機種購入時にいろいろなオプションサービスを勧められることもあるが......

本連載「スマホのちょっと深いとこ」では主に技術的な内容を取り上げていますが、今回は少々毛色の違う話題をお届けします。一般に携帯電話の購入は携帯電話事業者との契約を伴い、店頭では契約内容について様々な書類を渡されます。これらの書類は時として非常に小さな文字で多くの内容が記載され、窓口ですべてを細かく説明されることはあまりないのが現状でしょう。しかし時として書類には契約者にとって重要な内容が記載されているのです。

今回はソフトバンクモバイルの機種変更を事例として取り上げ、書類をしっかり確認することの重要性を紹介します。読者のみなさまにとって携帯電話の購入がよい買い物になりますように。

【はじめに:事例の概要】

今回は筆者の親類がソフトバンクモバイルの3G携帯電話(フィーチャーフォン)からiPhone 5cへ機種変更を行いました。店舗は某大型家電量販店(*1)、対応してくれた店員はソフトバンクモバイルの社員でした(名札で確認)。契約主体はあくまで筆者の親類で、筆者は随伴者として店員の説明を受けました。

*1: 具体的な店名は記載しませんが、携帯電話のほかPCやデジタルガジェットなど、筆者がいつも買い物をしている店舗です。

【1:オプションサービスの強制適用を回避】

手続の最初に、今回の機種変更に伴い以下のオプションサービスに加入することになると説明を受けました。

・Wホワイト(980円/月)
・iPhone基本パック(525円/月)
・あんしん保証パックプラス(682円/月)、またはあんしん保証パックR(i)(525円/月)
・Yahoo!プレミアム for SoftBank(399円/月)
・UULA(490円/月)
※価格は書類より転載

これらは必要なければ購入の翌日以降お客様センター(電話番号:157)に電話して解除してほしいとのことでした。こちらとしてはその手続自体が面倒に感じたので「最初からオプションに加入しないことはできないのか」と質問しましたが、購入者全員にこの条件でお願いしているという旨の回答でした

sbm_contract_001
機種変更登録用紙より。加入希望を表す「○」が最初から印刷されていることに注目

これで一度は納得して手続を進めてもらったのですが、その後発行された申込内容確認書に以下の記述を発見しました。

ソフトバンクモバイル取扱店では、オプションサービス加入の強要や、商品のご購入者に別の商品の購入を強制する「抱き合わせ販売」は行っておりません。

この内容について「契約確認書にはこう書いてあるが、先ほどのオプションサービスへの加入に関する説明はこの確認書でいうところの強要ではないのか? ソフトバンクモバイルの社員であるあなたからの説明と、ソフトバンクモバイルから発行された確認書の内容が矛盾するが大丈夫か?」と指摘したところ、店員は最初の説明を覆してオプションサービスへの加入なし(*2)で手続を進めてくれました。

*2: この件とは別に、こちらが希望するオプションサービスについては加入手続してもらいました。

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申込内容確認書より(クリックで拡大)。赤枠部にオプションサービスの強要を行わない旨が明記されている

【2:通信量超過時に自動で追加課金される設定を回避】

契約手続の過程で提示された「iPhoneご契約に関しての注意事項」という書類に、以下の内容が記載されていました。

「速度維持の毎回確認なし」を設定された場合、ご利用状況によってはパケット通信料が高額となることがありますのでご注意ください。

SoftBankのLTEサービスでは1カ月の通信量(7GB)を超過したときには速度が低下する(128kbps)ことは把握していましたが、勝手にパケット通信料が増額される認識はなかったので店員に確認したところ、速度が低下せず自動的に追加課金(2,625円/2GB)される「速度維持の毎回確認なし」という設定が存在し、かつ今回の契約変更においてこの設定が適用されていることが判明しました

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iPhoneご契約に際しての注意事項より(クリックで拡大)。赤枠部に「速度維持の毎回確認なし」についての記載がある

筆者が自分で使うならともかく、細かいところまで把握していない親類にそんな(経済的に)危険な設定で使わせることはできないため、設定を「速度維持の毎回確認あり」に変更してもらいました(*3)。

*3: 実際には手続の都合で変更の処理ができなかったため、機種変更自体をいったんキャンセルして最初からやり直しとなりました。そのせいもあって最初の手続開始から商品引き渡しまで2時間半程度を要しました。

【まとめ:購入者は契約内容確認をしっかり、店員はわかりやすい説明を】

今回はたまたまソフトバンクモバイルの事例でしたが、近年の携帯電話契約は非常に複雑になっているため、意図せず契約者が希望しない契約内容になってしまうことは他社を含めて起こりえると考えておいたほうがよいでしょう。結局のところ契約の内容を精査して契約するかどうかを決めるのは契約する側の責任です。店員の説明をしっかり受け、書類の内容を確認し、不明点があれば納得するまで質問する、そんな姿勢が求められます。携帯電話の契約書に「サインをする」ことの重みを再認識する必要がありそうです。

一方で携帯電話の販売現場においては、契約内容のシンプルでわかりやすい説明を強く求めたいところです。(今回の購入当事者である)筆者の親類は「今回の買い物やiPhoneの使い勝手には満足しているが、店員の説明はよくわからなかった」とコメントしています。


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