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衛星携帯電話の使い方をレクチャーされる海上保安庁職員


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衛星携帯電話を実際に使って操作法をマスター

今回は新たな試みとして、通信事業者職員による海上保安庁職員への衛星携帯電話使用方法のレクチャーが行われました。「今まで無線機は使ってきましたが、万が一の有事に備えて訓練することにしました。各事業者さんから実際に機材を借りられますので、有事の際に渡されても遅れが生じないように備えられます」と水野さんは通信事業者の協力に感謝を示していました。

今後の訓練については「今後はより大型な巡視船を使うなど、事業者の皆様とも検討を重ねて連携を図っていきたい」と語る水野さん。東日本大震災からまもなく8年が経とうとしていますが、震災を忘れず、こうした訓練により災害への備えを積み重ねることが重要です。









記事執筆:小林健志


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