スマートフォンとは逆を往く、世界最小の携帯電話 NanoPhone C

2012年に設立され、現在、モスクワと香港、そしてラトビア共和国の首都・リガにオフィスを持つ、スマートガジェットを販売しているElariが今年4月に発売した世界最小の携帯電話「NanoPhone C」。

いわゆるストレート型フィーチャーフォン(従来型携帯電話、いわゆる「ガラケー」)タイプの携帯電話で、1インチディスプレイとダイアルキーなどを搭載し、約30gと小型・軽量な製品となっています。

また見た目もスタイリッシュで、価格がAmazon.co.ukでは35.18ユーロ(約4,600円)となっており、なかなか魅力的です。日本でもフリスクケータイこと、ストラップフォンシリーズが販売されていましたが、最近ではなくなってしまったため、そろそろこういった製品も期待したいところです。

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NanoPhone Cの魅力は何と言ってもその小ささで、サイズは約94.4×35.8×7.6mmです。スマートフォン(スマホ)時代にケータイ?と一瞬思ったものの、その洗練されたデザインを見ると、そんな感想も吹き飛ぶほど非常に美しい製品です。

こんな小さな筐体ながらも、microSIMカード(3FF)とmicroSDカード(最大32GBまで)を挿入することができ、電話機能以外にMP3プレーヤーやFMラジオ、電話録音機能、そして、Bluetoothハンドセット機能が搭載されています。

バッテリーは280mAhで最大約4時間の通話や最大約4日の待受が可能。画面は約1インチ128×96ドットTFT液晶(ウルトラブライトネス対応)。チップセット(SoC)はMediaTeK製「MT6261D」で、OSは「RTOS」。

特にスマホとのBluetoothハンドセット機能が大変ありがたいもので、スマホとペアリングさせれば、スマホにかかってきた電話をNanoPhone Cで受話することができます。

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また、ペアリングしたスマホからワンクリックでNanoPhone Cへ最大1000件の連絡先をコピーすることができるため、いちいち連絡先を手打ちで登録する必要はありません。

今では、iCloudやGoogleアカウントにログインするだけで、連絡先などのデータを瞬時に同期できるのが当たり前な世界になりましたが、子どもの頃はキャリアショップで機種変する際に、専用機器を使って連絡先移行をするといったような時代でした。

NanoPhone Cはあの頃の携帯電話と形式が似てはいますが、Bluetooth経由で連絡先の同期を取るなんてところを見ると、今を生きる携帯電話なんだなと感じます。

さらにNanoPhone Cは本体内蔵SIMカードまたはペアリングしたスマホのSIMカードの番号どちらかを使用して、電話をかけることができるので、サブ回線持ちでもNanoPhone Cだけで電話をかけることが可能です。

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もちろん、NanoPhone Cには電話機能やMP3プレーヤー、FMラジオ、電話録音機能、Bluetoothヘッドセット機能、SMS機能しか搭載されていません。

スマホが当たり前になった今日、電波さえ繋がっていればインターネットに接続できるというなんとも便利な世界になったのですが、裏を返すとどこに居てもインターネットに縛られる生活を営んでいることにもなります。

人間は時として、流れ込んでくる情報を最低限カットし、ただただ時が流れるのを過ごしたくなるものです。ただ流れ込んでくる情報を一切合切遮断してしまうと、それはそれで不安にもなります。

音信不通にはならず、でも極力インターネットから離れたいと言った時に、このNanoPhone Cが役に立ってくれるわけです。

NanoPhone Cは今のところ日本では発売されていませんし、対応する携帯電話ネットワークも2GのGSM(850および900、1800、1900MHz)のみなので日本では使えませんが、もし日本でもNanoPhone Cの日本版もしくは、それに近しいものが出れば、スマホが存在しなかった、そして、iモードなんて存在しなかったあの時代に戻れるかも知れませんね!?

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記事執筆:YUKITO KATO


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