1回の充電で30日間使える通信回線切替デバイス「SIM CHANGER ⊿」の発表会をレポート!

Cerevo(セレボ)およびNTTドコモは2日、都内にて「ポータブルSIMの技術を活用した新商品発表会」を開催し、NTTドコモが開発した「ポータブルSIM」の技術を使ってSIMカードを切り替えて通信できるデバイス「SIM CHANGER ⊿(SIMチェンジャー・デルタ)」の開発を発表した。

発売はクラウドファンディング「Makuake(マクアケ)」にて200台限定で59日間の先行申し込みを開始し、目標台数に達した時点で一般販売を開始するというものだったが、すでに公開当日時点で目標を達成している。申し込みが殺到し、8月5日現在で500件を超える状況だ。

今回はこのスマートフォン(スマホ)やタブレットなどのようなSIMカードを利用するデバイスをより便利に使えるSIM CHANGER ⊿について紹介していく。

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SIM CHANGER ⊿が採用するポータブルSIM技術とは、NTTドコモが開発したSIMカード型デバイス「psim proxy」とBluetooth通信を行うポータブルSIMデバイス、そして、ソフトウェアで構成される「PSIM Suite(ピーSIM スイート)」によるもの。CerevoはこのうちのPSIM Suiteのライセンス契約を行い、SIM CHANGER ⊿の製品開発を行なう。

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以前、展示会などで展示されていたポータブルSIMは、ポータブルSIM機能を搭載したスマホやタブレットを1枚のSIMカードで切り替えて使うというものだった。

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一方、SIM CHANGER ⊿はデバイスとポータブルSIMの接続技術を応用して、複数のSIMカードを1台のデバイスで切り替えて使うということに着眼点をおいたユニークなものとなっている。現時点ではnanoSIMカード(4FF)を2枚、microSIMカード(3FF)を2枚、合計4枚のSIMカードを切り替えて使うことが可能だ。

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例えば、メインには定額通話プランの入ったSIMカードを使い、データ定額プランは小容量のもので月々の料金を抑え、データ通信時には仮想移動体通信事業者(MVNO)の格安大容量データプランのSIMカードに切り替えて利用するといった使い方ができる。また、仕事で使うスマホなどを休日はプライベート用のSIMカードに切り替えて使うなども可能だ。

海外用途ならさらに便利で、地域や国でSIMを入れ替えることなくSIM CHANGER ⊿で現地に合ったSIMに切り替えて利用できる。

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技術的な部分としてSIM CHANGER ⊿は、AndroidおよびiOS用に別れたSIMカード型のpsim proxyを端末に入れて使う。Cerevoはこのpsim proxyをブリッジカードと呼んでいる。

ブリッジカードが入ったデバイスが通信できるようになる仕組みは、端末がブリッジカードにSIMカードの情報を確認するとブリッジカードとSIM CHANGER ⊿が通信を行い、SIMカードの情報をブリッジカードに返してそのSIMカードの振る舞いをすることで、通信を可能とする。

ブリッジカード自体は携帯電話会社(以下、キャリア)に関係なく利用でき、例えば、auやSoftBank、Y!mobileなどの端末とSIM CHANGER ⊿との組み合わせも可能だ。この場合は、利用する端末に合わせてauやSoftBankなどのSIMが必要となる。というのも、ブリッジカードはあくまでSIMカードの振る舞いをするだけなので、NTTドコモのSIMカードはauなどの端末で認識しない。

しかしながら、SIMロック解除した端末であれば、他キャリアのSIMカードに切り替えて利用可能だ。このことからSIMフリーデバイスが、一番扱いやすく応用できそうだ。

また、複数のブリッジカードを用意すれば、1枚のSIMを複数端末で切り替えて使い回しすることも可能だ。この場合は、SIM CHANGER ⊿とブリッジカード1対1のペアリングのみで、複数端末で同時通信はできないという。

この利用法なら複数のSIMカードは持っていないが、複数のスマホやタブレットを持っているケースで、面倒なSIMカードの入れ替えやテザリングの設定をすることなく、使いたい端末からSIM CHANGER ⊿へ通信の設定変更ができる。

現在、NTTドコモ向けのAndroidおよびiOSデバイスでの動作を確認済みあり、その他の製品での利用は自己責任となるが応用範囲は広く、それが今回のクラウドファンディング成功の要因だろう。

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販売価格は、限定200台に限りブリッジカード1枚付きで10,800円、限定数終了後の現在は12,960円で申し込み可能だ。期間限定のクラウドファンディングの申し込み終了後の一般販売価格は16,200円となるため、早期の申し込みがお得だ(価格はすべて税込)。なお、初期の発売(出荷)時期は2017年3月を予定している。

記事執筆:mi2_303


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